企画のつなぎ
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
日々の売場の中で発生する「つなぎ」。
つなぎ?。
それは私の言い方であって、企業毎に言い方は変わるのかもしれない。
企画と企画の間。
商品入替えの間。
等の状態の売場。
要は売り切りから新規企画までの間の状態。
企画コーナーは、例えば売場のテーマを「新米」をテーマとした売場から「鍋」をテーマとした売場に企画上変更する計画を組む。
立ち上がり時は見事な売場が出来上がる。
商品ボリューム、媒体関係、そして縦割り等。
そこに動きがあり、追加があり維持されていく。
しかし、次の企画が数日後に迫ってきた場合に、売り減らしを図っていく。
ボリュームが無くなり、縦割りは崩れ、部門合同で展開していれば、部門毎の足並みの悪さも浮き彫りになってくる。
要は、ガタガタの状態。
そして、各部毎に撤去に入り、ある時に一気に売場が次のテーマへと立て直される。
そのつなぎの時間を、如何に短縮できるか。
グロサリー商品群ならまだ影響は少ないが、これが生鮮食材の売場であれば、時間の経過と共にチャンスロスが膨大に膨らむ。
例えば、日付の違いによりつなぎを作る場合。
売場の在庫品の日付が1日古くて、今日入荷品を売場に出したいが在庫をある程度売り切ってからでないと、古い商品のロスが増えるために出せない(出さない)。
私から言わせれば、ナンセンスな話だ。
売れ数とは、売場の状態で大きく異なるからだ。
在庫が100個あるから50個売れる。
在庫が50個なら20個しか売れない。
商品の売れ数とは、在庫の数によって加速度的に増えるし、減りもする。
在庫が100個の売場だったら、5割の売れ行きが、50個だったら4割に減少する。これが10個だったら2個程度に落ちて2割の確率に低減していく。
これが商売である。
だから、商売感を持つようになると、このつなぎの時間をできるだけ短縮しようとする。
しかし、それはマニュアルには何処にも出てこない。
先輩に言われながら、自分で体験しながら身につけていく原理である。
「なんだ、この売場は?。」
「日付違いで売り切りを図っています。」
日付の古い商品は出来るだけ売り切ってから新しい商品を補充する。
そんなマニュアル通りの仕事をすると、カスカスのもやし売場でお客様が売れ残りの商品を買うのをためらう確率を大いに高めることになってしまう。
売れない担当者が陥りやすいトラップ(罠)である。
昨日までのりんごが36玉だったとし、今日から入荷のりんごが32玉だったとする。
今日の玉が大きいので、古い玉を売り切ってから。
そんな思惑で売場に今日入荷の商品を出さなければ、いつまでたっても補充はできない。
残り数が減れば減るほど、売れなくなるからだ。
古い商品は思い切って売場から撤去して袋詰め。
そして、一気に新たな商品で売場を大陳する。
これによって、その日のりんごの売り上げは3倍ほどにも違いが出るだろう。
あとは、やるかやらないか。
やれば、常に忙しい時間との戦いが待っている。
やらなければ、楽に時間通りに帰れるだろう。
この分岐点でどう判断しどう行動するか。
人生は、すべてこのような決断の連続で流れていくのである。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
指導しながら自らも学んでいく。そんなスタンスは必要かもしれませんね。そして、自らのマックスを更新していくことが担当者の使命かとも思います。
投稿: てっちゃん | 2015年10月14日 (水) 07時48分
分かってはいても、というところでしょうか。自分では出来なかったことを棚に上げてビシビシ指導していこうと思います!
投稿: かわらい | 2015年10月13日 (火) 21時36分
神出鬼没さん、コメントありがとうございます。
あれっ、りんごは(笑)?。
投稿: てっちゃん | 2015年10月13日 (火) 07時13分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
自分が現役(現場担当者)時代にはなかなか行き着かなかった商売の原理原則。
店長になった今、ようやくその本質が見えてきたような気がします。それを現場担当者にどう伝えていけるか。我々次第ですね。
投稿: てっちゃん | 2015年10月13日 (火) 07時11分
諦めが肝心ですね(笑)
どんな事情であれ優先されるべきは
お客様目線での視点。
ココを外してはいけませんね。
というわけで明日当店は
みかんの詰め放題です(>_<)
投稿: 神出鬼没 | 2015年10月12日 (月) 21時42分
今日はシンプルに(笑)。
損して得とれ・・・古来からの謂れは時代を超越するのでしょう。目先の利益に捉われるとしっぺ返しが来る。今日も自戒のコメントとなってしまいました(笑)。
投稿: dadama | 2015年10月12日 (月) 20時50分