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2015年10月13日 (火)

相場安時の売り方

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日、10月4日の「いわしの日」。

  いつになく脂の乗ったいわしが入荷した。

そして、数日間まるまると太ったいわしが続けて入荷した。

  「これは、量販のチャンス到来(笑)!。」

そう思って、単品量販を仕掛けた鮮魚担当者が何人いただろうか。
自店の客数もあろうだろう、お客様の魚離れもあるだろう、ロスもあるだろう。

  しかし、そんな場面ほど担当者の能力が如実に現れる。

そして、最終的な利益に雲泥の差が現れてしますのがこの部門の特性でもあろう。

  この商品の相場がいくらだったら、いくつ売り込める。

それが、相場によって自分の販売数量が決まっているのだ。

  いわし原価50円で、3ケースの発注。
  いわし原価50円で、5ケースの発注。
  いわし原価50円で、10ケースの発注。

担当者によって、同じ売り上げのお店でも上記のようにこれだけの発注数量に違いが出る。

それは、過去に自分でいわしをこの相場でどれだけ単品量販したかの記憶と計画にかかってくるものだ。

そして、発展途上国の若年層は、このような相場安時にどれだけチャレンジしたかで自分のいわしの売り込みの引き出しが増えていくか閉じたままかに分かれていく。

  どうせなら引き出しを増やしていくチャレンジをしたほうが自分の為だ。

それは、発注に全てがかかっていく。

  発注が全て。

それは、そのような前提があるからこその言葉である。
そのような前提無くして、発注が全てではないと思う。

  だから発注者は相場によって下した発注の段階から意気込みが違う。

その段階から、チャレンジした自分の発注数量を、どう品揃えしてどう量販アイテムを決め、どう売り切っていくかという1日のストーリーが頭に描かれているものだ。

そして、そのイメージを引っさげて当日に臨み、商品と従業員とお客様と戦いながら、商品の動向をうかがう。

  この一連の流れが最高に楽しいひと時でもある。

まさに、生鮮担当者の醍醐味であろう。
そして、自分が描いたストーリーとの誤差を、その都度その都度微調整しながら1日のピークに備え、最高のボリュームと鮮度と品揃えで迎える。

  そんなひと時を、担当者と共有する。

それも、店長としての楽しさでもあろう。

  担当者が作った最高の売場に花を添える。

それも、店長としての売場作りである。

  部門の「最高」を店舗の「最高」に引き上げる。

最後のステップを店長が橋渡しする。
それも店長のやれるべき手助けであろう。

  そんな1日1日を遅れたら、仕事はもっと楽しくなるだろう。



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商売」カテゴリの記事

コメント

かわらいさん、コメントありがとうございます。
商売の醍醐味は、担当者によって発注数量が全く変わっていくということに行き着くのではないでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2015年10月17日 (土) 22時38分

同じ原価でも発注量が変わる。正に商売の醍醐味ですね。売れる数で発注すれば販売数は減って行くだけ。やはりそこには店長の関わりが必要になりますね。

投稿: かわらい | 2015年10月17日 (土) 22時12分

神出鬼没さん、コメントありがとうございます。
みかんで限界越え。
素晴らしい体験を積みましたね。
以前の経験値を超える体験。その積み重ねが他商品に活かされることだと思います。

投稿: てっちゃん | 2015年10月16日 (金) 01時01分

相場が下がった瞬間ほど担当者はワクワクドキドキですね。その時の販売数量をシッカリ把握できれば、
季節が変わって、商品が変わっても応用ができますね。
今回はリンゴではなくミカンで限界超えの数量を
覚えました(笑)

投稿: 神出鬼没 | 2015年10月15日 (木) 13時27分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
個人が個店で単品を自分で売りたいだけ発注して自分で陳列して売ることができるのは、小売業の特性であり特権でしょう。だからパートさんも店長も同じ視点でコミュニケーションができるし情報を共有することもできる。これが店舗内での繋がりの基本かと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2015年10月14日 (水) 19時03分

チェーンストアオペレーションが進んでもやっぱり商売感に勝る事は出来ない気がします。商売はギャンブル性もありますから(笑)、当たった時の快感は忘れられませんし店長になってもこの快感を知らねば成り立たないと思うのですが・・・詭弁でしょうか(笑)。
商売の楽しさを認め業績評価を加えるとこの業界も捨てた物ではないと思います。

投稿: dadama | 2015年10月13日 (火) 22時01分

りっちゃんさん、コメントありがとうございます。
相場表が店長の手元に届き、そこからチーフと吟味する。
まさに急曲の理想形ですね。
そんな組織や店舗は絶対に強いと思います。

投稿: てっちゃん | 2015年10月13日 (火) 19時08分

店長として担当者が発泡箱のまま量販しているのを見て相場安を知る
それから話をしたのでは売り逃がしの発生が大です
毎朝相場表が送られて来ますが担当者へ直行ではダメですね(笑)

投稿: りっちやん | 2015年10月13日 (火) 18時17分

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