取引先の現状
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
人材不足は何も我々小売業ばかりではない。
我々の取引先様も大いに人材不足に悩んでおられる。
メーカー、問屋、市場、そして物流。
どこもかしこも人材不足に陥っている。
人材不足ならまだいいのかもしれない。
人材不足に加えて、人材の入れ替わりも進んでいるから、一人一人のその仕事での経験値が少なくなっているのも事実。
業務判断力が落ちてきている。
従来であれば、「あ・うん」の呼吸で当社と取引していた企業が、担当者の入れ替わりにより、「あ・うん」の呼吸が崩れ、当社が期待する取引が出来ない。
その根底には、例えば市場の流通量の減少による商品入荷量の減少。
その入荷量の減少が、人材の取り扱い量の減少を招く。
取り扱い量が減少すると、必然的に商品知識が衰えていく。
教育とは場数をこなすという原理原則が崩れるから
そして、取引先との場数が「あ・うん」の信頼関係を生む。
従来であれば、安定した商品の品質を誇っていた取引先が、担当者の入れ替え時点から、急に不安定になった。
いままで当社との取引を重ねならがら培ってきた商品の安定供給。
その関係が崩れていく。
特に生鮮物は、一品一品の目利きを要する。
その目利きと取引先相手との信頼関係。
それが崩れると、当事者のバイヤーは苦労する。
だから、取引量は絶対に落としてはいけないのだ。
自分が取り扱った数、販売した数、取り組んだ数、出会った数、失敗した数、それぞれに数をこなすことで、仕事人はそこで磨かれていく。
それは、どこの業界でも同じことが言えるのだろう。
スーパー、生産者、メーカー、問屋、市場。
場数が人を育てていく。
従来は、偶然にも場数を踏まされていた。
それが結果的に成功へと結びついていた。
しかし、今後は黙っていては場数は減っていく。
自分を磨くための場数を自ら求めていく時代。
そんな時代なのだろう。
だから、人から言われてとか仕事だから仕方なくという従来の発想での取り組み方から、自ら求めていく姿勢がある人間が伸びていく時代。
仕事をしっかりこなしていても場数は踏めない。
他者よりも自分を磨くためには、自ら求めて場数を踏める環境に自分を投入できるか。
従来は仕事で自然に磨かれた能力がこれからは見込めない。
だから、自ら求めていくしか手は無い。
従来よりも自分の可能性を信じて、行動した人間ほど差別化されていく。
知識ではない。
場数という知恵を得る経験を積むかである。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
いろいろな意味でサラリーマン的な仕事の仕方が染み付いてしまったのでしょうか。
組織が固まり販売、商品、総務等の役割がチェーンストアとしてしっかり固まった組織になってから入社した世代は、その姿が全てですからね。我々の時代のようにまだ組織が混沌としていた時代であれば、現場担当者が仕入れ業務も一部こなしていた時代であり、仕入れ+販売を通してこだわって売るから、売り方が学べたというメリットもたくさんありましたからね。
投稿: てっちゃん | 2015年9月26日 (土) 01時03分
かわらいさん、コメントありがとうございます。
センター等の24時間稼働業務ほど我々以上に人員不足になっているのでしょうね。それを解消してくれるのは、機械かコンピューターかそれともロボットか(笑)。そんな時代がくるのでしょうね。
投稿: てっちゃん | 2015年9月26日 (土) 00時58分
かおるさん、コメントありがとうございます。
ある意味、一人のバイヤーの上に胡座をかぐことことでお互いにデメリットになっていることも出てくるはず。そういう意味では、新規バイヤーによってお互いの新たな可能性が引き出されるという視点も必要ですね。
投稿: てっちゃん | 2015年9月26日 (土) 00時56分
どこの業界もやはり人材不足なんですね。当社がお世話になっているセンターも深夜1500円の時給でもひとが来ないと嘆いております。否が応でも1人1人の作業量は増えていくかもしれませんね。
投稿: かわらい | 2015年9月25日 (金) 22時56分
私も一担当者でありながら仲買や荷受と話しをつけ仕入れた経験は数知れず(笑)。商品に惚れることは大切ですね。惚れて売り込む商品はほぼ確実に売れる。商品に惚れるには基準も必要であり商品の深みも理解出来ますね。最近惚れる事が出来ない担当者、バイヤーが増えてきた気がするのですが、人材難では片付けてはならない商売の基本であるとおもうのですが・・・
投稿: dadama | 2015年9月25日 (金) 20時31分
かおるです。
以下、本稿の主旨とずれますが。
私が農産のバイヤーになった時したことは兎に角前任者の先輩バイヤーのMDを片っ端からやめていき自分の思う新たな産地、取引先、商品に変えていったことです。
中には創業以来の恩顧ある取引先もありました。さすがに取引停止まではいきませんが相当“冷や飯”を食わせたのは事実です。
上司に嫌味を言われたり怒られたりもしましたが今となってはよく許されたなぁ、と思います。
今のバイヤー諸君は真面目で人柄がよく、淘汰されたものもありますが多くの取り組みを引き継いでくれています。
有難いなと思う反面せっかくバイヤーになったのだから時代遅れだと思う取り組みはどんどん切って自分の理想とするMDを多少強引にでもやればよいのにな、と思います。
投稿: かおる | 2015年9月25日 (金) 19時15分