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2015年9月26日 (土)

生鮮作業場にて

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


各部門の作業場の状況。

  知っているようでわからない。

特に、オープンになっていない各生鮮と惣菜、寿司、ベーカリーのバックヤードは狭い部屋の中での作業となる。

  店長として足を踏み入れない限りは状況が見えてこない。

自分の出身部門である部署には容易に足を踏み込めるが、それ以外はどうしても足が遠のいてしまう。

  ただ行くだけでは申し訳ないから、品出しの一つでも。

そんな安易な発想から足を踏み入れるのも一つの手であろう。

  来られた部門は、案外嬉しい物だ。

緊張もするだろう。
恐怖を覚えることもあるだろう。
しかし、店長が直接足を踏み入れるという事実は、認められるという行為につながっていく。

  “店長は私たちをどう認めてくれているのか?”

仕事が早いと思われているのか、遅いと思われているのか。
接客面で努力していると思われているのか、努力していないと思われているのか。
部門としてチームワークが良いと思われているのか、悪いと思われているのか。

  等々、店長という上司の顔色は最大の関心事。

二言三言でもいい、じっくり商品に対しての会話でもいい。
話された方は、いつにない充実感を得るのではないか。

  そしてそれをひとつのきっかけにして、作業を見る。

一人一人の作業をじっくり見ていく。
そうすると、いろいろな事が見えて来る。

  “何度も冷蔵庫に商品を取りに行っているなぁ〜”
  “商品のトレイを探しに時間がかかっているなぁ〜”
  “10段カートに空きが多いなぁ〜”
  “この通路を商品が邪魔をしているなぁ〜”

等々。いろいろな事が見えて来る。

  作業に関しては定位置作業が一番効率が良い。

商品製造者は、極力自分の立ち位置から動かない。
特に生食を担当する方は、その手でいろいろな部分に触れてしまうと衛生上問題が多いから定位置作業を原則とする。

そんな原則を守って作業を進めると、驚くほどの作業効率がもたらされる。
その原則をしっかり遂行しているかどうかのチェックも兼ねて、生鮮や惣菜のバックヤードに足を踏み入れる。

店長としては需要なことであるが、企業としてその部分の作業マニュアルが整っていないと指摘出来ない。

  そこまで店長が入り込む部分ではないだろう。

それは、部門やチーフの領域として存在しているものだ。

しかし、作業面のマニュアルができている企業であれば、このような細部にわたる決め事が共有されているため、店長と本部バイヤー、店舗チーフが同じ視点で作業を見る事が出来る。

そこに、作業やオペレーションという領域での共通認識が存在してくるわけだ。
逆に言うと、部門経験の無い店長も同様の認識を持つ事により、その思想を一貫させようとする意図もあるのだ。

  作業の効率化。

基本的な売場作りの為の、開店時品揃えの効率的な商品製造。
日々、定量を製造するルーティンワークに対しての、上記のような作業マニュアルは開店時品揃えを、効率良く行うノウハウと言える。

そこから先、日々の企画コーナーや単品量販においては、日々の製造商品が異なってくる為、上記マニュアルに縛られすぎると自由な発想での売場作りに支障をきたしてくるから強要はできないが(笑)。

日々のルーティンワークを効率良く。
その前提の上のダイナミックな企画力。

  どちらも大切な商売の要諦である。




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コメント

かわらいさん、コメントありがとうございます。
店長がグロサリーの発注等を受け持つということは、生鮮出身者ではなくグロサリー出身者が店長に昇格するという暗黙の了解があるのでしょうか。
そうなると、どうしても足が遠のくのでしょうね。
店長という職位。
どこかに逃げ道を作ってしまうと、その逃げ道で精力を果たすと、やった感で満足しがちですが、それは本来の店長のあるべき姿ではないわけですから、そこから少しでもいいから生鮮へ向けさせるような仕組みも必要かと思われます。

投稿: てっちゃん | 2015年9月27日 (日) 22時49分

店長が作業場に入る、当社では驚くほど少ないですね。店長でありながら部門の発注作業等をやっているせいもありますが、生鮮出身の店長が少ないのも影響しているかも?何気ない会話でも良いのでコミュニケーションを取るべきですね。

投稿: かわらい | 2015年9月26日 (土) 22時50分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
連帯感の強いお店というのが想像つきますね。
更に、一つの事を全員で取り組む。
以外にパートさん達はそのような取り組みに飢えているのだろうと思います(笑)。

投稿: てっちゃん | 2015年9月26日 (土) 22時39分

りっちゃんさん、コメントありがとうございます。
私も、ハンドラップの手伝いに各部回りましたね(笑)。
そこで世間話になり、雑談の宝庫であったハンドラップ。懐かしいですね。今ではほとんどがオートパッカーという機械に凌駕されて、オートパッカーを重点的に使用するという機会すら激減しましたね。

投稿: てっちゃん | 2015年9月26日 (土) 22時36分

はい、作業マニュアルはないです(笑)。本当の所は過去に何度もマニュアル化を試みても定着しない。良くも悪くも会社のDNAですね。だからこそ個の力を信じ強みとして伸ばすしかないと思うのですが。作業場にはしょっちゅう顔出します。パートさんが呆れるほど(笑)。作業の手伝いと言うよりはコミュニケーションや連帯感を強めるためには現場に入り込む事はとても大切ですね。

投稿: dadama | 2015年9月26日 (土) 21時37分

かって、オートパッカーが無かった時代は
朝から店長が商品パックに入るのが恒例になってました
その際に色々話し相互のコミュニケーションをとったり
店長はバックの状況を把握したりしていましたが
備品が進化してくると良い習慣も過去のものとなります
自分から積極的に行動する姿勢が求められますね。

投稿: りっちやん | 2015年9月26日 (土) 17時44分

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