現場の考える風土
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
考える組織。
数年前に流行した言葉。
要は、トヨタ自動車のように、現場で「なぜ、なぜ、なぜ、」を5回繰り返してカイゼンしていくような、現場が課題に対してとことん突き詰めて目の前の壁を克服していくような組織をイメージして出来上がった言葉であり組織作りである。
我々小売業に置き換えた時にどうか。
我々小売業だって、現場で発注という行為を行っている。
発注 = 考える行為。
そう置き換えることもできる。
誰にも強要されないで、自分が受け持つカテゴリーをいろいろな情報を元に、自らの判断で決断して販売数量を決める。
これこそ、考える行為である。
だから、発注を受け持つということは、我々小売業に携わる者としては、最大の最初の考える行為ではある。
特に、グロサリー部門のように取り扱いアイテムが多い部門ほど、発注を分担してパートさん一人一人に考える行為を分割している部門もある。
発注のことを考えると、夜も眠れない。
以前、発注担当者のパートさんからこんなクレームをもらったことがある(笑)。
発注に携わって間もなくのことだった。
それでも、そのパートさんは楽しそうに発注と陳列、そして企画の平台の計画をこなしていた。
要は、自ら発注することの楽しさを知ったのだろう。
もう少し、世界を広げてみよう。
中小のような小さな組織では、本部機能も仕入れ業務がメインであり、細部の販売情報までは発信出来ない現状がある。
よって、販売面は個店で対応されることになる。
だから、個店の販売担当者が個店のお客様に応じて、更に天候やイベント志向や販売担当者の志向に応じて売場作りと販売数量を決定していくことの割合が高い。
だから、現場で考えるという割合も高い。
これが、組織が大きくなるにしたがって本部機能も充実してくるから、本部提案の販売情報も密になってくる。
現場が考えなくても売場が作れる仕組みが出来上がる。
仕入ればかりでなく、販売面でも本部統一の仕組みが出来上がり、チェーンストアとしての体制が出来上がっていく。
チェーンストア化とは現場から考える風土を奪っていく。
その過程なのかもしれない。
その流れから、どう両立は図るか。
それが、大手の課題でもあるのだ。
イトーヨーカ堂やイオンが取り組もうとしているのが、その一環の個店経営というトライ。
個店強化として現場力を生かす経営戦略。
大手も、現場力を磨いて、個店同士の競争に勝てなければ業績は向上しないという原理を嫌という程思い知らされてきたのだろう。
競合店が乱立し、店舗の規模や企業の知名度という要因以上に、個店が地域のお客様に応じて、商売とい対応力のスピードと店舗としての横串の刺さった完成度と個人の接客対応力等で業績が変わっていくことが、時代の流れであると認識し始めてきたのだろうと思う。
よって、充実した本部情報と個店対応の両立を如何に図るか。
この壁をどう両立していくか。
本部情報を一提案として参照しながらも、個店計画を優先させ、店舗一丸となって商売の楽しさを満喫していく店舗経営。
店長の手腕が問われる時代。
これからは、個店経営を理解して行動できる店長とい存在が必要になっていく時代なのである。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
現場のやる気が構築されている。
実に羨ましい現象ですね。この現象を如何に昇華させられるかが、かわらいさんお手腕でしょうか。
投稿: てっちゃん | 2015年9月 8日 (火) 09時04分
現場の考える風土は恐ろしいほど構築されています。(笑)せっかくのみんなのヤル気を同じ方向にしていかなければなりません。
投稿: かわらい | 2015年9月 6日 (日) 22時53分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
→120点の店長は会社としてはリスク
120点ということは、会社の枠を飛び越えていこうとする意味でしょうね。
しかし、企業としては、120%の存在もいてもらうことも必要な気もするのですがねぇ〜(笑)。
投稿: てっちゃん | 2015年9月 4日 (金) 22時01分
二年前に社長と激突した時「120点の店長は会社としてはリスクとなる。」と言われました。会社は個人商店ではないと・・・しかしながら現実はご承知の通り。自分の店は自分て゛守る=前任者の数字を意地でも超す姿勢が無いと会社の成長はないと思います。超す手法は千差万別ですが何れにしてもお客様の支持を頂けなければ売上と利益は上がらないので自ずから地域最適化=個店力に結びついていくのでしょう。そのために学びが必要であり学びを実践する中で失敗と反省をしながら成功の確率を上げていく。当社も個店重視に舵を切った以上店長の責任も重くなりその重さを辛さとするか励みとするかで結果も大きく変わってくるのだと思います。
投稿: dadama | 2015年9月 4日 (金) 21時39分
神出鬼没さん、コメントありがとうございます。
出せば売れる時代は、本部機能に集約させてチェーン化を図れば、個店が弱くても需要の方が勝っていた。スーパーマーケットが成長していきたのはそんな時代。だから本部に優秀な人材を登用して本部機能を高めた方が効率が良かった。
しかし、現代は個店の強さが問われている時代。現場力を活かしてお客様の選択肢として勝てる地域の個店であらねばならない。規模でも品揃えでも店舗というハード面でもない、日々お客様を楽しませる現場であらねばならない時代。そこに商品調達としての本部がどう支援していけるか。ここを誤ると大企業病から抜け出せない構図に陥ってしまうだろうと思います。
投稿: てっちゃん | 2015年9月 4日 (金) 20時23分
シゴトは一つで全てを抱え込んではいけない
ということでしょうか。
たとえそれが本部という大きなものから、
一部門という小さなものまで。
どちらが欠けてしまってもいけませんし、
バランスがとれなくなってもいけませんね。
お互いが上手く補完し合えたら良いのですが(笑)
投稿: 神出鬼没 | 2015年9月 4日 (金) 08時35分