個店ごとの時代の流れ
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
我々は、店舗という現場で働いている。
個店ごとに顧客が存在する。
その顧客は、その個店周辺に居住するお客様である。
よって、そのお客様は個店ごとに重なることはない。
個店には個店特有のお客様が存在する。
そこにチェーンストアの難しさが存在するのだ。
同じ店舗規模、同じレイアウト、同じ品揃え、同じオペレーションでチェーン展開するスーパーマーケットとは言えども、お客様の違いによるマーチャンダイジングのズレは必ず発生する。
それが如実に現れるのが「盆」「暮」。
お盆や年末となると、地域のお客様の暮らし方が真逆になる店舗が続出する。
しかし、その現実は、どのチェーンストアにも存在する。
その違いを店長はじめ、現場の担当者達が日々手探りで追求していくことが仕事でもある。
そして、その個店も将来的に変化していく。
要は、個店のお客様も未来的に成長していくということ。
だから、同じ店舗でも10年後には、お客様も10歳成長するわけであるから、30歳代の若いお客様が多い店舗でも10年後には40歳代の顧客層に変化していく。
開店当初は地域のお客様が帰省する方多かったお盆商戦でも、10年後にはお盆の賑わう地域へ変化していくという事実。
しかしそれも、住宅地に存在する店舗と駅周辺に存在する店舗ではまた異なる。
進化する住宅地と人が入れ替わる駅周辺。
そんな違いが日々、毎年少しずつ変化しながら5年、10年とお店の役割は変化していくものだ。
自店の未来はどう変遷していくのか。
その仮説の上で、日々の商売や年々のお盆商戦を見ていきたいものだ。
しかし世の中全体としてはどんどん高齢化に向かっている事実。
家庭の主婦を対象に、家庭内食の提供業としてワンストップショッピング性の高いお店のコンセプトでスタートしたスーパーマーケットであるが、その使命も高齢化の進化とともに変えていかなければお客様を失うことになっていくのだろう。
家庭の主婦層の来店頻度。
この頻度が激減していく店舗も多いだろう。
定年後のご夫婦の来店頻度。
この頻度が高まるお店が多くなるだろう。
男性高齢者の来店頻度。
この頻度が大きく高まるお店もあるだろう。
いずれにしても、男性高齢者の来店頻度は従来よりも高まる可能性は高い。
夫婦で今日の献立を買い物に来る場面、特に定年後の旦那さんも一緒に買い物に来る頻度の高まり。
また、独身の方やお一人になった男性高齢者の方の買い物頻度も大いに高まるだろう。
自分の健康面を考えると、魚の需要が高まることを意識しなければならない。
ただし、従来の丸魚という販売シーンではなく、それを店内加工できるか。
それも、ますます調理しやすい状態に。
専門店への志向が高くなるだろう。
従来は、奥様が一手に引き受けていた家庭内食。
それが、一日中家にいる旦那さんも一旦を担う役割へ。
自分のつまみぐらい自分で作るか。
そんな志向へと進むのではないか。
つまみ類の需要の高まり。
いろいろな想定が変化し、仮説を変えていかなければ対応できない時代へ向けて、考えていかなければならないのかもしれない。
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コメント
神出鬼没さん、コメントありがとうございます。
今回のように、台風通過でも時間差のある地域間格差、雨だけのエリアと雨風のエリアでの格差もあるでしょうか。
関東方面の事前の買いだめは少なかったようです。
投稿: てっちゃん | 2015年7月17日 (金) 06時16分
通り一辺倒の固定観念を崩さなければ
お客様のニーズの変化に応えていけない
とつくづく思いました。
一例ですが台風商戦。
台風接近前日は客数も増え売れるものが
決まっていたのですが、今回は不振。
通常ですと追加の嵐になるハズの市場でも
殆ど電話がなりませんでした。
商談を終えMRで回るとどこもお惣菜のみが
何処も欠品。日付の近いパンなどは見切りの山…
売場にいる時間をもっと増やさねばと
つくづく思った瞬間でした。
投稿: 神出鬼没 | 2015年7月17日 (金) 05時13分
かわらいさん、コメントありがとうございます。
小売業として、自分のお店のお客様を知るか知らないかという問題は大きいと思います。
自社も含めて把握していないから、常に後追いの対応しか出来ない。もっと積極的に自店のお客様対策に乗り出さなくてはならないですね。
投稿: てっちゃん | 2015年7月17日 (金) 00時25分
当社でも全店舗で等しくお客様の世代交代が進んでいるはずですが本気でそれを考え自分たちが変化しているかと言うと正直出来ていないですね。地域密着を謳うなら、世間一般論でなく、もっと真面目にお客様を知る努力が必要ですね。
投稿: かわらい | 2015年7月16日 (木) 14時56分
りっちゃんさん、コメントありがとうございます。
包丁を握らない世代ほど、安心安全や健康を意識しすぎる。
これが世の流れなのかもしれませんが、包丁を握る世代の強烈な消費意識が懐かしいですね。もう一度世の中をそのような方向へ修正したいものです。(笑)。
投稿: てっちゃん | 2015年7月15日 (水) 21時03分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
チェーンストアメリットを享受できる企業は全国で1社だけ。それ以外はチェーンストアを目指しながらも差別化やニッチ戦略の戦略へ移行しなければ生き残りは出来ない。
厳しい未来しか開けていないですね。
さて、どの戦略を取るべきか。
投稿: てっちゃん | 2015年7月15日 (水) 21時01分
私の以前の店舗は新しい団地内、現在は道路沿い
お客様の層は180度違いますし、盆・暮の売れ方の
違いには確かに面食らいましたが、平常月の品揃えの
基本は変わりませんね、今の若い方は包丁握りませんし
やはり個食や安全・健康に関することは強化しなければ
投稿: りっちやん | 2015年7月15日 (水) 19時03分
チェーンストアのメリットは大量仕入れと作業効率化による価格訴求であり、価格を武器することで地域の支持は得られるでしょう。但し価格で残れる店舗は地域でひとつ・・・地域最安値の評価を得られた店。しかしなら価格の比較は同じ品質、グロッサリー系のNB商品や洗剤・トイレットペーパー等の比較は可能ですが生鮮系、特に肉・魚・惣菜・フルーツは鮮度・美味しさの評価が価格に勝る
と思います。地域により競合度合は違いますから半径1キロから3キロのお客様にとって自店は何を望まれているのか?企業指針を基本に個店最適化を図る事が地域の支持を得る基本だと感じています。企業が大きくとも価格メリットが打ち出せないと生き残りが難しい時代となってきましたね。生鮮・惣菜が鍵を握るのは間違いないですね。更には店長の商品知識・販売技術も求められると思います・・・社員が減っていきますから(笑)。
投稿: dadama | 2015年7月15日 (水) 17時21分