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2015年4月13日 (月)

売場からの想像性

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長している「てっちゃん」です。


売場作りにもいろいろなテーマがある。

  「殺気」を感じさせるほどの単品量販の売場。
  「食卓」を感じさせる想像を掻き立てる売場。

単品をど〜んと積んで、「殺気」溢れる売場で、お客様にもわかりやすい売場作りが大手の手法だった。
それを見習い、我々中小も小さい販売力ながら単品だけならそれなりに点数を稼げる売り方を学んできた。

  しかしどうしても価格軸に偏っていく。

以前より売りを作ろうとすると、価格を低く設定してお客様の提案しなければ売り上げを上げていくことはできない。

  そこで少し工夫を凝らして粗利ミックスなる売場が登場する。

低値入れで仕掛けた単品でお客様の注目度を上げながら、その隣で味や品質を提案する単品、更には低値入れ商品を更に美味しく食べるための調味料や関連商品を定価で陳列して荒利をミックスする関連販売が登場する。

  これが結構効果抜群で多少なりとも荒利に貢献してきた。

食品エンドや生鮮の平台脇での関連販売、野菜の隣で食品の調味料等の関連販売等で主役の販売を助けながら関連品のセット販売による、お客様のメニューに対する買い忘れ等を防止させるような意図も盛り込んだ関連販売。

更に、進化した売場提案が登場してくる。

  メニュー訴求の平台提案。

店長主導で店舗内のフリースペースと数台の平台を設置して、部門横断のテーマ設定の売場の出現。

  特売でも季節でもない平台。

ひな祭りの合同展開の売場や、生鮮3部門と雑貨部門等の合同展開のバーベキュー提案の売場等、52週の暮らしの合わせて店舗が自由にテーマを設定して店長主導でお客様に食卓を提案していく売場である。

  私はこの売場から多くを学んだ。

当然、苦労も半端では無かった(笑)。
テーマ設定から各部の打ち合わせ、そして売場作りとその解体から次への連動。
そして、テーマによっては全く売れずに廃棄も多く出してしまったが、ヒットした商品や関連等も新たに見えてきたものも多かった。

その中からヒット成功した部分を自分の引き出しに整理できた。
そして、お客様にとってもその売場の存在から、今の季節感やメニューの連想が出来、そこでの合同展開からの想像性から自宅の食卓を自分なりに設定して買い回りを増やしていく。

  そんな連想させる考えさせる売場作りも豊富になってきた。

単品量販の売場は、結果としてその単品の売れ数が結果として見えやすい。
しかし、上記のような合同展開やメニュー提案の売場は、そこでの商品回転が少ない分結果としての評価ができない。

  過小評価されてしまうからだ。

結果だけみれば、そこで展開されるくくりの販売金額は意外に少ない。
決して単品を購入するには選択肢は少ないしskuも無い。
価格も決して魅力的な価格でもない。むしろ定番価格の場合が多い。

  メニュー提案売場の存在意義とは?。

そんな疑問も出てきて当然であろう。
至る所にメニュー提案の売場を設定すると、大きな売上ダウンを帰することになる。

  しかし、それでもこのような展開をして気づくこと。

意外に買い忘れの多い調味料や小物が定番以上に売れること。

  お客様が忘れずにそこで購入するからだろう。

そんな買い忘れしやすい商品がそこで展開されていることは、お客様にとっては非常にありがたいことである。
そして、そこでそんな小物を購入されるということは、確実にそのメニューに必要な主力品をどこかで購入するということである。

  それがこの売場の主たる目的である。

この売場で食卓をイメージさせ、各々の主力品の素材やアイテム、skuは元売場でじっくりと選択していただく。

  それがメニュー提案の考え方であると思う。

だから、売場にはいろいろな意図があっていいと思うのだ。
単品量販、関連販売、メニュー提案、比較販売、推奨試食販売等々。

  それがお客様に買い物の楽しさを提供していくのだろう。

日々の食事という主婦にとっての苦痛を、どれだけ楽しみに転換できるか。

  それも、我々の使命なのである。







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商売」カテゴリの記事

コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
関連販売。
要は、商品同士の組み合わせ。
とどのつまりは、家庭の食卓に行き着く。
商売も物が無い時代から物余りの時代に突入して、お客様心理と利便性を追求しなければ支持されない時代です。
だから、単純な単品量販から単品量販に一品組み合わせて販売する関連販売によっての相乗効果と、単品をより美味しくよりバラエティーな食べ方を提案する商売で顧客心理を刺戟する売り方を提供し続けないと飽きが来てしまう。
新たな感動を提案し続けることがこれからのキーワードでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2015年4月14日 (火) 08時53分

かわらいさん、コメントありがとうございます。
関連販売とはいえ、最後は売れてナンボ。
だから、単品量販ができることが前提の関連販売になっていくと思います。
売る技術を習得しなければ関連販売も飾りになってしまう。やっぱり商売とは単純なものではないですね。

投稿: てっちゃん | 2015年4月14日 (火) 08時43分

かおるさん、コメントありがとうございます。
青果物とグロサリーでの定番での販売数量は大きな違いがありますからね。
そして、チーフ同士で相談して企画した関連販売。
そこには自分の担当商品だけでなくチームで取り組んだ企画。そんな時の共有感はまた一入(ひとしお)。店舗一丸となるということはそういうことなんだと思います。

投稿: てっちゃん | 2015年4月14日 (火) 08時37分

当社も比較的客数に恵まれた環境だったので殺気の売場でどーんと積んでも回転したので関連販売とか客動などを考慮せず勢いで販売してきました(笑)。近年の客数減の要因が増えた環境下では益々ドーンと積んで安く売るレッドオーシャンに突入するしか手法を持たなかった・・・結果ご存知の業績(笑)。
今来店されるお客様に如何に一品でも多く買って頂くかを考えれば、もちろん単品量販の場面も必要ですがそれに付随する関連販売に新たな需要を見出さればなりませんね。それにはまず部門の縄張りを壊すこと。
部門最適化から店舗最適化=個店の特色が見える売場を目指してチャレンジ&失敗をせねばなりませんね。
標準化と個店力の判断基準に最近疑問を感じるのですが・・・てっちゃんのお店に店長の1日や1週間の運営マニュアル、手順書は存在するでしょうか?当社はありません(笑)。

投稿: dadama | 2015年4月13日 (月) 23時41分

あれこれ考えてはみるものの結局単品量販。(笑)辛抱が足りないので今すぐにたくさん売りたくなります!

投稿: かわらい | 2015年4月13日 (月) 23時07分

かおるです。
私がいた青果部門は、来店客の立ち寄り率、視認率が高いため、またあらゆる主菜とからむため関連販売、メニュー提案のステージとなることが多いですね。
自分が企画してグロサリーと話をつけ実施したときはひときわ力が入りました。
結果検証をしようと、グロサリー定番の販売数を抽出してみて定番売場販売数の少なさに驚いたことも。
メーカーさんが青果売場での関連販売をやりたがるわけだなぁと思ったものでした。

投稿: かおる | 2015年4月13日 (月) 20時02分

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