普段の強み
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
我々の業界では、よく研修会等が開かれる。
所属団体等の研修会。
グループ内のある企業をターゲットとして、他の企業がこぞって視察して勉強する。
あるテーマを持った研修会があったり、業績の良い企業を視察する研修会もあったり、最新店舗を視察する研修会もあったり。
そして、よく有りがちなのは、意識的に普段以上の売場を作って迎えるという開催企業や開催店舗の対応である。
普段ではあり得ない見事な売場で迎える。
どの企業も、年に何度もない研修会において、せっかく遠方から来ていただくお客様に対して、普段以上それ以上の売場で自社の売場作りの技術と商品化を評価していただきたい。
その意図はよく理解できる。
そして、ほとんどの企業はそんな場面では上記のような売場作りで研修会に臨むものだろう。
年末やイベント時の売り上げ拡大時であれば、そんな売場が実際にお客様に支持され、商品化された単品が実際にお客様に購買されるが、普段の平日にはなかなか購買されないような商品がずらっと売場に並ぶわけである。
買い物に来られるお客様からすれば、普段の食事に必要な商品ではない単品には手が出せない。
よって、研修会時には多大なロス。
それも、研修会毎に発生する裏話でもある(笑)。
先日、ある研修会が行われた。
52週の販売計画を学ぶ研修会。
そこでのテーマは普段の平日の商売。
飾った売場ではなく、普段の平日に実際に来店されて購買されるお客様に対してどんな商売をするかという視点で売場を検証する研修会。
飾った売場で誰に対して何を提案するのか。
業界関係者たちへの目の保養の為の売場作りではなく、普段のお客様への普段の食事に対してのアプローチを、競合店との比較の中で検証していく研修会が開催された。
ここで重要なのは、普段の主力品をどう単品で販売するかという視点。
本鮪や和牛の品揃えの豊富さを自慢する売場ではない。
普段のお刺身である尾長まぐろや相場安の天然ぶり、生いわしを普段の食事の提案としてどう単品量販するか。
普段の焼肉商材としての輸入牛を、「焼肉として食べてみたい」というシズル感を打ち出して購買へ繋げるか。
それを競合店との比較として強化していくのが目的。
そんな研修会である。
普段の売場を強化する。
結局は、一年にそう何度も作ることのない売場を競うことではなく、普段の一般人の食卓に乗る頻度の高い食材をターゲットとしなければ、基本的な売り上げにはつながらない。
そこが抑えられた売場をベースとして、もうちょっと贅沢もしてみたいというステージをどう普段の食材に盛り込めて、お客様により豊かでコストパフォーマンスの高い商材を提案していけるか。
そこに競争力という実力が潜んでいると思うのだ。
ただし、徹底した上質商材をシズル感たっぷりに演出する販売技術の磨き込みも大切ではある。
その売場作りの技術の高まりが、普段の売場作りの質を引き上げるという事実もある。
ただしそれを競う事ではなく、その販売技術を駆使して、普段の食材の商品化に活かすことが主たる目的である。
普段の強化。
それは、普段の商材を企業内で徹底して競って量販する事例を通して磨いていくことが一番の早道となるのではないだろうか。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
格上の競合店と比較しながらの研修会でしたが、その競合店は何も知らせられていなくても普段に特化した見事な売場。
研修会だからとついつい普段からかけ離れていた自社との比較が参考になりました。
投稿: てっちゃん | 2015年4月26日 (日) 22時53分
いつもながら、意味合いのある良い研修会ですね。普段の売り場、ケの日の磨き込み、当社こそがしっかりと取り組むべき項目と思いますね。参考にして取り入れたいので是非詳しく聞かせて下さい!
投稿: かわらい | 2015年4月26日 (日) 22時42分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
店舗の8割が女性の従業員ということを考えると、リーダーの部門責任者の育成以上にパートさん達の育成と褒賞制度の連動と仕組み化が店舗強化に直結することを理解しなければなりませんね。
投稿: てっちゃん | 2015年4月22日 (水) 08時22分
奇しくも私も勉強会に来ていますがここでの話題はパートさんの女子力の向上。商品と共に働くメンバーの普段のモチベーションも店の成長には欠かせませんね。
投稿: dadama | 2015年4月22日 (水) 07時13分