はしり・さかり・なごり
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日の「カンブリア宮殿」。
私的には衝撃の番組だった。
山形、高畑町の「セゾンファクトリー」。
そして、セゾンファクトリーを束ねる齋藤社長を取り上げた番組だった。
そして、その番組の中で出てきた言葉が本日のタイトルである
はしり、さかり、なごり。
齋藤社長は、果実等の旬の流れとして、上記の3期の話をされた。
はしり 〜 ドレッシングで美味しい時期。
さかり 〜 収穫の最盛期。
なごり 〜 ジャムやジュースにして美味しい時期。
そして、なごりの時期が一番美味しいと断言する。
特別な美味しさだと断言する。
この評価に私も大いに納得だ。
そのほとんどの果実は、そのなごりの期に一番の味を醸し出す。
そして、それはお客様からすれば完熟しすぎてクレームの一歩手前の状態になったりもする。
しかし、味を知っているお客様は、いの一番にその状態の果実を購入される。
そんななごりの期の果実に想いを寄せる齋藤社長が率いるセゾンファクトリー。
一番評価の高いものを、一番美味しい時期に、一番吟味した商品作りで製造する。
それがセゾンファクトリーの開発コンセプト。
番組では、そんな齋藤社長が目をつけた、「栃木産スカイベリー」の商品化を捉えた。
JA 栃木の営業マンが山形を訪れて、栃木県産のとちおとめを提案するが、齋藤社長は営業マンの話を脇に置いといて、スカイベリーに興味を示す。
そして、早速産地の栃木県小山市に飛んで、スカイベリーをこだわって生産している農家さんを訪問する。
そこに隠された数々のこだわり生産に惚れる。
最高のもの作りをする農家さんにはすこぶる優しかった(笑)。
そして、いいものを生産したいという農家さんの願いを引き継ぎ、自社工場でその美味しさを更にこだわった手作りの美味しさとしてジャムにしてお客様にスカイベリーという品種を伝えようとする。
「農家さんは、本当に一粒一粒丁寧に作ってらっしゃるんですよ。その想いを込めてうちも一瓶一瓶、今まで食べたことがないといういちごジャムを作りたい。」
そんないちごジャムが大丸東京店で売られた。
285gのいちごジャムが桐の箱に収まって、1瓶4800円程度。
しかし、この1瓶には約1.2kのスカイベリーが使用されているという。
それだけ、生産者に対しては敬意を払っているのだ。
「全商品に対して、どんな人がどう作っているという“物語”が私の頭には全部入っている。」
それほど、生産者とセゾンファクトリーの物語を大切にしているのだろう。
最後に、司会の村上龍が言う。
「本当に高級な素材を使ったからといって、ジャムもドレッシングもジュースも美味しく作れるわけではないんですね?。」
「違います違います。」
それは、頑固なまでの生産者のものつくりに対するこだわりと、それを受け継いで最高のものを加工しようとするセゾンファクトリーとの協働作業の結果なのであろう。
これはある意味、我々小売業と生産者との関係と同等であろう。
いかに生産者の想いを受け継ぎ消費者の届けられるか。
それは、加工業者だろうが小売業者だろうが同じ気持ちを忘れてはならないのだろう。
そして、その想いを受け継いで我々は商品に敬意を払って、謙虚に販売していく。
心が洗われる番組だった。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
同じ想いを持てたら、生産者〜メーカー〜小売、と同じ想いを持ち続けられる。それがお互いに大切なのかと思います。
投稿: てっちゃん | 2015年3月 2日 (月) 23時47分
セゾンファクトリー社長の思い、すばらしいですね。このようにつくられた商品を同じ思いを持ってお客様に提供できるスーパーでありたいですね!
投稿: かわらい | 2015年3月 2日 (月) 19時51分
神出鬼没さん、コメントありがとうございます。
産地まで行ってしまうと、いろいろと産地の方の声が誤解を生むのをバイヤーも恐れているのでしょう(笑)。
それだけ、産地の方の方が世間が狭いですから。
ただ、バイヤーがバイヤーでいられるのもその狭く深い情報が全て。
だから自分の情報の領域を侵されたくないのでしょう。
私なら、そんな現場の声を聞いたら有志を募って全員で産地に行きますけどね(笑)。
投稿: てっちゃん | 2015年3月 2日 (月) 00時31分
バイヤーの思いが店に届かないことの
多い当社。当然、販売する担当者に伝わるべくもなく…
仲卸担当者に頼んで休日に産地へ同行しようと
試みるも、烈火の如く怒り出すバイヤー。
他産地との違いや生産者の思い。
商品に対しての疑問を解決するために出向く
つもりだったのですが。
現状を嘆いても仕方ないので、反面教師と思い、
自分がその立場になったとき、同じことを
やらないようにと戒める日々です。
投稿: 神出鬼没 | 2015年3月 1日 (日) 07時13分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
セゾンファクトリーの社長が言っていた言葉で印象的なのが、「私は、全商品に対して、どんな人がどう作っているという“物語”が私の頭には全部入っているんですよ。」という想い。
この想いがバイヤーから店舗の販売員まで伝わらなければお客様には絶対に伝わらない。単なる品揃えとして売り場に飾られてしまったら宝の持ち腐れになってしまいますね。
投稿: てっちゃん | 2015年3月 1日 (日) 06時42分
完熟したフルーツの味は格別ですね。但しすぐ腐るので売手側には厄介な代物てすが(笑)。
それをジャムに形を変えて最高の味を届ける・・・当店もセゾンファクトリーの商品を一部店舗で取り扱ってますが売れ行きは今一つ。
商品の問題でなく店舗のトータルレベルがセゾンファクトリーのレベルに追い付いていませんから(笑)。当社(当店)のモットーは●●ですという明確なコンセプトなくして固定客を掴むのが益々難しい時代になりますね。会社してのと取組は大切ですがまずは店で出来る事から動かねばと思うこの頃です。
投稿: dadama | 2015年2月28日 (土) 23時33分