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2015年2月25日 (水)

心理戦を制する

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


心理戦も先手必勝だった。

  先に動いて心理戦を制する。

これが、すべての勝利への布石である。

  それは、どういうことか?。

例えば、相手からある依頼を受けたとしよう。

  「今回の事件に関して署名をお願いいたします。」

ある事件に対して、ある法律を訂正する運動が起きたとする。
その法律改正運動の署名をお願いされたとしよう。

  “署名だけなら”

そんな安易な考えから、簡単に署名に応じたとしよう。
その後に、その依頼主からこう言われた。

  「ありがとうございます。」
  「それでは多少なりともご寄付もお願い致したいのですが(笑)。」

  “多少なりとも?”
  “100円程度なら、まっ、いいか”

そして、財布を取り出して中から100円をだそうとしたその瞬間

  「一口1000円からとなっておりますのでよろしくお願いいたします。」

  “えっ、でも財布も出したことだし、まっ、いいか”

いつの間にか、心外にも1000円の寄付までさせられてしまった。

この話を読んで、皆さんはどう思うでしょうか?。

  “俺は意志が強いからその手には乗らないよ”
  “1000円ぐらい寄付してやれよ”
  “相手の話の運び方が上手いね”

いろいろな受け取り方があろうだろう。

  もしこれが心理戦のテクニックだったなら。

実は、このテクニックは「フット・インザ・ドア・テクニック」と呼ばれる説得テクニックの一種なのである。

  フットインザドアとは片足をドアに入れるという意味。

あなたの心の隙間に片足を入られるという意味である。
一度入れ込んだ足から、ドアがどんどん開けられていくという深い意味がある。

簡単な依頼であなたの心のドアを開けさせ、次に対応可能な高いハードルを用意してその要請を相手に呑み込ませていくというテクニックである。

このテクニックの、どの段階で、あなたは片足を入れられてしまったのか?。

  それは、初めの署名の段階である。

まさに、無料の署名という段階で既にあなたの心の扉は開けられ、片足を入れられてしまったのだ。

その段階では、あなたは“単なる署名程度”という安易な意思で署名をしたに違いない。

それは、他の誰もが思う発想であろう。
しかし、この段階で既にあなたは、“自分は善意に溢れた人間である”、という姿を自分にまとってしまったわけだ。

  自分を飾ってしまった領域。

相手に片足を入れられてしまった部屋の中の思惑は、“俺は慈愛に満ちた善人だ”という鎧を被ったあなた自身。

そんな部屋の中でに片足を入れた相手は、あなたに更にこう言う。

  「善人であれば多少の募金はお手の物でしょう。」

そう言われたあなたは、もう少しドアを開けて、自分に善人ぶりを相手にもっと見てほしいという願望が芽生え始める。

  “100円ぐらいの募金ならお手の物だ”

そうして、財布を取り出し善人ぶりを更に相手に見せびらかす。

その瞬間に、相手はこう来た。

  「善人なら1000円ぐらいは寄付するでしょう。」

それを聞いたあなたは、小銭入れに伸ばした親指と人差し指を1000円札に伸ばして、笑顔ですんなりと1000円を取り出して気前良く相手に渡す。

  “これで俺は完璧な善人だ(笑)”

これが本質である。

  事の発端は「署名」からである。

この段階で、あなたの選択はあなた自身に委ねられている。
しかし、一旦「フット・イン・ザ・ドア」を許してしまうと、自分の初めの選択に縛られていく。

  初めが肝心。

こんなところにも先手必勝、初めが肝心という戒めの言葉が活きてくるのである。







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コメント

かわらいさん、コメントありがとうございます。
まずはお客様の心理に特化して追求するべきかと思います(笑)。
そこからどんどんひろがってくのではないでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2015年2月26日 (木) 07時14分

神出鬼没さん、コメントありがとうございます。
パートさん達はすでに新しい環境に適合しようと走り始めています。
だから神出鬼没さんも次へのステップに進むべきかと(笑)。

投稿: てっちゃん | 2015年2月26日 (木) 07時08分

心理戦、仕事のみならず常に強いられますね。一つしか戦い方を知らないので当たって砕けろです。(笑)孫子の兵法でも学ぶか⁈

投稿: かわらい | 2015年2月25日 (水) 23時02分

おっしゃる通り、異動の時ほど
正しく先手必勝ですね。

昨日、自分の後任が引継ぎで来店した際、
つくづく実感しました。
こんなにもパートさんは新しい部門長の
様子を伺うものなのかと(笑)

人の振り見て我が振り直せ
と自分に言い聞かせながら仕事をしていると
「他人事だと思ってヘラヘラしないでよ」
との強烈なヒトコト。

まだまだ自分は修行が足りません…

投稿: 神出鬼没 | 2015年2月25日 (水) 19時41分

kobukobuさん、コメントありがとうございます。
お世話になった店長の異動。
寂しさもひとしおだと思います。
おそらく前の店長がkobukobuさんに教えたかったのは、売れる喜び、売る喜びだったのだろうと思います。
それは、いくつになっても(私も同様)その事が全ての始まりだからです。組織強化もコミュニケーションも自己啓発も全てはその喜びをお互いに享受するため。
そしてそれを受けて、kobukobuさんがこれからしていくことも、その喜びを広げていくことなのかと思います。
勝手な推測ですみません(笑)。

投稿: てっちゃん | 2015年2月25日 (水) 16時00分

心理戦…
そう思うと楽しくなりますね。

お世話になった店長が異動になりました。
新しい店長のやり方に気持ちを切り替えているところです。

てっちゃん店長の過去ブログを読んでいると、前の店長が教えてくれようとしていたこと
これからの私がやっていくこと…
見えてくるような気がします。


投稿: kobukobu | 2015年2月25日 (水) 15時47分

スーパーの農産部の入社1年目の者さん、コメントありがとうございます。
休日の自己啓発。立派です。
役立つ休日の過ごし方はたくさんあると思います。
「市場見学」で商品の良し悪し、産地の良し悪し、旬の流れ等が見ますから、一週間に一度づつ市場に行ければ最高ですね。
更に、学ぶべき店舗(自社&他社)を定点観測して毎週一度づつMRすることも大切だと思います。ここで品揃えの違い、陳列技術の違い、主力品と品揃え品、こだわり品の打ち出し(陳列)の仕方等を学んで自社や自店と比較し、お客様にとってどちらが心を動かされる売り場かどうかを自分の感性で捉えてみる。
売れる売場を自分の感性で捉えて磨いていくことは大切でしょう。
更に、自分で売っている野菜や果実を自費で購入して食べることも大切。
特に果実は競合他社との商品比較のために自社と食べ比べして自社の商品の強み弱みを知ることも大切。果実はピンからキリまでありますから、同じ価格でも味が全く違うことがままある。このカラクリを知ることも重要かと思います。
たくさん書いてしまいましたが、ぜひ高いモチベーションを維持してください(笑)。
今後ともよろしくお願い致します。

投稿: てっちゃん | 2015年2月25日 (水) 13時20分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
こちらからお客様の心の扉を開けていく心理戦。
お客様心理を学ぶことは重要だと思います。更にそれを女性の戦力化と重ねながら取り入れていく手法も重要。お客様心理を一番知っている人材を戦力化していくことは最強の組織運営になっていくと思います。

投稿: てっちゃん | 2015年2月25日 (水) 13時09分

スーパーの農産部の入社1年目の者です。
休みの日にできる仕事に役立つ自己啓発は何かありますか?

投稿: | 2015年2月25日 (水) 11時08分

私も商売の原点は心理戦だと思います。心理が伴わないのは価格だけ(笑)。価値訴求・関連販売等はお客様との心理戦。しかしながら男性心理と女性心理は本質的に異なる。お客様の大半が女性である以上、売手側も女性心理を突いた販売力=パートさんの活躍がより求められる時代だと思います。

投稿: dadama | 2015年2月25日 (水) 00時20分

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