今年はスィーティー
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
毎年この時期に仕掛ける「メロゴールド」。
今年はやけに高値。
円安の影響だろう。
輸出産業は景気が良いが輸入品が高い。
昨年は小玉で128円程度で販売できたメロゴールドだが、今年は200円アッパー。
“これではなかなか手が出ないだろうなぁ〜”
売場の定番に陳列していても動きはほとんど無い。
逆にグレープフルーツより売れている単品がある。
スィーティーである。
昨年のクリスマス前後から試食を出しながら売り込んできた商品である。
メロゴールドとスィーティー。
ポメロとグレープフルーツの掛け合わせがメロゴールド。
文旦とブレープフルーツの掛け合わせがスィーティー、らしい。
昨年まで徹底してこの時期に量販していたメロゴールドはもう少し先になってから終盤期が訪れ、甘みが増してくる。
しかし、スィーティーは今が終盤期らしい。
先日、価格的に量販しやすいスィーティーを今年は仕掛けてみたいと思ってバイヤーに電話した。
「今週が最終の入荷かも。」
市場に大量に出回るのは今週が最後かもしれないという。
「じゃ〜、今週仕掛けるんで仕入れを頼む。」
そんなことで急遽週末の量販計画が決まった。
スィーティー。
色はいかにも酸っぱそうな濃紺色。
しかし、果実はしっかりとしており、酸味は無い。
例によって、温めて食すると最高である。
果実の一袋が若干小さいのが難点ではあるが、一袋一袋取り出して食べると、果肉がしっかりとしており本当に美味である。
“メロゴールドよりも甘味があるかも”
そう思い始めた。
メロゴールドは味わいは深い。
スィーティーは甘味とさっぱり感。
そんな果肉の違いはある。
そして、私はここ一週間程度、スィーティーの虜となって毎日昼にはデザートとして休憩室で食していた。
食べ方はグレープフルーツと同じ。
お湯で温めて、揉んで酸味を抜いて、更にポリ袋に入れて熱湯とともに約15分。
ほどよく酸味が抜けて、食べごろになる。
そして、皮を剥いて、つまようじで果肉を取り出して食べる。
この食べ方をグロサリーの担当者と話をしていたら、その担当者も同じ食べ方を試みて、その美味しさに感動していた。
「店長、この食べ方をDVDで紹介しましょう」
その担当者が自ら写真を撮り、自作でDVDを作成してくるという。
翌日、その力作を売場に設置して売り込んだ。
「温めると美味しいんだぁ〜。」
特に若年世代の奥さんたちが見入っていた。
こうやって商品は育成されていくのだろう。
円安のこの時代。
輸入商品が厳しい時代でもある。
その中でも、限定された商品を如何に育成していくか。
環境変化との戦いでもある。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
果実は、その時期にしか販売できないという刹那的な部分がありますから、一年で「ここぞ」というタイミングが必ず存在する。
この存在にしっかり手を打つという行為が、商売勘を養ってくれるのだと思います。
投稿: てっちゃん | 2015年1月16日 (金) 07時46分
店長の熱意が部下に飛び火。素晴らしいですね。まだまだ自分の熱意は足りないと気づかされました。
投稿: かわらい | 2015年1月15日 (木) 20時38分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
シトラス伝道師。
嬉しいニックネーム、ありがとうございます(笑)。
なぜこんなに柑橘系に興味を持ってしまったのか。
毎日食べていますから、その美味しさをお客様に知っていただきたい、それが嵩じて、皆を巻き込んでのDVD作成(笑)。
ただダイナミックに陳列するよりも大きな効果を得られますね。
投稿: てっちゃん | 2015年1月14日 (水) 09時29分
流石、シトラス伝道師だけあって凄いこだわりですね(笑)。DVDの出来も素晴らしい。やはりお客様にお伝えしたいと言う熱意が商品を動かしていくのでしょう。商品に対するコト力が売上・利益に大きく貢献する時代だと思います。
投稿: dadama | 2015年1月13日 (火) 19時10分