まぐろの熟成?
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、あるテレビで「まぐろの熟成」について放映していた。
“えっ、まぐろも熟成させるのか?”
お寿司屋さんとかで熟成させた本マグロをネタにして出していることは聞いていたが、普通のスーパーで購入したまぐろを家庭の冷蔵庫で熟成させた後に食することで旨味が出て美味しく食べられるという報道だった。
そんな報道が出るほどの「熟成ブーム」らしい。
商品を如何に最高の状態で販売できるか。
これは、我々小売業の永遠の課題なのである。
その為に、原料を吟味し加工業者を選定し取引先を限定する。
そして入荷した商品を仕入れて売り切るタイミングを如何に短縮していくか。
要は売り切ることをどう日々実現していくか。
かっては、私も冷凍のまぐろを温塩水解答して発色させて販売したことがあった。
しかし、なかなか上手くいかない。
それは、要は個体差が激しいからだ。
個体差。
魚体の大きさ、魚体の鮮度、魚種の差。
そのような個体の差が、温塩水解凍といえども一様な状態では一様な望ましい状態に解凍できないという事実。
見事なチジミと発色にもなれば逆にもなる。
そんな経験から、そのような個体個体の識別作業をするよりも、入荷即販売売り切りを目指した商売の仕方のほうが確実であることを学んだ。
熟成をしたほうがより旨味を増す場合もあるだろう。
しかし、それは確実に鮮度の良い状態で入荷し、また熟成に耐えられるだけの魚体の力を持った魚種に限られるのだと思う。
捕れたての近海本マグロ等。
確実に鮮度が良くでその入手ルートが明確な本マグロが丸の状態で店舗に入荷し、店舗で鮮度管理をしっかりした状態で店頭に並んだ商品に関しては、自信を持って「熟成」をお勧めできるが、我々店舗の人間には、その入手ルートや出所、そしてその鮮度等も仕入れの際に自らチェックするわけではない。
これらの個体差の大きい商品群に対して、お客様に簡単に「熟成」を提案するわけにはいかないと思う。
私自身、よく自家製のローストビーフを作る。
しかし、毎回同じような出来栄えにはならない(笑)。
火が回りすぎたり、足らなかったり、ローストしすぎたり赤みが多かったり。
個体差を考慮した調理技術が必要なのである。
そう考えると、更に家庭での熟成という調理技術をお勧めするには、間違いない鮮度の品質品を販売していくことが前提である。
そう考えると、我々の使命も更に変化していかなければならないのだろう。
いろいろな料理提案の要求に耐えられる商品の安定供給という使命。
どんな個体差であろうとも、優先順位を考慮して鮮度の良いうちにお客様に提案販売していく確固たる販売技術を獲得しなければ、高度化していくお客様の商品知識や調理知識に追いついていけなくなってしまうということだろう。
| 固定リンク
コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
逆にお客様の方がメディア情報から商品知識が豊富なのかもしれませんね(笑)。
投稿: てっちゃん | 2014年12月16日 (火) 12時46分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
ささみ肉を生食で?!。
焼肉屋さんの影響なのでしょうか。
世の中の流通過程もどんどん進化していて、鮮度も良くなっているのでしょうが、我々店舗側ではその辺の事情が見えない分、本部としっかり共同して販売していかなければならないのでしょうね。
投稿: てっちゃん | 2014年12月16日 (火) 12時45分
熟成した牛肉やまぐろ、流行ってるんですね。TVで見たことはあってもまだ食べたことはありません。この情報を持って来店されるお客様に対応する商品力と提案力、早々に身につけないといけませんね。
投稿: かわらい | 2014年12月15日 (月) 22時23分
お客様にも肉は熟成させた方がアミノ酸が増えて美味しくなると自慢されていた方がみえましたが中途半端な知識が先行すると危険ですね。鶏の笹身もグルメブームか、店頭の商品を平気で刺身で食べる方もみえましたし。氾濫する情報に正しい提案をする知識が求められる時代ですね。
投稿: dadama | 2014年12月15日 (月) 20時32分