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2014年11月24日 (月)

ボージョレーの動向

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


いやはや、今年のボージョレーヌーボーの動きは最悪だ。

  事前の解禁報道もほとんどなかった。

昨年から、少し様子がおかしいとは思い始めてはいた。
しかし、今年の解禁日の20日からの動きは、ちょっと異常なほどに動きが少ない。

一昨年までは、金賞受賞の人気商品の「アルベール・ビショー」等は初日で数ケース販売してしまい、早々に売場から消滅していたのだが。

  直前の高倉健さんの話題や衆議院解散の話題に押されたか。

従来は、解禁日の一週間前から報道機関がこぞって「ボージョレー・ヌーボー」解禁の話題を取り上げ、今年の出来はどうだとかその美味しい飲み方はどうだとかをテレビ各局が取り上げていたのだが、昨年あたりからそれも皆無になってきた。

  ある記事によれば最盛期の6割ほどの入荷だという。

酒類大手によると、今年のボージョレ輸入量(推定)は前年比で8%ほど減り、約60万ケース(750ミリ・リットル瓶12本換算)の見通しだ。昨年(約 14%減)に続く大幅減で、ピークだった2004年の104万ケースから4割以上少なくなる。

  そして今年の出来はどうか?。

2009年の50年に一度の出来を超える味わいだと生産者の中では噂になってるという。

  要はかなりいい出来栄えの年であるということ。

“なぜ、それをもっと先から話題にしないのか”

そう思ってしまうほど、今年のボージョレーヌーボーの盛り上がりは最低レベル。

  しかし、そうは言っても新酒の熟成度ではある。

だから、いくら出来栄えが良くても、やはりワインは熟成度やバランスがその飲み口を決める。

そういう意味では、マスコミや業界に踊らされて相当のブームにはなったが、購入されるお客様はその味に対するコストパフォーマンスを考慮するようになってきたのだとも言える。

  “同じ金を出すならもっと美味しいワインを”

そう考えると、同等の価格を出せば、国産の相当高級なワインを口にすることができるのだ。

新酒には新酒の味わいがあるだろうし、年代物には年代物の味わいがある。
しかし、総じてワインに関しては、やはり新酒の味は若い。

  アルコール臭がどうしても先に来てしまう。

それが、日本人の舌には違和感があるのだろう。

そんな昨今のボージョレー事情ではあった。
そして、今年も青果側入口でこれでもかと展開した。

  やっぱり動きは鈍い。

しかし意外や意外、ワインの定番側に申し訳程度に陳列したボージョレーの方が売れているという事実。

  グロサリーチーフの意見で設置したものだ。

定番側を見たお客様に対してチャンスロスが発生する可能性。
そして、結果的には、そちらの売場のほうが支持されているという事実。

  従来であれば、どこで販売しても売れたイベント品。

それが今や定番で重点的に売れる商品と化してしまった。

  従来はついで買いがメインのイベント品。

しかし今ではボージョレー・ヌーボーというイベントに対して目的を持ったお客様だけが残ったイベント品ということが言えるのではないか。

  “やはり定番を充実させることが大切”

そんな想いを募らせた今年のボージョレーの初日であった。


ps
という状況でスタートしたボージョレー・ヌーボーの発売当初ではあったが、日曜日が過ぎて、昨年との比較ではまずまず昨年並みの販売数量まで回復してきた。
例年以上の出来との評価がいよいよ周知されてきた影響からだろうか。
しかし、やっぱり国産ワインは美味であった(笑)。





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コメント

かわらいさん、コメントありがとうございます。
今年は私も国産の美味しいワインを頂き、ヌーボーを祝いましたが、ボージョレは断念致しました(笑)。
徐々にその本質がわかってくるとそれぞれの自分志向になっていくのかもしれませんね。

投稿: てっちゃん | 2014年11月26日 (水) 09時59分

今年はうちも相当悪い結果でした。日曜を過ぎても数字はそのまま。他のいろいろな商品と同様に高い物と、安いものに二極化している中で提案が不足していただけのような気がしています。そう言えば私まだ飲んでません。(笑)反省です。

投稿: かわらい | 2014年11月25日 (火) 21時50分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
国産ワインが398円でほどほどに美味しい時代ですからね。日常にすっかり溶け込んできましたね(dadama家のようにそれでも頑なに拒み続けている方もおられるようですが)。
すっかり日常に溶け込んでいる。そしてそれを考慮して、ワインを中心にした店舗レイアウトを開発して出店している小売業がメインになってきている。まだまだその暮らしをしていないお客様も多いのでしょうが、そんな売場に立ち寄るとなんとなく憧れてしまうお客様心理も突いているのでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2014年11月25日 (火) 09時21分

かおるさん、コメントありがとうございます。
なんだかんだと言っても、このイベントが残した効果は莫大だったと言えますね。
そして、我々ビールや日本酒党にワインという飲み物を知らしめ、更に女性への門戸も開いたという意味では、日本の文化を変えてしまいましたね。
そして販売側のスーパーでも、今やワインを中心にした生活提案を当然のように売場レイアウトに反映させるまでに至ってしまった。
そして、このイベントも本来のお祭りへと逆戻りし、本当に自分好みのワインを改めて認識させてくれる目的に戻っていくのかもしれませんね。
個人的には、もっとこれに乗じて国産ヌーボーを売り込めば良いのにと思っています。ボージョレーヌーボー発売以前に。

投稿: てっちゃん | 2014年11月25日 (火) 09時11分

猫も杓子もの時代から本当に楽しむ方へのシフトが進んでいるのでしょうね。味が分かる方たちのイベントへの進化。反面PETボトルワインの動きからみてもワインの大衆化・日常化も進んでいるのでしょう。健康志向からもワインが日常の家庭に入り込んでくるのも時代の流れなのかなと思います。

投稿: dadama | 2014年11月24日 (月) 22時41分

かおるです。
ボジョレヌーヴォーに関しては、そのお祭り騒ぎを揶揄するような風潮があったり、味に関しては「ファンタみたい。」というようなことを言われたりと、ハロウィン騒ぎとは逆に少し沈静化しているのでしょうか。
しかし、実売もさることながらプレ・クリスマスとして位置づけ売場を演出したり、パーティーメニューを試したりと存在価値は大きかったと思います。
個人的にもワインが飲める日として楽しみにしていました。
定番売場に関しては、リンクされている「スーパーのお仕事」のふるたさんが同様の趣旨のことを以前書かれていたことを思い出しました。
指摘されたグロサリーチーフ様は鋭いな、と感じました。

投稿: かおる | 2014年11月24日 (月) 22時23分

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