新しい軸
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
以前のブログで、「安く売れば売れるのか」を記した。
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-d7b8.html
価格を下げてでも量販する事の意味。
そこに、単品量販に対する販売技術の磨き込みが潜んでいる事を記した。
それと同時に推進しなければならない事。
それは、高品質の商品を売りこなす技術。
高単価になればなるほど、同じ荒利率で販売出来れば、荒利額は増加する。
1尾100円の秋刀魚と300円の秋刀魚。
同じ値入れ率20%で販売できれば、100円の秋刀魚の荒利額は20円が確保され、300円の秋刀魚の荒利額は60円が確保される。
よって、1尾300円の秋刀魚を売りこなせれば、1尾販売毎に、40円の荒利が増加されていく。
同じ手間で利益が倍増。
人手不足を嘆く前に、そのような軸で営業利益を叩き出す手法も本気で習得しなければならない時代なのである。
Facebookの仲間で、そんな販売軸で秋刀魚を売りこなし、売上、荒利ともに倍増させた方がいる。
今年の秋刀魚は、なかなか相場が下がらない。
鰹といい、秋刀魚といい、今年は日本近海の海流が外側にうねっているせいか、通常の回遊魚の流れが変わっている。
回遊魚の代表格である鰹や秋刀魚の不漁。
これは、夏から秋にかけての鮮魚部門の更なる不振を予感させる事実である。
その事を踏まえて、その企業の方は、軸をズラし単価を出して量販する手法から単価を上げて量販する手法を選択した。
企業として意思統一して取り組む。
まずはここからスタートし、商品部、販売部がその事を念頭の置き、商品の品質の違い、美味しさの違い、鮮度の違いをお客様に伝え、如何に美味しい秋刀魚を食して頂くかを売場に凝縮させた。
その結果としての売上と利益の倍増。
企業が一丸となって一致団結して取り組まなければ為し得ない結果であろう。
1尾300円もする秋刀魚。
しかし、とは言っても300円である。
半分に筒切りにすれば、2人前だ。
一度は食べてみたい、この時期の300円の秋刀魚。
出始めは別にして、この時期の300円の秋刀魚といえば、4kサイズで20尾程度の脂がしっかり乗ってまるまると太った秋刀魚である。
“一度でいいから食べてみたい”
お客様の立場からすれば、そんな想いだろう。
そして、秋刀魚を1尾丸ごと食べる時代から、半分でもいい時代へ移ってきている。
美味しいを少しだけ。
そんな発想で商品化すれば、高単価故に売上増になり、当然荒利額も増加してくる。
販売軸をどの位置に据えるか。
この立ち位置次第で、商売は変わっていくのだ。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
国産うなぎを更に高級化は出来ないが、秋刀魚300円なら、一度は食べてみたいという欲求はすぐ満たされる。
どうせ食べるなら脂が乗って美味しい秋刀魚。
一年にせいぜい2回から3回の頻度であれば、この価格でも何とか捻出出来る金額。そんな購買心理なのでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2014年9月18日 (木) 21時56分
1尾300円の秋刀魚、確かに売りこなすのは難しいですね。
しかし、だいたいのスーパーが25尾サイズ以下のサイズを販売する中、挑戦するだけでも意味がありますね。今当社でも徐々に商品軸に変化すべく、大型秋刀魚にも挑戦中です。
投稿: かわらい | 2014年9月18日 (木) 17時03分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
鮮魚部門ほど、販売技術で利益が変化する部門も少ないと思いますが、年々人材が減少している実態。だからこそ、良い人材を得る為にも高い利益率を確保して従業員に分配していかなければならないのでしょうが。
投稿: てっちゃん | 2014年9月17日 (水) 13時57分
価格軸と商品軸、消費者がはっきりと使い分ける時代になったと思います。300円のさんま・・・商品軸に信用を得てない企業には受け入れられないでしょう。日頃の商売姿勢があってからこそ売れる高いさんま=企業のブランディング。一朝一夕には出来ないからこそ差別化の武器となる。しかしながら真剣に取り組まねば価格に淘汰されてしまう。店舗で出来るブランディングの優先順位を決めて動かねばなりませんね。今日は自戒も込めて(笑)。
投稿: dadama | 2014年9月16日 (火) 20時34分