一度は食べてみたいというコンセプト
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日の「ガイアの夜明」。
消費増税後の小売動向。
番組では、「デニーズ」「ヨーカドー」「大丸百貨店」の3事例を放映。
デニーズの極厚パンケーキ。
ヨーカドーのつくるものがたり。
大丸百貨店の高級毛ガニ弁当。
いずれも、消費増税後に開発され好評を得ているという。
消費増税という表面上の価格上昇。
そのテーブルと同じテーブルに乗ってしまうと、同品質で同容量の商品であれば、表面上の価格アップに結びつく。
だから、表面上で競争力を高めたければ、表面上の価格を据え置きかダウンさせるという選択肢となり、価格競争へ突き進む。
上記3事例は敢えて同じテーブルに乗らなかった事例。
価格という表面上の競争に参加せず、品質や美味しさ、希少価値という選択を取り、お客様の心を捉えて、購入動機を喚起した商品であるといえる。
しかし、お客様心理とは不思議なものだ。
普段の食材や使用するもの、いわゆるコモディティー商品に関しては、1円でも安いものに敏感に反応するが、食べてみたいという願望に関しては価格弾力性が一気に低下する。
やはり商売は心理学でもある。
お客様が必要とするものを如何に導入して販売していくか。
高いから、売れるのではない。
必要とされるから売れるのだ。
そして、今、あるトレンドが見える。
デニーズの事例の極厚という価値。
デニーズでは、この春に消費増税を機にパンケーキをリニューアルした。
何も手をつけなければ、そのまま従来のメニューに消費増税分を転嫁して3%の増額になる。
それに先手を打って、全てのメニューをリニューアルしたという。
それは、表面上の価格アップというテーブルには敢えて乗らずに、従来のメニューを刷新して新たなテーブルに乗ったメニューを開発してお客様に増額感を与えない新たな価値観を提案するという手法をとった。
その結果のパンケーキの好調。
それが、その単品だけの話しなのか、それとも全般的に好調なのかは触れられてはいなかったが、お客様の胸を打った商品開発であったことは間違いないだろう。
同様に、当店でトライしている極厚ステーキ。
イベント時には好調を維持している。
“いつかは食べてみたい”
お客様からは、このような心理が働くのだろう。
そして、このような商品を目にすると、いつかは食べてみたいという願望が湧いてくる。
それが、イベント時に再度目にすると、今度こそはと購入されるのだろう。
従来は、横の広がりにより、より大きく見せる商品化がメインだったが、ここにきてより厚い、より高い、より太いがご馳走のキーワードになってきているようだ。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
7&iは前回の消費増税時の教訓を最大限に活かしていますね。
そして、引き上げの瞬間に過去を引きずらずにリメイクして価格競争から一歩抜け出る。流石です。
投稿: てっちゃん | 2014年5月17日 (土) 07時03分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
開発ストーリーが明確ですね。
そして、取り組み企業が別ラインで協力してくれる。規模のメリットを活かせるまでの企業力はなんとも羨ましい。
投稿: てっちゃん | 2014年5月17日 (土) 07時00分
当社でも今さら弁当のリメイクに取り組んでいます。(笑)税抜き表示の効果もあり生鮮部門は好調に推移してるので、価格競争に巻き込まれない商品開発のスピードを早めていきたいですね。
投稿: かわらい | 2014年5月16日 (金) 23時44分
私も見ていました。中でも鳩さんの豆腐のこだわり。それは企業の押し付けではなく顧客の「美味しい豆腐を食べたい」ニーズを追求した結果の商品。試食と開発コンセプトの落とし込みによる作と演の信頼関係。強い企業には確固たる信念と相互信頼があるのだと再認識させられた番組でしたね。
投稿: dadama | 2014年5月16日 (金) 23時00分
かおるさん、コメントありがとうございます。
行楽客という客層もあるのでしょう。
やはり、普段とは違う世界をお客様が夢見て来店されているのだと思います。
極厚ステーキ。
なんとしても育成していきたいと思っています。
投稿: てっちゃん | 2014年5月16日 (金) 20時46分
かおるです。ご無沙汰しております。
私のところの新しい店舗では少し変わったものが動いています。
400円近い茄子の漬物や300円超えるアスパラガス、豆腐など。既存業態のSMとは少し違った購買が見られるような気がします。
オープンのものめずらしさなのか、客層データとあわせて検証してみたいと思います。
それにしても、てっちゃん様店舗の極厚ステーキは説得力十分!
投稿: かおる | 2014年5月16日 (金) 19時52分