原価管理部門
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
スーパー業界の中で、各部門を利益管理していくなかで、原価管理部門と売価管理部門とに分けて帳票上管理している。
原価管理部門と売価管理部門。
そう呼んでいる企業があるかどうかは別にして、私なりには上記の通りに区分けしている。
原価管理部門は、生鮮、惣菜、ベーカリー。
売価管理部門は、グロサリー全般。
原価管理部門も売価管理部門も、販売金額から仕入れ金額を引いて、更に期首在庫と期末在庫の調整から期間の利益が算出されるのは同じである。
期間の利益管理基準が大いに異なるのである。
原価管理部門は、原価が変動し易いから、単品の原価を基準に日々の売価が設定され商売されていく。よって、原価からの値入れと売上という基準で利益コントロールしていく部門。
逆に、売価管理部門は本部一括で仕入れ原価がある程度の期間一定に固定されるため、売価を基準に利益コントロールの基準が設定され、その期間に生じる価格引下げや値下げによる売り切り、更に廃棄と言った売価からのロスを基準に利益コントロールをしていく部門である。
そして、商品アイテムの少ない生鮮は、原価管理部門として日々の売価を変動させながら、単品量販や競合対策、仕入れ売り切りに変化を付けて相場対応したり、競合戦略にあわせて売価をダイナミックに変動させて顧客獲得を目指していく。
生鮮のメインは原価を基準にした値入れ政策。
商品化のsku作り等で自由に売価設定を組み合わせて、原価売価で丸魚を売り込み、その調理過程でのsku作りから利益を創出するため、ある程度の自由度のある売価設定が個店で行われる。
そこに個店差、個人差が生じるのが生鮮。
売価管理のグロサリーは、本部一括原価設定と売価設定により、膨大なアイテムを店舗で容易に管理しやすくし、利益コントロールはロスコントロールとイコールで位置づけられるためロス対策が荒利対策と一致させる事が出来る。
企業によっては、生鮮も売価管理部門と同様に荒利コントロールを位置づけている企業もあるようだ。
それはそれで、その企業の持つ強みを発揮すれば良いのだろうが、特に生鮮3部門の利益コントロールは原価にて管理したほうが、細かい商品化や在庫管理がしやすく、本来の利益に直結し易いように思える。
そして、上記のように記すると明暗がはっきりとついてしまうだろう。
管理面では絶対に売価管理のほうが容易である。
原価管理は売価設定も個店対応で個店差がでる。
だから、生鮮も売価管理手法で管理すべきでは。
しかし、現実はどうあれ、原価管理で日々の商売をしなければ競合店との競争に勝てないのが生鮮であるから、商売としては難しい原価管理を自分のものに出来なければ競争に負けていくのが生鮮の性であろう。
やっぱり、楽をしては駄目なのであろう。
是非、生鮮出身の店長副店長は売価管理を、そして売価管理出身の店長副店長は原価管理を習得してほしいものである。
| 固定リンク
コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
売価管理が進み過ぎると、荒利対策=ロス対策の構図が出来てしまう。
原価管理が進み過ぎると、低値入れに陥り荒利を失ってしまう。
物事の本質を理解した上で、両方のメリットを活かしたいですね。
投稿: てっちゃん | 2013年12月 6日 (金) 22時50分
私はどちらも経験しましたがどちらも習得できてません。(笑)
と言うよりも売価管理の主たる部門であるグロサリーも売価のシステム上まだまだ売価管理が出来ていないともいえます。全ての部門が未だに原価での管理、ここにはまだ無駄を省き利益を造りだせるゆとりがあると思います。
投稿: かわらい | 2013年12月 6日 (金) 21時11分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
非常に珍しい経験を積まれたのですね。
尤もdadamaさんの場合は常に稀な経験ばかりのようですが(笑)。
売価管理手法のほうがいろいろと学べたというのは意外ですね。私の場合は原価管理手法のほうが学べたと思っているのですが(笑)。
何れにしても、売価決定権を店舗が握っている手法のほうが、絶対に学べると思いますね。
投稿: てっちゃん | 2013年12月 6日 (金) 20時51分
当社も10数年前に生鮮は売価子管理から原価管理に変更になりました。幸か不幸か同一部門で両方の管理手法を経験致しました。個人的には売価管理手法が自分で売価も入力出来商売感を磨けたと思います。帳票に入力した売価と自売価を少しでも合して売り切る努力、正に「帳尻を合わせる」手法が体得出来、原価管理手法に比べ期中の修正もしやすかったと思います。
当社の場合も、税法上の変更だったと思います。
投稿: dadama | 2013年12月 6日 (金) 19時05分