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2013年10月 8日 (火)

味の伝承

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


女房の味付けが娘にも伝わる。

  こうやって家系の味付けが伝承されていく。

味付けとは、舌の好みであり感覚であり、それが嗜好となっていく。
その嗜好の連続が、美味しさを感じ取り、個人の味覚となっていく。

  舌を鍛えるとは多様な味付けを経験すること。

食材を食べる機会がどれだけ持てるか。
その経験が舌を鍛えられ、食材の美味しさを舌が理解する能力が養われていく。

  その第一歩は家庭の食事。

日本には豊富な食材が存在する。
更には輸入の拡大によって、海外からも食材が入り込み更に豊富な食材に接する機会が増した。

  そうやって舌は鍛えられるが始まりは家庭の味。

そしてその味付けは親から子へ伝承されていく。

  更に、夫の舌も妻の舌に伝承される。

夫の好みの味付けがその家の味付けに加わり、妻の舌と夫の舌が融合して更に幅広い舌感覚が混じり合う。

  家庭を持つと食材本来の使われ方が分かる。

独身時代は育った環境に左右されるが、結婚により相手の舌感覚と融合し、更に食材の詳しい消費のされ方が分かり、それが販売面に大いに活かされていく。

  私もお酒を知ってから舌感覚が豊富になった。
  更に結婚してからその舌感覚に厚みが増した。

そして、舌感覚は年々進化していく。
以前は理解出来なかった、漬け物の味、和え物の味、魚の味、果実の味。

  そして気づくのは、旬の美味しさ。

その時期にその地域に成った食材をその地域で召すから、その食材が最高に味わえる。

  かっては当たり前の消費動向が今では贅沢と化した。

それが現代の消費の実態ではないか。

  そしてそれを伝承していくのが我々の使命でもある。

それが消費者の方々への地域貢献であり、食材を提供してくれる生産者の方々への貢献でもある。

  単に物を売るだけの領域から、食を通した地域貢献へ。

だから、我々は食通にならなければならない。

  ビジネスで捉える視点と地域貢献で捉える視点。

どちらも持ち合わせながら、食材で結ばれた生産者と消費者の仲立ち。
そんな我々の姿勢が、我々自身を活き活きとさせてくれるのではないか。







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コメント

kiyoさん、コメントありがとうございます。
最近、昼の弁当に味覚を感じないのはどうしてでしょうか?。
逆に、夜の手作りの肴に益々美味しさを感じる。
酒の美味しさだけではないと思うのですか(笑)。

投稿: てっちゃん | 2013年10月 9日 (水) 08時03分

単身赴任して始めてわかる家庭の味のお大切さ!最近は三途の川を渡る修行も、チェーン店の居酒屋では無く、夫婦で経営している、小料理屋に行く回数が増えました。(笑)

投稿: kiyo | 2013年10月 9日 (水) 07時35分

かわらいさん、コメントありがとうございます。
中小がスローライフの提案。
その区分けは一つのキーワードかも知れませんね。
高齢化が進む時代からこそ、人口構成から考えても、スローライフ型暮らしは増加傾向にあるのかも知れない。
それと簡便性とのギャップをどう埋めるかが品揃えの今後の課題かなぁ〜。

投稿: てっちゃん | 2013年10月 9日 (水) 07時20分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
家庭の味を自身で料理。
料理というよりは、私が選ぶ「刺身」と「牛肉」は脂が乗っていたりサシが入っていたりと、微妙に美味しいものを選択して購入してきた経緯から、子供達の舌が鍛えられてきたとは思います(笑)。

投稿: てっちゃん | 2013年10月 9日 (水) 07時14分

KOZOさん、コメントありがとうございます。
店舗が立地する地域に「地域性」という特性がある限り、そこに立地する小売業は地域性を考慮しなければならない。
中小は絶対にこれを放棄してはならないと思います。

投稿: てっちゃん | 2013年10月 9日 (水) 07時12分

既成の食品も研究され美味しくなってきてます。
でもそこには、てっちゃんの言う家庭の味は
有りません。コンビニ、大手スーパーは
それらの品揃えを強化してきてます。
私達スーパーはだからこそ素材を販売強化し
スローライフを提案しなければならないと
思います。
※dadamaさん、私はたまにやりますが嫁さんには
嫌がられてます。(笑)

投稿: かわらい | 2013年10月 8日 (火) 22時42分

世界に誇る日本の食文化。昨今は共働きの家庭が増え、時短簡便の流れの中、食に費やす時間の減少。美味しい物は外食で・・・この流れの中で個々の家庭食文化、母の味を伝承する重要な役割を担っている事を認識しなければなりませんね。男が台所に立って伝承する事も必要かも。極悪三昧の私には無理な話ですか(笑)。皆様は家庭の味をご自身で料理する事はあるのでしょうか?

投稿: dadama | 2013年10月 8日 (火) 21時17分

 地魚、地野菜、味噌、醤油、豆腐等、 大手にはできない地域の食文化に貢献していくことが、自社の生き残り戦略の柱と思っています。

投稿: KOZO | 2013年10月 8日 (火) 19時42分

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