あるご老人との会話
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
いつも来店されるお客様。
ご高齢の男性客。
開店時と閉店時によく来店される方だ。
先日、その方とちょっとした会話を持った。
「お住まいはお近くですか?。」
よく来店されるので、聞いてみた。
「クルマで来たんだよ。」
どうみても、クルマを運転するとは思えないほどのご高齢だ。
いつも店内で杖をついてゆっくりと歩きながら買物をしている。
「すぐ近くかと思いましたよ(笑)。」
ちょっと意外だったので、こちらの笑みも心無しかぎこちなかったと思う。
「前は、ここの町中のお店に行っていたんだよ。」
なるほど、自社のファンだったんだ。
「そう言えば店長さん。あっちのお店に居たね。」
あっちとは、自社の既存店で同じ市内の街中にあるお店の事だ。
ここの店舗が開店する前に、ベーカリーと惣菜はそのお店をベースにパート研修をしていたため、ちょくちょく街中の既存店へも出入していたのだが、それをこのお客様はマメにも覚えていたのだ。
“結構見られているものなんだ”
お客様はどんなに高齢になられても、そのお店の従業員の事はしっかりと見ているものだ。
「開店前によく行っていました。」
「そうだろう、俺は良く覚えているよ(笑)。」
嬉しいものである。
以前の業界紙の接客特集の中に、「お客様に自分の名前を覚えて頂ける」という基準が出ていた。その通りだと思う。
また同時に、お客様の名前を何人言えるかという基準も出ていた。
そんな記事を読んだ後の朝礼では、お客様の名前を知っているのであれば、是非名前でそのお客様を呼んでほしいと言った事がある。
お客様の顔を覚え、覚えられる。
お客様の名を覚え、覚えられる。
従業員一人が10人のお客様の名を呼び合う仲になれば、総勢1000人の固定客が当店のファンとなって頂ける。
この数は脅威である。
絶対にブレ無い1000人のお客様がついていてくれる。
一日半数のお客様が固定客として存在している。
それは、売場に商品が並ぶ以前に、自店の強みとして底支えしてくれている事になるわけだ。
売場の割に、お客様で混雑しているお店。
その裏側には、意外にこのような秘密が隠されているのかもしれない。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
名前。
それは特別なお客様だけの信頼の証だとおもいます。
是非、名前で呼び合えるお客様を増やしていきたいですね。
投稿: てっちゃん | 2013年5月19日 (日) 23時58分
顔は覚えて挨拶や、会話をするようになった
お客様でも意外と名前まで一致させるのは
難しいですね。
親しくなったお客様と名前で呼び合えるようにする、ここまで来てはじめて揺るがない
固定客と呼べるのかも知れませんね。
投稿: かわらい | 2013年5月19日 (日) 20時46分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
→お客様の沢山の笑顔に出会えるお店。
素晴らしいコンセプトですね。
そこには必ず出会った分だけの幸せが存在する。
食卓を囲む笑顔と同時に、主婦はスーパーでまず笑顔をに触れ事ができるから家庭でも同様に笑顔を振りまける。
そんな過程を提供していきたいですね。
投稿: てっちゃん | 2013年5月19日 (日) 00時50分
数多くのお店の中から当店を選んでお越しいただくお客様。てっちゃんのお店は新店ですから、ファンになって頂いた方はそれまでは他のお店でお買い物をされていた筈。私がてっちゃんの競合店の店長だったらてっちゃんのお店に移られたお客様を如何に取り戻す&売上げを戻すのか?新たな店が出来た以上絶対的客数は確実に減るでしょう。客単価(買い上げ点数)を上げる、来店頻度を上げる取組みが求められ、商品・価格面のハードの対応と共に、お客様との距離を近くする取組み、フレンドリー・親しみやすい雰囲気のお店作りが高齢化も控え大きな強みとなると思います。お客様の沢山の笑顔に出会えるお店作りが私の直近の取組課題でもあります。
投稿: dadama | 2013年5月18日 (土) 21時46分