独自化と孤立化
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
独自化。
我が社、我が店固有の差別化。
これを進めていかない限り、価格競争オンリーに巻き込まれ、利益の出せない店舗となってしまい、いずれ脱落していく存在として認識されている。
だから、独自化。
その延長線上に、プライベートブランド化があるのだろう。
自社仕様の商品化をメーカーと組んで開発。
そして、それは価格的な強みを発しながら、高利益でもあり品質の安定も図って自社にしかないオンリーワン商品として定着させ、差別化、独自化を図ろうとするもの。
そのプライベートブランドが注目されている。
特に、コンビニ業界では、このPBが功を奏して高い伸び率を誇っているという。
しかし、食品スーパー界で、PB効果で業績を伸ばした企業の話しは聞かない。
なぜか?
NBとPBのバランスを崩しているからだろう。
“これはやり過ぎだろう!”
PBを持つ大手スーパーの店舗内でのPBの展開を見ると、日々の変化で季節性を打ち出すフリースペースの売場までPB商品で埋め尽くされている。
ほど、全てのフリースペースですら。
これでは、お客様も辟易してしまっている。
“ここは、PB商品しか扱わないのか?”
そう取られても不思議ではないほどの、PBのオンパレード。
やり過ぎを否定しない私でさえ、このバランス感覚は理解出来ない。
得てして、企業内にいると、トップからの指示命令で行動する部分も多いが、PB商品を売らんが為に、品揃えと企画のバランスを崩してまでPBを全面に押し出せば、必ずその反動は発生する。
一時はPBの売上で救われるが。
商売は商い(飽きない)。
一ヶ月も同じPB商品を見続けたならば、必ず「飽き」が生じる。
我々「中小」が付け入る隙を与えくれている。
思わず、ほくそ笑んでしまうほどの徹底ぶり。
“どんどんやってほしいものだ”
“そして、独自化から孤立化してほしいものだ”
その隙に、我々中小はしっかりとNBで変化をつけ、マスメディアの後押しを受けてPRされたメジャーな商品をしっかり売込めるのである。
それほど、大手食品スーパーのPB販売の徹底ぶりであるが、今後その事がどう転ぶかが見物である。
| 固定リンク
「商売」カテゴリの記事
- GWから母の日商戦へ(2025.05.12)
- 凄麺の開発から(2025.05.05)
- 感情表現(2025.05.03)
- 5月商戦スタート(2025.05.01)
- ヨーカドー跡地(2025.04.29)
コメント
ふるたさん、コメントありがとうございます。
全国展開している企業の売らんが為のPB展開ほど目につくものはありません。
企業とPBを連動させて自企業の開発力と販売力を誇示しようとしているようにも思えるほど。
全体では伸びているのでしょうが、やはりどしても絶対的主力には成り得ない。この積み重ねの結果が全てのエンドのPB展開になっていくのだと思います。
投稿: てっちゃん | 2013年6月 3日 (月) 06時45分
差別化・・・・
スーパーマーケットとしてのコンセプトの差別化ですね。
どういうスーパーマーケットになるのか、なりたいのかを具体的に明確にすると言う事だと思います。
PBが企業姿勢というよりも企業コンセプトに基づいた品揃えをすると言う事だと思います。
その延長にPB化があればPBを作ればいいと言う事だと思います。
僕は、品揃えこそが企業姿勢だと考えています。
PBじゃないと利益がでないなんていうのは、全国展開しているスーパーマーケットの論理だと思います。
投稿: ふるた | 2013年6月 2日 (日) 22時12分
かわらいさん、コメントありがとうございます。
その企業がオリジナルな思想で絶対にお客様に喜んでもらって笑顔を引き出したいという開発ストーリーが企業の軸として存在するかどうかで、現場での販売力に直結するのでしょうね。
投稿: てっちゃん | 2013年6月 1日 (土) 00時26分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
PB=企業姿勢。
全く、その通りですね。
社運を掛ける気構えで取り組まないとお互いに中途半端になってしまう。
それは、その趣旨をお互いに理解して商品価値と開発ストーリーが現場までホットな気概が伝われば、絶対にお客様まで運ばれる。
その流通ストーリーが決めてになるかと思います。
投稿: てっちゃん | 2013年6月 1日 (土) 00時23分
PB商品は当社においても大変大切なものになっています。とはいえ、共同仕入れ機構の開発商品なので、意図するものと違う
品質や企画のものも存在します。
やはり、商品のコンセプトやそれに基づいた品質が大切なのでしょうね、
依存しすぎないように気をつけます!(笑)
投稿: かわらい | 2013年5月31日 (金) 22時07分
PB=会社の姿勢を商品化した物ですね。
利益追求の企業論理から生まれたPBは長期的には荒廃していくでしょう。答えは簡単、不味いから(笑)
しかしながら企業姿勢が明確に打ち出されたPBは成長する可能性を秘めていますし現実PB=ストアロイヤリティと結びつけた企業も存在します。地産地消で、地元のメーカーと手を結び共存共栄を目指す企業もあります。先日MRしたスーパーは地酒メーカー8社とPBを取組んでおられました。適正企業規模同志の共存共栄はお互いの商品作りの拘りが一致すれば大きな力となると思いました。
当社も同様ですが利益確保の下心丸出しでお客様に見透かされるPBはてっちゃんご指摘の通り独自化を目指す企業には追い風になると思います(笑)
投稿: dadama | 2013年5月31日 (金) 22時01分