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2013年3月18日 (月)

送り込み

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


不思議なもので、業績不振に陥った青果部門は、何故か送り込みが増加する。

 本部バイヤーの手っ取り早い対策。

安い商品を送り、店舗で一番目立つ場所で販売すればお客様に喜ばれて売上も上がるだろうという発想。

しかし、現実はその趣旨がなかなか伝わらず、せっかく送り込まれた魅力ある商品が売場に陳列されずにバックヤードで眠っている事が多い。

 なぜか?。

企業として、「送り込み」のコンセプトとルールが決まっていないからだ。

 そもそも、なぜ「送り込み」が発生するのか?。

店舗としては、売場の定番品揃えがしっかり決まっており、平台や特設の企画も十分にレイアウトと数量計画が決まっているお店は、本来それ以外の商品の入荷は在庫過剰になる要因である。

そして、日々の品揃え作業(オペレーション)の中で、計画に則った作業が進められるから、計画以外の商品はどうしても後手後手に回ってしまう。

まして、日々の勤務計画からその日の担当者が入れ替わり、早遅シフトを組んでいると尚更前日の出来事が把握しづらい傾向がある。

そんな現場の仕組みを理解しながらも、なぜ、バイヤーは敢えて商品を送り込むのか?。

 仕入れの最先端に居るからだ。

それは、褒めてもけなしてもいない評価。
仕入れの最先端にいるという事実。

 だから、良い送り込みと悪い送り込みがある。

仕入れの最先端にいれば、市場と現場の狭間で瞬間的にそのギャップから、大量の商品が安価で他社や他市場に横流しされていくのをよく目にする。

それを、指をくわえて何回も見ている場合では無い事は、普通の頭をもった人間ならばすぐに理解できることである。

 “これを自社(自分?)のチャンスに変えたい”

そう思えば、市場の担当者に告げて、自社で購入し自店へ送る。
それはそれで、当然の行為ではある。

 チャンスをものにしようと送り込むバイヤー。
 事前に立案した計画を優先しようとする現場。

この間に、「送り込み」という場面のルールが存在しないから、良い商品がなかなか売場というお客様の目の前に現れないのだ。

そもそも在庫削減と言っておきながら、なぜ送ってくるのかという現場の感覚。
魅力のある商品を、なぜ優先して売場に展開しないのかというバイヤーの感覚。

ここに、大きな隔たりがあり、いつまでもその間を埋められない事が、チャンスを活かせない企業の現状なのだろう。

私は、よく生鮮チーフに言う。

 「送り込みほど、一番初めに売場に出せ!。」

同業他社も含めて、それが直近で一番新鮮な市場連動の商品であることは間違いない。
それを現場が一番新鮮な内に、お客様に届ける。
これは、仕入れと販売を同一人間が担っている場合は、当たり前の事として実現させる。

 送り込み商品は市場の最先端の情報。

だから、どこよりも先手を売って送り込み商品を店頭に並べる。
この事を続けていれば、必ずお客様から信頼を得る店舗となろう。

 しかし、悪い送り込みもある。

単品大量ではなく、少量多品種の送り込み。
これは、店舗の定番品揃えと事前計画を全否定する何ものでもない。
これは、現場のチーフや店長がその意図を確認すべき事である。









 

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コメント

かわらいさん、コメントありがとうございます。
トップ自らの送り込みですか!。
現場から叩き上げられたトップはよくやりますよね。
その商品の量販が企業方針と考えれば、その単品を売切る事が学びの場とも考えられる。
まさに「吉」か「凶」ですね。

投稿: てっちゃん | 2013年3月20日 (水) 06時48分

 「送り込みほど、一番初めに売場に出せ!。」

この境地に至るまでに数年費やしました。
当社の場合、トップによる送り込みが
吉とも凶とも出ます。そのせいで在庫が
増えましたと嘆く前に売る努力をすべし!
やはり少量多品種の送り込みにも悩まされ
ますけどね(笑)。

投稿: かわらい | 2013年3月19日 (火) 21時15分

パレアナさん、コメントありがとうございます。
最高の場所でも半額以下の処分価格と大量廃棄。
送り込まれたタイミングと商品自体の価値の問題ですね。
それとも、本来それほど需要の無い地域なのか。
いずれにしても、この事実をしっかり伝える事です。

投稿: てっちゃん | 2013年3月19日 (火) 07時03分

お彼岸を意識したのか和菓子を大量に送り込まれました。良い場所に置いても、さらに半額にしても全然売れなくて、今日じくじたる思いで大量廃棄しました。仕入れセンス悪すぎ!って怒りモードでスミマセン(苦笑)。

投稿: パレアナ | 2013年3月19日 (火) 03時04分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
→市場のゴミを宝に変える。
市場では宝だったのが、店舗ではゴミとなる。
生産者に方達には本当に失礼な話しですが、これが現実。
市場の宝を、そのままお客様に届ける技術。
このことを販売技術として確立出来た企業は強いでしょうね。

投稿: てっちゃん | 2013年3月18日 (月) 14時05分

送り込み・・・私も現役時代色々問題を起こしましたね(笑)。バイヤーと担当者のコミュニケーション次第で送り込みは宝にもゴミにもなりますね。組織風土も会社個々にまちまちでしょうから一概には言えませんが、地域市場を利用した弾力的な送り込みを実施・円滑に行われる企業は強いと思います。そういう企業は、バイヤー・店担当者との信頼感や人間力が高く市場のゴミを宝に変える能力に長けているのでしょう。

投稿: dadama | 2013年3月18日 (月) 12時52分

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