ある面接
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、ある担当者と面接をした。
所謂職人タイプの部下。
新店の開店とは、店舗というハード面では新しい建物と設備を有して、最高の状態で開店するが、一方人材面では採用間もないパートさん達が主体であり、開店時の他店舗応援が終われば独り立ち出来ないパートさん達と店舗スタッフだけで運営していく事になる。
更に、当初品揃えとて本当にこの地域にマッチしているかと言えば全くの逆で、全て仮説の状態からの開店であるから、品揃えや展開にも大きなズレが発生している状態である。
要は、ハード面以外は全て最低の状態からのスタート。
これは、どの新店でも同様である。
そこから徐々に徐々にパートさん達の能力が高まり、売場が安定し更に高いレベルで競争力のある商品造りが可能となっていく。
それでも新店開店後は本部トップ等が頻繁に来店するため、気の抜ける状態には無い。
そんな状態で、担当者達は売場を維持しようと苦労する。
それが高じて、パートさん達とぶつかる場面も多い。
そして、ある担当者と面接をした。
その問題に蓋をして、人事に依存して担当者を異動させることは簡単だ。
しかしそれでは何の問題も解決しない。
それでは、彼の気持ちに失礼だろう。
店舗の為に、お客様の為に妥協しない売場造りをしていく過程において、パートさんたちとぶつかっているわけだ。
そして、彼には、技術がある。
それは、企業としても資産である。
それが継承出来ないから、鮮魚は衰退していくのである。
大切なのは、彼がこの後の企業人生活の中で、何を大切に仕事に取り組むかである。
私が彼に言った事。
それは、自らが持つ技術の伝承。
彼がこの後、企業内でどんな期待役割を持つかだ。
私は、彼に対する期待役割を話した。
「あなたの期待役割は、若手への技術の伝承」
それは、自らが出世する事ではない。
俺が俺がと目立って華やかな仕事をする事でもない。
それよりももっと大切なのは、後々になって今の若手が企業を背負った時にあなたを思い出して、「俺はあの人に育てられた。あの人から一番大切な物を学んだ。あの人の背中を見て追いかけた。」そんな存在になれるかだ。
それは、その担当者が企業を退職した後も、いつまでのその企業内に、心の支えとして存在し続けるという事。
その為に、目の前の仕事に、どう取り組むか。
それを考えれば、彼自身、今何をしなければならないかが見えてくるだろう。
| 固定リンク
« バイヤーの適齢期 | トップページ | 店長の時代 »
「心のあるべき姿」カテゴリの記事
- 目力②(2025.01.22)
- 初めてのOB会(2025.01.16)
- 畑視察(2025.01.13)
- 2024年が過ぎていく(2024.12.26)
- 蝙蝠の目を維持する(2024.12.24)
コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
詳細を一番良く知っているのは、なんといっても店長。
だから一刀両断ではなく、個別個別の細かい対応が出来る。
これは現場の店長の最大の強みであり弱みでもある。
これを徹底して強みにして、断固たる態度で誰とでも相対していきたいですね。
投稿: てっちゃん | 2013年2月21日 (木) 10時59分
彼には、技術がある。
それは、企業としても資産である。
自らが持つ技術の伝承。・・・やはりこれだと思うのです。
個人の技術の集合体=個店力×店舗数=企業力。
しかし会社としては個のブレのリスクを避けるため、標準化、本部掌握力強化を進める。どちらも正しいのですが、コミュニケーション・信頼感・職位関係・人事評価、いろいろなしがらみがまとわりついて商売を難しくしている。この本部と現場の風通しを良くするのも店長の大きな役目でないのかと思います。
投稿: dadama | 2013年2月21日 (木) 09時57分
かわらいさん、コメントありがとうございます。
お互いに目頭を熱くしながら語り合いました。
「こんな事を言ってもらったのは初めてです。」
この言葉から、彼は大きく変わったと私は思っています。
*メロゴールド。
皮が薄くなって完熟した物を熱湯にひたすのですよ。果肉が飴色に変色し甘みが抜群に増しますから。
投稿: てっちゃん | 2013年2月21日 (木) 00時24分
当社でもやはり同じような立ち位置の方が
たくさんいます。自ら進んで技術の伝承に
取り組んで若手を育ててくれる方もいれば
俺が俺がの人も(笑)。
その担当の方はてっちゃんの言葉に
うなずいてくれたんですか?
※メローゴールドの湯銭やってみました。
感想:甘みそのまま、酸味がプラスといった
ところでしょうか?
元々の糖度が低かったのかなー?
投稿: かわらい | 2013年2月20日 (水) 19時40分