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2013年2月23日 (土)

なりたい自分を買う

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


お客様の来店動機も千差万別。

 いろいろな意図を持って来店される。

特売商品の購入。
今晩や明日のおかずの購入。
何となくブラブラしてみたいから。

しかし、来店されたお客様に、必要最小限のお買い物をして頂くことが我々の仕事ではない。

 豊かな暮らしのお手伝い。

この事が、我々の使命であり、この事の実現と満足でお客様の支持も高まるのだ。

それは、我々販売側の発想も変えていかなければならない。

 チラシ商品を分かりやすく展開すること。

その事で、必要最小限の買物をして頂き、時間的な短縮をして満足して頂く事は出来ても、豊かな暮らしへの提案は少ない。

豊かな暮らしとは、来店されたお客様達に、今日や明日の食卓で繰り広げられる場面が、より楽しくより充実し幸せ感を得て頂ける事なのである。

更に、食卓とは、一品のおかずではなくその組み合わせ。
更に言うと、食材だけでなく、食材を演出する小道具も含めてのこと。

 ワインに合うチーズ。
 本マグロが更に美味しくなる醤油。
 手作りローストビーフを薄くスライスできるナイフ。

醤油やナイフなど家庭にはもう既に存在しているが、それでも尚、その食卓場面を考えると必要な小道具は必要なのである。

それは、その場面をより豊かに演出したいという、なりたい自分欲求なのである。

そしてそれは、商品を横割りで見られる店舗の店長以外には持てない発想でもある。

 商品部は所詮お客様を持たない。
 更に、縦割りの情報に偏る。

お客様が入り口から入店して、店舗内を一周してなりたい自分を購入する軌跡を見ることは出来ないのだ。
それを認識し、横割り商品の組み合わせを提案出来るのは、店舗の店長だけである。

だから、大企業のように、数年サイクルでバイヤーを入れ替える制度の企業は、本部バイヤーの限界を知った元バイヤーがその解決の為に現場である店舗で横割りの商品組み合わせを提案してお客様満足に貢献する場面と重なり合うのだ。

スーパー本来のワンストップショッピング性を強化し続けながらも、豊な生活を営むなりたい自分想像して頂き、その為の品揃えと提案をしていく存在。
そんな提案力があり、競争力のある店長として存在し続けていきたいものだ。






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商売」カテゴリの記事

コメント

かわらいさん、コメントありがとうございます。
「安く売れる仕組み作り」。
大切な事だと思います。
ただ、それも一つの手段であり全てではない。
いろいろな手法を積み重ねながら、最終的には「売れる」売場が唯一の競合対策として店舗ロイヤリティーを高めていけるのだと思います。

投稿: てっちゃん | 2013年2月25日 (月) 15時13分

誰でも最低限のレベルで作業が出来るマニュアル。
安く売るための売り場の標準化 。
ここ数年来そこに考えがいってしまっているかも
しれません。今こそ売ることの楽しさを
伝えていく時ですね!

投稿: かわらい | 2013年2月24日 (日) 22時18分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
自分の意志を持って売るという連鎖が、本部と店舗の役割分担の進化から分断されているのでしょうか。
やらされ感、売らされ感が大いに漂っているような。
売ってみたいから仕入れる、大量に仕入れたから大胆な売場を作る、そうしたら従来の10倍の売れ行きに感動する。
そしてまた別の商品を単品量販してみたくなる。
そんな商売の原点がどんどん見えなくなってきているのでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2013年2月23日 (土) 23時57分

水元氏の言葉を借りれば「賢消費嗜好」の消費者マインド。モノを売る時代から心の豊かさを売る時代への変化。安さで攻めるならば徹底的に安さで攻めて安さを武器に出来る企業しか生き残れない。これも、自店で起きた事例ですが、800円近くもするマスクが馬鹿売れして欠品状態。「某国より飛来PM2.5。備えは万全ですか?」のPOPだけで(笑)。これは食の世界でも同様ですね。美味しいマグロを更に美味しくする醤油を使って食べたシーンを想像出来る売場、POP。これからは感性、五感を活かした販売促進が大切になってくると思います。
最近、売れないのではなくて売る気がないのではと思う事がしばしば。まだまだ暴走しなくては。(笑)

投稿: dadama | 2013年2月23日 (土) 22時56分

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