最高に触れる
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
我々は商売人である。
モノを売る商売である。
モノを売る商売が、「モノ」を知らないでは売れない。
基本中の基本。
自分が取り扱う「モノ」。
「果実」にしろ「野菜」にしろ「魚」にしろ「肉」にしろ。
名前、種類、産地、そしてそれらの違い。
それを知った上での、料理用途と味。
川上情報と川下情報。
我々は、この上下方向の情報に精通していなければならない。
そしてその一つの要因として、「味」がある。
味にもピンからキリまである。
美味しいものから、まずいもの。
我々は、この「差」を知らなくてはいけない。
美味しい不味いは個人の主観になってしまうが、それでも自分なりに味の差を明快に分析でき、それを販売時点でお客様に伝える技術を要しなければならない。
それにはまず、自分から単品の「最高」に触れる事だ。
「最高に触れる」。
私にも、味の分かる商品、分からない商品がある。
味の分かる商品は、ピンからキリまで食べ尽くし、旬の走りから盛り、そして終盤期を食べ尽くし、その一部始終を語る事が出来る。
しかし、味の分からない商品は、それが無い。
要は、未だ最高に触れていないのだ。
先日、女房が今晩の晩飯のおかずを、「豆腐」にしようと言った。
私が、豆腐嫌いを分かっていてだ。
「豆腐」かよ!。
体に良い事は分かるが、豆腐かよ!。
「自分で食べてみたいと思う美味しい豆腐を選んで。」
仕方なく、買物に行ったお店で美味しそうな(といっても普段買い慣れていないため、何が美味しいのかも知らないが)パッケージの豆腐を選んだ。
「枝豆豆腐」といった種類の細長い豆腐だった(このメーカーや商品名すら知らないというお粗末さ)。
豆腐にしては結構な価格だが、それでも200円台だったと思う。
枝豆が大好きな私は、その名前が入っている豆腐だったら食べれるかと思って購入したのだが、帰って食べてみると、今まで豆腐の何とも言えない無味感が無く、それなりの甘みがあって美味しかった。
美味しそうに食べている私を見て、女房がその豆腐に手をつけたら止められずに横取りされてしまったが、やはり味の分かる人間にはその「差」が分かるのだろう。
味を知るには、まず「最高に触れる」ことが一番だ。
なにも、国産マンゴーの最高に触れよと言っているのではない。
豆腐、納豆、こんにゃく、油揚げ等の低単価品。
しかし、普段のデイリーな食材は、売場にたくさんある。
グロサリー担当者が、その味の違いを明快に回答するには、まずその取り扱い商品の中の最高に触れてみる事だ。
それによって、必ず自分で感じる事がある。
それは、自分の舌で感じる「味覚」。
自分の舌と味覚に自信を持つ事。
それには、常に「最高に触れる」という意識を持つ事。
そんな意識が、自分のもう一つの能力を開発する。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
「追伸。私は豆腐大好物です。(笑)
醤油や薬味を一切使わず冷奴をそのまま食べて大豆の甘み・質感を楽しむ。旅行に行くと必ず地酒と一緒に豆腐を買って酒の肴として楽しみます(笑)。」
私にはとうてい考えられない食べ方です。
しかし、嗜好とはそういうものなのでしょうね。そして豆腐をそのまま味付けしないで食べる。そこに本当の美味しさが隠されているのでしょう。
投稿: てっちゃん | 2012年10月10日 (水) 09時16分
追伸。私は豆腐大好物です。(笑)
醤油や薬味を一切使わず冷奴をそのまま食べて大豆の甘み・質感を楽しむ。旅行に行くと必ず地酒と一緒に豆腐を買って酒の肴として楽しみます(笑)。
豆腐も奥深いですよ。
投稿: dadama | 2012年10月 9日 (火) 21時43分
食に携わる者の基本。商品に精通する。
これを無くして競合がどうの・価格がどうのと言えるのか?
ソムリエはワインだけの資格ではない。携わる商品のソムリエになれているか?
店長も店舗機能のソムリエのレベルであるか?まだまだ道程は長いです。問題意識なくて行動・改善は進まないのも事実。前向きに頑張っていきたいと思います。
投稿: dadama | 2012年10月 9日 (火) 21時38分