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2012年6月

2012年6月30日 (土)

5日ぶり

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


採用面接と休日と会議。

 5日ぶりに店で勤務した。

 “変わったなぁ~”

なんか、店内が大きく変わったような感覚になった。

 果実の第一平台が大きく変化していたのだ。

アメリカンチェリーから、さくらんぼがメインになっていた。

 そして自分の感度の悪さに愕然としたのである。

以前であれば、この時期の果実は一年で一番難しく、だから一番楽しい時期である。
散々ぱらそれを部下に伝え、自ら行動して発注から陳列まで関わってきたところだ。

 そんな思い入れの深いこの時期の果実。

なんかその事が、遠い過去の出来事のようにしか思えない。

 人の関心事が変わるとは、こういう事なのか?。

これでは、現場から3カ月も離れてしまったなら、商売感を取り戻せるのか?。

そんな不安がよぎるものの、今目の前の課題がそれを覆い尽くす。
新店の為の採用は、従業員ゼロの状態から、一気に100人レベルの方を募集、面接、入社前説明、合同研修、部門研修と続く流れの中でも、スタートのスタートの部分だ。

そして、この部分では、如何に一気に大量に採用して、部門研修が始まる段階で定員に満たしてから部門チーフへ引き継ぐかが、店長としての最大の使命だと思っている。

そして、研修が始まるわけだが、研修期間での教育も大きなポイントではあるが、何よりも能力の高い人材を如何に多く採用していくかで、その部門の明日が決まってしまうほどのウェイトを握っているのが、人材の質と量。

それを、応募された方達からセレクトし、部門へ振り分ける。

 数も大事、しかし、質も大事。

そして、めぼしをつけて、いよいよ電話で部門と時間を交渉。
面接でお互いの要望を伝え合ったと言っても、いざ契約となると本音が出るもの。

 電話で採用部門を伝えて断られるケースもざらだ。

以前に記したが、不人気部門ほど電話での交渉には力が入る。

 「是非、あなたの若い柔軟な力をお借りしたい。」

そんな日本語あったっけ?、と思いながら製造部門への勧誘を促す。

 製造部門。

特に、鮮魚、精肉、惣菜、ベーカリー等は製造過程が複雑だから、技術習得までにより時間のかかる部門でもある。

特に、鮮魚、惣菜はパートさん達の力が大きく左右すると思われる。
だから、この部門は研修スタート時点から十分な人材を用意して、ひとりひとりの研修時間を十分に取らなければならない。

だから、オープンまでの期間を考えると、優先的に製造部門への人材の補充は早め早めに行わなければ、いざオープン時に十分な力を発揮出来ない状況になってしまう。

 “そんな体制を早く整えたい”

そんな焦りもあるのだろう。

 目の前の事象が、全て採用一色に染まってきている。

早く、この状況から抜けださなくてはならない。



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2012年6月29日 (金)

アウトレットの今後

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日放映していた「ガイアの夜明け」。

 アウトレットの最前線。

以前の記事でも、アウトレットを記した。
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-c6a2.html

アウトレットに対する、お客様達の認識が変わりつつある。

それは、当初の「高級品の安売り」という存在から大きく変化しつつあった。
そして、日本で一番初めにアウトレットの本来の意味をもって埼玉に登場した「アウトレット」が、既に今では閉鎖されていたのである。

そして現在は、2強と言われるアウトレットしのぎを削る時代になりつつあると言う。

 それが、三井系とプレミアム系

三井系は都市型アウトレットとして、首都圏から30キロ圏内への出店。
プレミアム系は郊外型アウトレットとして、首都圏から50キロ圏内への出店。

都市型の三井系はよりアーバンに往復しやすく、品揃え豊富で出店も豊富な方向性へ。
郊外型のプレミアム系はより観光的に自然満載の中で、家族が楽しめる方向性へ。

そんな色合いが強まってきたと言えるようだ。

 特に、行楽を兼ねたアウトレットの出現。

行く途中から、自然を満喫しながらドライブし、現地でも子供やお父さんも楽しめるワンダーランド化したアウトレット。
結局は人口が減少していく事実を前に、如何に人が集まれるか。
そして、集まった人たちが、自分達の商品を如何に見ていただき購入していただくか。

そのためには、週末に50k圏内から家族づれでドライブがてら来て頂く事が集客の最大の要因となる。
そして、アウトレット内でも買い場だけでなく、レジャー施設も同胞して家族がそれぞれ楽しめる場。

 それがこれからのアウトレットという場の定義となっていくだろう。

しかし想う。
結局は、飛び抜けた「ウリ」の部分の特徴が無ければ、いずれ衰退していくのだろうと。

より近く、より新しく、より品揃えが豊富なエリア。
より多くの家族が、より楽しくエンジョイ出来るエリア。

マニアックにお洒落に買物を楽しむエリアと、家族が買物も一つの要因として楽しむエリアの二極化に分化していくのだろう。

やはり、どの世界でもそうだが、中途半端では生き残れない。
しっかりした自分の立ち位置を持ち、ブレない軸を持ち、その中から絶対的な強みを見出したものだけが、多くの方の支持を得られていくのだろうと思う。

そして私も、自分の強み、自店の強み、自社の強みに更に磨きをかけていきたいと思っている。



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2012年6月28日 (木)

意外な結末

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


まずは、dadamaさん初め、皆さんにお詫びをしなければならない。

 先日の、「リーガル・ハイ」。

あれだけ、このドラマの第一回目から持ちあげ、焦らしてきた弁護士「古美門研介」と「三木長一郎」の因縁の原因。

その奥底には、二人の弁護士としての奥深い因縁が隠されているのだろう。
その奥底の真因が、最終回の今回、全てが暴かれる。

そんな最終回が放映され、「さおりさん」の存在と二人の関係が暴かれた。

 それが、「ハムスター」だったとは、・ ・ ・ 。

ある意味、このシリーズの中で、一番泣いて笑えた瞬間だった。
この瞬間、我が家では全員が大声で笑い、そして涙が止まらなかった。

 特に堺雅人の演技には笑えた。

ハムスターを実験として使い続けた古美門と反対した三木の二人の弁護士。
その事で溝が深まり、弁護師同士の戦いに広がり、そしてこの場面では殴り合いのけんかまで始めてしまう。

法を武器に理屈で人を捌く立場の人間同士が、殴り合いのけんかを始めてしまうほどの存在。

 それが、「ハムスター」だったとは、・ ・ ・ 。

ハムスターが、二人にとっては人間以上の存在だったとは(笑)。

先日は、同じフジテレビの「カエルの王女さま」が終了し、今回は「リーガル・ハイ」が終わった。

今年前半の番組が終わっていく。
今回は、「戦う」というキーワードの番組を多く見ていたような気がする。

 「戦う」。

大きな組織と戦う。
強い相手と戦う。
弱い自分と戦う。

いろいろな意味で、「戦い」を通して、いろいろな事を学び成長していく。
そう言う意味で、「戦い」とはそれを避けて通る事では無く、敢えて正面から向き合ってぶつかっていく勇気と行動を応援し、個人を応援するという根底が二つの番組にはあったようだ。

今の私自身の軸に、「戦う」というキーワードが存在するのだろうと思いう。

 「戦う」。

今後の新店や従来の店舗での根底、そして私自身をしめる一番多くの面積に今、

 「戦う」というキーワードが占めているのだろう。

そしてそのキーワードに引っ掛かった番組に釘づけになっていたのだと思う。

 そしてそれらの番組から得たものは、「勇気」。

まずもって、未知の世界に向かう時の自分の心の持ち様は、「勇気」。
その勇気で、7月に向かっていきたい。

PS

 リーガルハイ。

初めから視聴されていた方達は、新垣結衣の肩越しから見た「さゆりさん」がハムスターだった瞬間に大爆笑されたろうが、今回初めて視聴された方達には持ちあげられてこなかった分、その落差がなかったかと思います。私もいろいろと持ちあげてきた贖罪を考えると、お詫びのしようもございませんでした(笑)。



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2012年6月27日 (水)

面接 16歳

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日の採用面接での一コマ。

ヤンキーあんちゃん風の若者が現われた。

 “なんだ、こいつ!”

一瞬そうは思ったが、ここは採用面接の場。
一歩引いて、彼を待ちあいの場へ案内した。

髪の毛は長く、ひげもうっすら生やし、眉毛は無い。
服装はよれよれのジャージ姿。

 まったくもって、企業の面接を受けにくる態度服装では無い。

まぁ~とりあえず、面接官との対応を見る事にしようとは思った。

今回の採用面接では、応募者の方に対して予約制を取っており、30分単位で3名の面接を実施している。
よって、3名の面接官を用意しているのだが、店長の私はその中から外れている。

 要は、私は3名同時に見れる体制を取っている。

面接官は、履歴書の流れに沿っていろいろな話を応募者の方とするが、実際に一番知りたい情報とは、応募者の人間性と労働条件、更には希望部門。

応募者の方のこの3つの情報さえ得られれば十分なのである。

だから、時間的には30分で3名の方の面接を行うが、私はその3名の全員と必要情報だけの面接を同時にしているのと同じ事になる。

そして採用は全て私一人の采配で、応募者の方の部門と時間を決定して、その方に採用の電話をする事にしている。
店長も一面接官として面接する事になると、面接した方以外の必要情報が得られない。

 特に、人間性が分からない。

パッと見の外見は分かるが、その人の本質に迫る事が出来ない。
それによって、労働条件等で土日勤務出来ない方でも、中には採用した方もいる。

 それは、人間性。

この方なら、平日だけの勤務でも十分貢献していただけると思えば、活躍の場はたくさんある。
そんな方針で面接に立ち会うが、今回もそんな場面があった。

 先ほどの、ヤンキーあんちゃん。

面接官と話す態度は、意外に素直。
笑顔で頷く姿が、印象に残った。

 “変わるかも!”

面接官も同様の感想を持ったようだった。
面接も終盤になろうとした時に、私がそっと近寄っていって、彼に話しかけた。

 「君は、本当にここで働きたいのか?。」

彼は真剣な表情で答えた。

 「はい。」

「だったら、明日出直してこい。髪の毛を短く切って、ひげも剃って、ネクタイを締めて出直してこい。その服装と態度はとても社会人が面接を受ける態度ではないよ。どうだ?。」

 「はい、分かりました。」

「今が、君のとっての人生の大きな瀬戸際になるぞ。分かったか?。」

 「はい。」

彼は、笑顔で答えた。

 しかし、

彼は、翌日の約束の時間には、現われなかった。

採用面接の一コマではあったが、後日期待したいものだ。

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2012年6月26日 (火)

頭デッカチ

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


今私は、おおいに頭デッカチの状態にある。

 一応現場にはいるものの、妄想の渦巻きにある。

新店へのストアコンセプト。

今だ営業もしていない想像の店舗で、なんの実績も無い店舗のストアコンセプトを作成している。

更に、部門コンセプトに関しても部門チーフを差し置いて、こんな部門を造って、お客様にこんな生活を創造していきたい、とか言う妄想の世界にどっぷりと浸かっている。

 “さて、これをどう部門チーフに伝えようか”

この妄想の世界を、如何にチーフに伝え彼らを燃えさせようか。

 “早くこの想いを、チーフへ伝えたい”

そんなもやもやの世界にいるのである。
そして、彼らチーフにも、どんどん頭デッカチの世界に引きづり込んでいきたいと思っている。
それは、新店を前にした新店スタッフにしか出来ない頭デッカチの世界であろう。

 店舗という最前線から一歩引いた状態。

そんな状態にいるからこそじっくりと妄想の世界にのめり込めるのである。
でなければ、現場での目の前の仕事に目が行ってしまい、じっくり考え、他者と議論し、理想を追ってかけずり回る余裕などどこにも無いのである。

しかし、現場を持たない新店準備段階だから出来る業なのだ。

 この段階をしっかり踏みしめようと思う。

これは今の時期だからこそ踏めるステップなのである。
今の時期は、しっかり思考の基本を積み重ねる時期だと思っている。

そして、部門チーフとその思考を共有し、共に同じ頭デッカチの世界を見る。
そして共に想像し、共に創造していく。
チーフにも、想像力と創造力を養ってもらう。

 実行力や行動力では無い。

想像力と創造力である。
現場でで日々のルーティン業務に明け暮れるとなかなか養えない能力。

 それが、想像力と創造力。

そんな時間をたっぷり用意して、お互いの想像力と創造力を確認し、お互いの創造力を学び合う時間。

こんな時間を大切にしていきたいものだ。
そしてそれが、思考の積み重ねには大切であり、その延長線に「仮説」と「検証」の考え方が存在するのである。

そして、それに沿って行動が発生し、実行が生まれる。
その前提としての、思考能力の養成。

これから数ヶ月間、その妄想の世界をじっくりと部下と拡大していきたいものである。




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2012年6月25日 (月)

新たな布陣で

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


新店への異動により、店内の新たな体制が決まった。

 私も含めて、数人の異動が発令された。

1店舗の異動にしては、結構大がかりが異動が発生する。
そして、このお店の開店から部門を支えてきたチーフ連中も、数人が他店舗へ異動する。
更に、店長への昇格、チーフへの昇格で異動する者もいる。

 店舗内が新たな布陣で7月を迎える事になった。

私がこの店舗に異動して、2年半。
チーフの異動はほとんだ無かった。
お蔭で、1年めで店長の意向が理解された売場作りに専念する事ができた。

 そして2年目。

その意向に沿った52週MDを確立し、その計画と実践が図られ、その効果が証明された。
そして今年度は、店長以下の存在が52週MDを実践し結果を検証していく年とした。

 その途中経過の中での今回の人事異動。

店舗内が新たな布陣で運営されていくと言う事は、そのストアコンセプトも練り直しが必要であると思っている。

新店を担う私の場合は、まっさらなストアコンセプトが作成することが出来るが、新たに赴任する店長は、ここのストアコンセプトを引用するのか、新たなストアコンセプトを練り直す必要があるのか、はたまたその折衷案を取り入れるのか。

特にこの時期は、新年度からわずか3カ月経過の比較的若い途中経過時期である。

 非常に中途半端な時期なのである。

新たに練り直すにも、折衷案を取り入れるのも中途半端な時期である。
まして、完全にそのコンセプトで走り始めている店舗では、その途中経過では比較的順調に来ている店舗も多い。

 新たなストアコンセプト作り。

それには、ストアコンセプト作成時からの時間的問題から、あまりにも早い修正となる。
せめて

8月のお盆までは、現コンセプトで走りきるしかないと思われる。
お盆までの半期であれば、ある程度の時間的な検証が出来、そしてその検証から下期への計画変更と、新任店長の新たな意志が入れ込めるのだが、このタイミングでのコンセプト変更では、いままで取り組んできた内容と効果が本当の意味では検証出来ないと思われる。

 そんな新たな布陣で7月を迎える事となる。

現場では、早くもこのような課題を突きつけられる場面に迫られているのだ。


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2012年6月24日 (日)

スジをこねる

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日、レジから呼ばれた。

 「店長、男性のお客様がトラブルです。」

「何だ?。」

レジでお客様がトラブルを起こしている。
そうそうある話しではないが、おそらく接客クレーム等であろうか。

そう思いながら、現場のレジ番号に行ってみた。

 担当のレジさんが、困った顔をして立っていた。

私は、その傍らに立っていた70歳前後の男性客に話しかけた。

 「どうしましたか?。」

そして、男性客が言った。

 「今日の日替わり品の事だが。」

男性客に言うには、本日の日替わり品である「コーヒー」。
その日替わり品のコーヒーは、同じシリーズの商品が2品掲載されていた。
そして、どちらもお客様1品限りで一個づつ購入出来るという特売内容だった。

そのお客様によると、一方のコーヒーは自分にとっては苦みがあって嫌いな商品である為、その変わりにもう一方の商品を2個購入したいと言う。

 「だから、こっちを2つくれと言っているんだ。」

私は、この理屈にどう返答しようかと迷いながら、笑顔を絶やさずにお客様と向き合った。

  「お客様はこちらのコーヒーはお嫌いですか?。」
 
 

 「そうそう、だからこれを二つ売れといっているんだ。」

  「ん~ん、でも、お一人一品なんですよ。」

どうしても、お客様は譲らないらしい。
そして、最後は、こんな事を言い出した。

 「俺はそっちは嫌いだから、これを二つ買うと言っているんだ。」
 「俺の言っている事は、スジが通っているだろう!。どうだ!。」

私は、困ったなぁ~と思った。
こんな時、私は顔に出るらしい。

本当に困った顔で、こう言った。

 「それは、スジが通らないと思いますよ。」

そして、まじまじとお客様の顔を見つめた。
彼は私を見返してたが、その後レジの女性に向かって言った。

 「だってぇ~!。じゃ~1個だけで良いよ。」

どうも私は、困った顔が相手にとっては恐ろしい顔に映るらしい。
そして、彼は自分の理屈を通す事を諦め、チラシ通りに一個だけ買い上げてくれた。

 こんな場合、私は概ね、例外を作らない。

その事で、逃げていくお客様もいるかもしれない。

企業や店舗によっては、お客様のこのような要望を聞いて対応する場合もあるだろう。
売上を考えるなら、たくさんの商品を売った方が良いに決まっている。

しかし、その後のそのお客様の行動を予想すると、レジに大声で怒鳴るとなんでも通ってしまうと思われる恐れが大きい。

結局は、その後の対応が複雑になってくるのが目に見えるから。


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2012年6月23日 (土)

新たなコンセプト

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


新店開設に伴い、その新店にマッチした新たなコンセプト作りに着手した。

3月の新年度から6月いっぱいまでの4ヶ月間は、今年度より運営部で始めたストアコンセプトに則り、店舗での様々な取り組みをストアコンセプトを軸において、各部の販売計画の軸や接客への取り組みの軸、部下育成の軸等も全てはこのコンセプトを中心において進めてきた。

結果として、全従業員に視点がそこに注ぎ込まれ、各部チーフの行動や指針もある程度軸からブレナイ行動になり、更に見える化と並行して進めてきた結果、各部の取り組みが本当によく見えるようになった。

そしてその結果、数値的にも大きな落ち込みも無く安定した実績を達成できるレベルで推移している事が何よりである。

 ストアコンセプトを採用した効果は大きいと言える。

そしてそれは、新店開設においても同様に効果を発揮するであろうことは容易に予測できる。
いや逆に、新店ほどこのストアコンセプトをしっかり、そして明確に、全従業員が同じ方向性を向いて行動を取れるように確立しなくてはいけないと考える。

それは、本来各チーフと連動して考え確立した方が効果が高まるものだが、いかんせんの新店。
今まで誰もそのお店で営業実績を残していないという事実を考えると、だれかが今存在する情報を元に、各競合と戦える明確な方針を、部門毎に確立しなければならない。

 それが、全ての責任を担う店長の最大の仕事だろう。

既存店であれば、既に何年何十年の実績があり、従業員も自店の特徴やお客様の嗜好も十分に認識しており、今更ストアコンセプトがあろうが無かろうが、商品展開的にはさほどの変わり映えの無い売場が出来上がる。
そして、それはそれで大きなぶれも無く無難に店舗運営していく手法ではある。

しかし、それでもストアコンセプトの作成実施から今年度の自社の効果を考えると、店舗運営面でのコンセプトの存在はやはり大きいと言える。
それは、店長自らが大きく関与し、部門チーフを巻き込んで練り上げたものであればあるほどその効果は高く、部門チーフ以下パートさんに至るまで、その方向性と具体的手法が見える事によって、更に力の結集が高まるのだろう。

 まして新店ともなれば、尚更だ。

しかし、今回は私の一存で作っていく。

それは、先ほどから記しているように、新店であり従来の実績が皆無という何も情報の無い中でスタートする事が一つ。
更には、並みいる競合を相手に、絶対に負けられないという使命を負っている事が二つ。

 よって、今回のストアコンセプトの全ての責任は私が負う。

だから、当然真剣であり、何としてでも実現してくという覚悟だ。
特に、接客面に関しては、私の全ての力を注ぎこんでいきたい。

 “大きく出たな!、てっちゃん”

そう、こういう事は有言実行で行くべきだ。
言ってしまったから、やらざるを得なくなる。
それも含めて、新店という真っ白い存在。
いろいろな意味で、私流という色に染まっていってほしいものだ。



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2012年6月22日 (金)

採用

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


新店へ向けての、採用活動。

 早くも採用活動が始まった。

どんな高い理想を掲げてみても、それを理解して現場で実現してくれるパートさん達の存在無くしては、到底実現出来ないのが我々スーパーマーケットという小売業。

そして、パートさん達のレベルと言う視点で見れば、新店で開店した当初が一番最低のレベルからスタートするわけである。

 初めての店舗と商品とお客様。

ゼロの状態からスタートし、日々、イベントも含めて一つ一つ経験を重ねて実績を重ねて学びを蓄積して、従業員の成長を通して店舗とはレベルを高め、日々のお客様の満足を得られていくのである。

 そのスタートが、人材の採用であり研修である。

募集チラシを配布し、地域周辺の方々の雇用の需要に対して供給を図る。
しかし、これだけ競合店が存在すると、新規出店のスーパーに対しての需要も年々減少しているのも事実。

以前は、一度のチラシ配布でほぼ定員に満たしてしまうほどの応募もある時期もあったが、現在は数回のチラシを配布しても定員に満たない場合が多い。

更に、就業を希望して面接に来ても、小売業側の条件に合う方は意外に少ない。

 週末の土日の就業。
 年末お盆での就業。

この条件を満たさない限り、我々も採用には踏み切れない。
しかし、家庭を持ちお子さんを育てておられる主婦の方が、この条件を満たすのは難しい。特に、核家族でお子さんが小さい方は尚更だ。

そんな条件と我々のシフトを、どう帳尻を合わせて組み合わせていくか。
新店出店の際に、一番の悩みどころではないか。

今回の採用もそうだが、私は採用を決める場合に、この条件に関してはある流儀を持って人の採用を決めている。

 2年後のその人の姿。

今現状は条件的に厳しくても、その条件も年次変化していくもの。
特に、今は子育てに忙しいが、いったん仕事に就いたやってくれそうな30代の方もたくさんいる。

そんな方の2年後。
週末わずかでも出勤出来る体制が見込めるなら、その人に人間性を見て光るものがあれば採用することにしている。

そんな方は、数年後に必ず大きな貢献をしてくれるからだ。

 今の条件で完璧を求めるのか、
 数年後の条件変化を見込むのか。

店舗とは、人の成長に合わせて進化していくもの。
人の成長とは、仕事への能力向上でもあり、就業条件面の向上でもある。
そして、最悪の状態からスタートする新店も、いろいろな経験と成長から、対競合に対しても強みを得ていくものだと思っている。

今回の面接でも、それを見込める方がたくさんいた。
まだ、全ての面接を終えてはいないが、それが見込める方であれば積極的に採用していきたいと思っている。

 そんな方は、目つき動作が違う。

その店舗が、本当の意味で真価を問われるのは、開店から2年後。
開店当初は話題性もあり、珍しさもあり、新しさもあり、多くのお客様が来店されるが、地域の方々の嗜好に合った暮らしに合った商品展開をジャストインタイムで展開出来てくるようになるには、一年以上かかるからだ。

開店から2年後に、どれだけその店舗のパートさん達の力量の向上からタイムリーな商品展開が出来るか。

その時に、面接の相手がどんな活躍をしているかが想像できるか。
そんな視点で、採用を始めている。



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2012年6月21日 (木)

「リーガル・ハイ」という検索ワード

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先週一週間の検索ワード(このブログに、どんな検索ワードから入ってくるか)を調べたら、以外な結果に驚いた。

 「リーガルハイ」が、なんと第2位だったのだ。

第1位は、「てっちゃんの店長日記」。
ブログ名である。

そして、6月10日に「リーガルハイの奥深さ」を記した。
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-000e.html

それ以降、「リーガルハイ」というワードで検索し、このブログに入ってくる方が多数おられた。

 それだけ、リーガルハイが話題になっているのか?。

実際に、グーグルでリーガルハイを入れても、このブログは出てこない(当然だが)。
50ページとか100ページあたりにようやくはいってくるのだろうが、そんな暇は無いので調べていはいません(悪しからず)。

以前のブログで、今週が最終回と書いてしまったが、来週が最終回だった(これも悪しからず)。
毎回毎回、奥の深い内容に考えさせられるが、今回の法廷対決では、古美門研介がライバルの三木長一郎に勝つも、新垣結衣ふんする黛真知子が、古美門法律事務所を去る。

それは、古美門の勝つためには手段を選ばない手法と自分の目指す弁護士のあるべき姿の食い違いから発する、仕事観の違いからだ。

人は、自分の仕事に自信を持ち、自らの仕事観や人生観が確立されてくると、いつしか自分の生き方へのこだわりを持つようになる。

それは、自分の人生観から一番しっくりくる生き方や仕事の仕方を見つける。
そしてその仕事の仕方が、自分にとって一番の強みを発揮できる手法と仕事の仕方であり、それを見つけそれに沿って生きていく事が、最終的には人生の目的でもあるのだと思う。

そんな自分らしい生き方をしようとする黛真知子の仕事ぶりが、最終回の来週の内容のようだ。

更に、ストーリーの転がり方から、最終的には古美門と黛の二人の対決が予定されている様子。
おそらく、古美門の不敗神話は黛によって打ち破られるのではないか(違っていたらゴメンさない)。

更に、古美門とライバル三木との深い関係。
そして、古美門と父親、更に事務員の服部さんとの本当の関係。

古美門周辺がいよいよ解明され、人間関係が明らかになる次回である。
最終回だけ見ても何も見えてはこないが、dadamaさんはじめ、是非最終回だけは私の話題に付き合って頂きたいものです。

 6月26日(火) 夜9時からの放映です。



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2012年6月20日 (水)

見えないもの

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日のNHK仕事の流儀。

 潜水士、渋谷正信氏を放映していた。

水中という誰も見ていない中で、絶対に妥協せず安全と完璧を追求する姿勢を崩さない仕事ぶりから、建設業者から絶大な信頼を得ている潜水士であり経営者。

本来の生活圏内ではない水中での仕事は、全てが命がけ。
それでも、彼はどんな仕事でも、「出来ない」とは言わないという。

 「渋谷に出来ない仕事は、諦めろ。」

そんな評価を得ている。

潜水稼業35年。
この業界で彼を知らないものはいないと言う。

そして経営者でもある彼は、潜水士含め潜水業務全般を受け持つ工業の経営全般にもあたる。

要は、潜水業務という命がけの業務全般をまとめるリーダーでもある。
彼のモットーは、現場感度を現場にいない人まで含めて共有して一体化させること。
その為に、現場と業務が全員で昼食を取りながら、いろいろな話題を共有し、全員が一つになる事を率先する。

そんな彼も、創業当時は技術志向に走り、部下に「手」を出してまで仕事をさせようとし、いつしか部下全員を失う事になる。

そんな思いだしたくない経験を経て、人の心を掌握する術を身につけていく。
彼の創業当時の写真と現在の映像では、比べようも無く顔つきが変わっている。
かっては、人を寄せ付けない厳しい目つきをしていたが、今は柔和な表情。

 そこに、人を引き付ける何かが宿ったのだろう。

部下を失い、自分自身への自信を失い、自分の弱さを知る。
そこから這い上がり、現場で汗をかく姿を見せ、かっての部下達が戻ってくる。
部下達と食事を一緒に取り、部下達の悩みを聴き、部下の弱音にもしっかり応えられる懐の深さを身につける。

そんな映像の中で、彼は自分の仕事観をこんなふうに語っていた。

「プロフェッショナルとは、見えないものを見て、しっかり道筋を立てられる人だと思います。」

水中では視界1メートルなんて場面も当たり前。
限られた情報でも正確な判断を求められ、それをスピードと正確性を持って下さなければならない。

 実際には見えないんだけれども、頭の中では見える。
 絵になって見える。

それはなにより、命がけで仕事をするスタッフへの気遣い。

 見せない世界を感じて、仕事をする。

自分と同じ事を考えているんだ、と思った。
まったく違う仕事なのだが、同じ感度で仕事に取り組んでいる。

そんな事を考えながら、自分の仕事を考えてみた。

 「俺は、こんな風に仕事に誇りを持っているか?。」
 「俺は、こんな風に全責任を担っているか?。」

改めて、自分の仕事に対する向きあい方を問い直す機会になった。



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2012年6月19日 (火)

運と機

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


「運」と「機」。

 チャンスを活かす時の大切なタイミング。

運というと、なにか自分にとって一生での一大事を決める場面の事のように捉えられがちだが、我々の仕事の中ではそんな運が巡ってくる場面が多い。

 運とは、漢字の如く、運ばれてくるもの。

それは、自然に運ばれてくるモノでもあり、他人が運んできてくれる物でもある。
運が良い、とは、自らの行いが良ければ、それに対してそれに応えようとする他者がその者にチャンスを与えようとして運んできてくれる物が、「運」だ。

だから、正しい行いを行っていれば、必ずチャンスは運ばれてくるもの。
しかし、それが全て実を結ぶ結果に繋がるかとい言えば、そうではない。

 「機」が熟さなければ、実を結ばない。

自分の将来を左右する「機」。
商品を売り込む場面での「機」。

いろいろな場面で、自分の目の周りには「運」が通り過ぎ、その流れの中で、必ずここぞという場面の「機」が存在する。

その「機」とは、どう見るのか?。
そもそも「機」とは、見えるのか?。

 それは、見えるものではない。
 それは、感じるものだかだら。

幾度も幾度も「運」を追いかけ、「機」を掴もうと行動した経験に、必ずもたらされる能力なのだ。

もしかすると、この「機」を感じる能力ほど、積み重ねた経験でしか鍛え慣れない能力かもしれない。

例えば、テレビで話題になる議題や商品が放映されるとする。

 それを本人が見ると言う事が「運」である。

どんな良い番組でも、たまたま見る人と見ない人がいる。たまたま自分の目に映ったと言う事が「運」が巡ると言う事だ。

正しい行いをし、常にアンテナを張っていれば、そんな場面が多く巡ってくるものだ。

 しかし、それを見て、どう行動するか?。

ここから先は、「機」の話しになってくる。

 この「機」に対して、どう行動するか。

とりあえず、品揃え程度を定番発注で納品し、平台の片隅で販売するという行動。
方や、平台一面をその商品で埋め尽くすほど納品し、徹底して量販するという行動。

後者を「機」を掴む行動というのは、誰にでもよくわかる事だが、実際にこれが出来るかと言へば、そう簡単な事では無い。

 どこだったら売れる?。
 いつまでに売れる?。
 いくらだったら売れる?。

いろいろな壁が立ちはだかり、結果として自分の力量の範囲内での販売計画に縮小均衡し、結局は品揃え程度の発注という行動を選択する事になってしまう。
常に、最大で量販する場面を視野に入れた販売スペースを、自店の店内に持っている事が前提となる。

だから、量販に向けた感度を磨き続けていないと、「機」を掴む事は出来ない。
いつでも、「機」を掴める販売スペースを、普段から磨き込んで用意しておくこと。

 重要な能力と言える。

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2012年6月18日 (月)

新三郷MR②

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


新興住宅街が急激に開発されている新三郷エリア。
先週の越谷レイクタウンエリアに引き続き、今週は新三郷エリアのリージョナルスーパーをMRした。

まだまだ開発が続く地域である新三郷。
駅周辺から西部側へ続く新興住宅エリア。
そして、それに呼応して出店されるリージョナルチェーン。

また、新三郷駅には大手GMSの「I社」もスーパーマーケット規模での出店がある。
まずは、この「I社」から。

 大手GMSであるが、出店はこの店舗のみ。

通常であれば、衣料品等の出店もあるのだが、このショッピングモール内にはこの食品部門のみの出店である。

以前のオープン当時は、ちょっとおしゃれな品揃えとレイアウトで、高質タイプのスーパーといった印象を強烈に打ち出した展開だった。

しかし、今回見たこの店舗は大きく変貌していた。
地方の元気なスーパーといった印象。

まず店内の活気が違う。
それは、商品の陳列面での賑わいや人材の掛け声販売等にも現われていた。
青果の野菜類は住宅街に出店の食品スーパー以上にお買い得があり、通路に雑然と陳列されたお買い得な野菜類にお客様がついている。

更に、鮮魚では商品化技術が高く、レベルの高い単品お造りが並ぶ。
精肉では、この企業で一番元気な担当者が対面売場から元気に掛け声販売である。
近くのメニュー提案の担当者も元気にお客様に商品提案をしている。

どの従業員も活気があり笑顔で対応している姿は、学ぶべき部分が多い。
更に、この巨大企業にしては接客対応が良く、この店舗に賭ける意気込みが伝わってきた。
レジ稼働台数は7台と賑わっていた。

次に、「K社」。

 高質タイプの店舗である。

しかし、店内での品揃えは通常タイプと同様であり、特別差別化された果実等の品揃えでは無い。
それが逆に普段らしさを醸し出し、来店しやすい雰囲気を出している。

青果は低い平台を使用して、見通しの良さを強調。
店内は薄暗く、スポットライトで商品を浮き出させているような演出である。

更に、鮮魚も生の素材を強調したお造り各種と生魚の品揃えで鮮度を強調。
しかし、精肉のインストア商品が少なく、ここでの吸引力な期待できない。
そう言う意味では、圧倒的なワンストップショッピング性という面ではデメリットも存在する。

レジ稼働台数は6台でそれなりの賑わいが出ていた。

更に、「M社」。

 400坪程度のコンパクトな設計。

この企業は最近「プチ」タイプの極小店舗を出店させたりと、店舗規模は縮小傾向にあるようだ。

この店舗も新店と思われるが、400坪程度の中小規模で勝負している。

青果、鮮魚が比較的守りの体制で運営されており、これだ、という単品の量販体制には無かった。
しかし、精肉はやはり魅力ある商品造りが特徴である。
焼肉商材の品揃えは、それなりに食べてみたいと思わせる商品化が特徴。
この企業も精肉トップは生食から入っており、関東近郊では「Y社」の影響を受けての生食強化が図られているようだ。
レジ稼働台数は2台で、やはり店舗規模の小ささがデメリットとなっているようだ。

最後は、「I社」。

 この店舗も新店と思われる。

イオングループに属するこの企業ではあるが、イオン臭さは少ない。
独自の品揃えとレイアウトで店舗運営をしている。

果実の商品のくくりなど、国内、輸入等のくくりよりも、今の旬のくくりで勝負しており売上重視の果実のくくりが目立っていた。

鮮魚は生魚を強調し、刺身も生魚をそのまま卸してお刺身に提案している事を強調するようなレイアウトと品揃えにこだわっている。

精肉では、トップに生食を擁して「Y社」の良さを取り入れている。
また青果と逆サイドでは、デリカとデザートのスペースを拡大し、若い世代の集客を図っているようだ。

ちなみに、私はここでコンコード種の赤ワインを購入した(私のこだわりです)。
なかなか、この種のワインが少ないのであるが、コンコード種はワインの中では一番好きな品種である(個人的に)。


PS
 新三郷エリアのMR写真を乗せました。どうぞ。
 http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/photos/snnmisatomrni/









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2012年6月17日 (日)

新たな気持ちで

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


他企業の店長仲間と電話で話していたら、彼が言った。

 「てっちゃん、私、新店に異動になりました。」

今秋開店する新店に人事異動が発令されたという。
彼にとっては、2店舗目の新店だという。

企業によっても、場面によっても、新店の位置づけは新店毎に違いはあるだろうが、とは言ってもそれによって新たな顧客を開拓する意図と、その企業の最先端の技術を投入しての最新店舖となるわけだから、誰でも良いというわけにはいかないだろう。

その新店毎に、いろいろな意味合いがあるだろう。

 地域ドミナンス形成の為の、新店。
 新規エリア開拓の為の、新店。
 新規戦略遂行の為の、新店。
 競合対策の為の、新店。
 M&Aの為の、新店。

その意味合いはいろいろあろうが、いずれも企業にとっては企業の命運を預かる店舗になるわけだから、信頼のおける人間に委ねる場合が多いだろう。いやそうでなければならない。

私も以前には、店長としてではないが多くの新店に携わってきた。
新店開店の際の、最大の課題は、オープン時にある。

 最低の状態から最大の売上が発生すると言う事。

店舗は何の情報も無い状態からスタートする。
事前の販売情報も何も無い。
何がいくつ売れるのか、何人のお客様が来店されるのか、どんな地域から、どの曜日のどのイベントにどんな商品の需要があるのか等々。
だから、日々の売場は、発注精度が低い為、過剰在庫と欠品が繰り返される。
更に製造部門では、まだまだ未熟な技術によって、ピーク時にタイムリーに製造出来ない。
更に、調理技術も低い為、他店舗の情報を参考にした販売数量も得られず、店舗運営者達の状態は最低のレベル。

逆に、開店初日からお客様は新しい物見たさと特売価格につられてこぞってやってくる。
初日が最大のピークを迎え、その週の日曜日に再度ピークを迎える。
そこから徐々に低下はしていくが、約1週間から2週間程度はお祭り状態が続く。

ある程度、本部や他店舗からの援助者がいてくれるうちは良いが、彼らが去って、店舗運営者のみが取り残された段階から地獄の日々がスタートする。

よく、新店開発時に、経営層はこの企業の最高の状態でスタートしたといる方がいるが、現実は全くの逆で、最悪の状態からスタートしている事を認識しなければならない。

新店とは、概ねこんな状態からスタートするのである。
そこから、長い長い自分達との戦いがスタートする。
更に、そこに近隣の競合店の巻き返しが始まる。
競合各社が当初の巻き返しを図り、チラシ合戦がスタートするのだ。

その中での一番のポイントは、自社従業員の店舗運営レベルである。
この時点までに、如何に準備段階(開店までの研修期間)で販売技術を高めておけるかだ。

更に、準備段階で用意した仮説の売場を、どういう段階を踏んで検証し、微調整しながら当初予算を達成していくかのか、更にはその仮説や予算を早期変更していくのかという検証の実施。

全ては、この予算に向かって全ての準備を進めてきたわけだから、その検証にも多くの時間を費やす事にはなる。

しかし、新店とは、全てがまっさらな状態からスタートするものでもある。
特に新規採用のパートさん達は何も知らない素人状態からのスタートであり、新店のスタッフに色に染まることでもあるから、企業のDNAを植え付けやすい状態にある事も事実である。

 だから初めが肝心なのだ。

初めの色の付け方次第で、如何様にでも左右されてしまうから、企業の持つ基本をしっかり植え付けておけば、その後に誰が赴任しても基本からの立て直しの必要は無い。

そう言う意味では、非常に重要な位置づけにある事は、どの企業の新店でも言える事ではある。
そんな役割を担って、彼は新店オープンへ向けて走り出したようだ。

そして、最後に、私自身も今秋オープンする新店への赴任が決まったのである。

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2012年6月16日 (土)

基本と応用

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


基本と応用。

 言葉だけを対比すると、これは相反するものだ。

しかし、基本も応用もどちらも大切なものだ。

よく、「基本も出来ずに、応用など出来るか?。」

そうおっしゃる人もいるが、現場で指揮をしていると、そのバランスが非常に大切な事がわかる。

 基本が出来ない。

それは現実だとして、従来からの基本にのみ執着してしまうと新たな行動や新たな気持ちの持ち様が薄れていく。

 結果、何も変わらず、基本すら失う事になる。

人間とは、飽きやすい動物なのだ。
基本基本と言いながら、どこかで応用もトライして視野を広げて、再度基本に戻る。

 このバランスが大切。

そうやって、基本と応用を繰り返し繰り返しやっていくから、基本本来の意味、応用本来の意味が理解出来、基本の重要性と応用の方向性が見えてくるのだ。

だから、基本の上に応用が積みあがるという考えでは無く、基本と応用はシーソーの如くに、常にバランスを取って従業員に気づかせ、基本の大切さと応用の大切さを身につけていってもらう事が大切なのだ。

その繰り返しから、基本の積上げと基本の奥深さが見えてくるのだと思っている。
そして、基本の本質が理解出来たなら、その応用をどの方向で伸ばしていくかが見えてくる。

 基本の応用としての、向かう方向性。

身につけた基本を、どう活用するか、という言葉に置き換える事も出来る。

 活用の仕方がわからなければ、基本の意味が無い。

活用術を身につけるには、活用を重ねるしかない。
そして、失敗し、基本とな何ぞやと考え、基本の本質を追求し、正しい基本に戻る事が出来る。それも自信を持って戻る事が出来るのだ。

従来の徒弟制度であれば、基本10年とか言って、10年間は応用などさせない時代であり、それだけの時間的余裕もあったのだろうが、今はスピードの時代であり、如何にスピードを持って若手を育成成長させられるか。それによって企業の命運が握られている場合が多い。

如何にスピ―ドを持って、若手を成長させるかと言う問いに対して、基本と応用のバランスとその本質の追求を如何に効果的に修得させるかがポイントとなってくるだろう。

応用をさせたら、必ず基本の大切さを語り、基本にも優先順位をつけさせ、力の入れ具合を考えさせる事も大切なことだろう。

 その事によって、基本の基本が見えてくる。

それは、この業界で従来から語り継がれている4つの法則に集約されていく事も、重要な気づきになっていくであろう。

 そして、最後は如何に基本が大切であるのか。

いろいろな応用を繰り返しながら、試行錯誤の末に理解していくのである。



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2012年6月15日 (金)

見える化の効果

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


ストアコンセプトから、週別のMD計画を立案し、見えるかによって掲示してその反省を週毎に検証していく。

 今年からの店舗の重点政策として実行している。

そして、3月から継続して早3ヶ月。
その事で、非常に数値が伸びてきた部門も多い。
更に、店長として販売面での店舗運営が非常に容易になってきた。

 数週間後までの各部の重点商品が見えてきた事。

お互いのコミュニケーション。
検証や今後の対応、更に、検証の結果から出来るアドバイス等が見えて来て、その効果が流れとして繋がってきたと言う事である。
物事は常に流れており、その前後の繋がりが見えてくるから、今後の予測も容易になるのである。

そう言う意味で、流れが見えると言う事は、絶大な効果である。

そして、チーフ達の企画立案と検証能力、更にその連動性もついていくものと思われる。
特に、その事によって、単品量販力は間違いなくついてきているだろう。

更に、単品量販力とその連動性の習得によって、単品育成力もついていくから、一度単品量販した商品は、その後も全体の売り上げを底上げしていくというシステムを理解する事によって、単品の維持能力も養う事になる。

それが、52週連続してやり続ければ、これは大きな力となる。
こんな個人の蓄積が、企業の蓄積となり、組織強化に繋がっていくのである。

この流れが、パートさん達にも公開されているという緊張感が、チーフや担当者の行動に積極性を与え、それが行動に繋がり、お客様に伝わり数値が変わる。

自分の計画が公開かれ、自らの背中を押す原動力になるという仕組み。
この仕組みこそが、組織内の活性化であり、その活性化が数値を変え感動を生む。

 自分の部門は今何をしようとしているのか?。

現場の原動力であるパートさん達の力を得ることも大きな要因である。
このような部門間の競争的な要素も加われば、自部門への帰属意識から、その単品量販に自然に力が入り、部門としてのパワーも必然的にアップしていく。
だから、計画した商品を昨年比で比較すると圧倒的に他店舗を引き離しているのである。

 売上では敵わないが、昨年比では伸びている。

更に、単品では全社一位の単品も出現したりする。

私やパートさん達の力も加わり、その商品の陳列、コメント、手直し等が日々の中で維持されていくと、結果的には異常値を示していくものだ。

 そして、これが商売でもある。

それだけ、単品の商品動向とは、売る側の意志で大きく変わるもの。

部下の成長をどう育成するか?。

 それは、売る意志をどう育てるか?。

そこが一番の力点になるのではないだろうか。



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2012年6月14日 (木)

逆境で自分を磨く

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


逆境。

 よく聞く言葉ではある。

誰でも、逆境に立ちたくは無い。
だから、必死にそれ以前に食い止めようとしてもがく。
しかし、経験を積むと、この逆境を楽しむスタンスも生まれてくる。

 “てっちゃん、そんなのウソだろう”

しかし、理解してくださる人も多いと思う。

 何度も逆境を経験してきた人ほど、それを楽しめる。

なぜか?。

 それが、自分の成長に必ず繋がるからだ。

逆境からの経験は大きい。
その時はどん底でも、それを乗り越えると、次が見えてくるから楽になる。

 今まで見えなかったものが見えてくる。

売上の高い店舗から低い店舗へ異動になる。

 自分としては、“降格か!”と自信を無くす。

しかし、そこにはそこの学びの場がちゃんと置かれている。
売上が低いから、考える。

 より単品に降りて商品を見るようになる。
 
 一品一品の商品価値を見るようになる。
 一品一品の陳列の仕方を見るようになる。
 一人一人のお客様の動向を見るようになる。
 一店舗一店舗の競合の品揃えを見るようになる。
 一枚一枚のチラシの中身を見るようになる。
 一人一人の従業員の行動を見るようになる。

その効果は非常に高い。
そして、細部で大いに悩む。
そうやって、徐々に小さな原理原則が見えてくる。
その小さな原理原則がチェーンの如くに繋がって大きな波になっている事に気づく。

 大きな波を起こす事も、止める事も見えてくる。

大きな売上を誇るお店では、なかなか気づかない事である。

 それは、流されてしまうからだ。

そう、巨大売上店舗では、日々の忙しさに流されてしまう事が多い。
そして、それを以って仕事の満足感に繋がり、波が見えなくなる。

 小さな店舗では、その関係が良く分かる。

だから、我々はどちらも経験しなければならない。
特に、ある程度自信をつけてから、弱小店舗で鍛える事も重要なのだ。

 「可愛い子には、旅をさせろ」

よく言われる諺だが、まさにその通り。

特に小さな店舗で、個人商店としての原理原則を叩きこむ事は非常に大切な事だ。

組織が大きくなると言う事は、その原理原則を守りながら「求心力」と「遠心力」の力学を駆使して組織を運営していくこと。

そして、組織の中に合っては、どこに存在しても「学びの場」は無限に存在する事を忘れてはいけない。


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2012年6月13日 (水)

チラシの相乗効果

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


チラシを入れると、お客様が来店される。

 当然の事だ。

しかし、それだけの事だと思えば、以来お客様は徐々に減少してしまう。

 チラシを一時の集客手段と捉えてはいけない。

そこには、計り知れない潜在能力が隠されていると思わなければならない。

よく、売上が下がってきたからチラシで挽回しようとか取り戻そうとかと考えるが、その一枚のチラシから、次へのストーリーを描いていかないと、本当に一時凌ぎで終わってしまう。

 例えば、国産牛肉のチラシを入れるとしよう。

現場では、普段取り扱わないランクの牛肉の特売に、嫌々商品を仕入れ、売場を造り、ロスを出さないような消極的な売場を造る担当者がいれば、これを機にチラシを見て来店されたお客様へここぞとばかりにフルアイテムで自分の実力を如何なく発揮して売場を造り、大いに攻めの売場を造る担当者もいる。

 どちらが、次に繋がるかと言う事だ。

長い長い店舗運営の連続の中で、チラシひとつでも有効に活用して、如何に後に続けていくストーリーをその一枚から掘り起こすかが大きなポイントとなる。

チラシ一枚だけでは、そこで完了してしまうが、チラシとはそれなりに連続的に投入されるものだ。

前回は牛肉がテーマだったが、今回は豚肉がテーマ、次回は鶏肉と連続的にテーマが変更され、またイベントに合わせてテーマが決定し、そこで御馳走や普段の商材がチラシに乗っかる。

普段は売上、売数、ロスや廃棄を考慮して、品揃えされないアイテムはskuもあるだろう。
それはそれで、そのお店の実力であり利益創出の為には我慢すべきところもあろうが、国産牛肉が特売に入り、お父様への提案のチラシが入った場面では、当然にように攻めの売場でチラシで来店されたお客様へ自店の自部門の商品を提案しなければ、後には決して続かない。
普段は出来ていなくても、ここぞの場面では無理してでも、品揃えを変え、ボリュームを変え、skuを変えて攻めていく。

 だから、次のステージが待っているのだ。

常に現場は進化し続けていかなければならないし、そうでなければ、現場の人材が退化しお客様も退化していく。
だから、落ちていく店舗や現場は、チラシごとに落ちていくし、伸びていく現場はチラシごとに加速をつけて伸びていく。

そう言う意味では、集客のきっかけとは無数にあり、そのきっかけを利用して次へのステージへ登る手段も無数に存在する。

 何を足がかりに、次へのステップを図るか。

そして、次は、更に次はどう手を打つか。
このストーリーを描けなければ、やはり競合とのお客様獲得合戦にはついてはいけないだろう。

そしてそれは、一部門の問題ではなくて、店舗で全ての部門を対象にテーマを持って取り組んでいかなければならない問題であり、その事を最大限に掌握できるのが店長という存在なのである。

そう言う意味では、チラシとは相変わらず最大の手段であり、一番効果の高い販促要素である。



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2012年6月12日 (火)

来店動機を振り返る

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


売上について、悩みの尽きないのが店長という職位。

 売上が下がれば、全ての指数が大きく低下していく。

粗利、生産性、利益。

そして、そこから「手」を打っていかなければならない対応策が無限に発生してくる。
更には、対策書、企画書、反省書の数々。
追い打ちをかけて、本部からいろいろな上司(?)が来店し、対応に追われる。

 忙しさが、3倍に跳ね上がる。

これが、売上を落としてしまった場合の、我々店長の真実の姿。
だから、売上を落としてはならないのである。

 誰の為の仕事 = 上司の為の仕事

そんな方程式が成り立つほど、上への献上物が増加する。
そんな悲しい現実を避けるためにも、如何に売上を維持し続けるか。

売上とは、そもそも、何ぞや?。

 売上 = 客数 × 客単価

私が部下に良く言う言葉。

 「俺がお客様を呼ぶから、部門で分捕り合戦をしろ。」

簡単明快な手法だ。
店長、本部主導で客数を増やす。
増えた客数に対して、部門チーフが売り込みを図って、自部門の売上を上げていく。

こんな単純な構図では、決して無い。
しかし、本当は複雑な構図ではあるが、部下を引っ張る時は、単純明快にイメージを描かせた方が行動しやすい。

 正確に理解させること以上に、確実に行動させること。

行動し、検証し、また行動する。
そうやって、コトの本質が積上げっていく。

 そして、客数。

客数とは、如何にして伸びていくのか?。

客数が上がらずして、部門や部下へ「売上を上げろ」と言うのは、筋違い。
私は、そう思っている。
まずは、店長の販売力とは、客数増だと思っている。
しかし、販売面、サービス面の向上が客数増に結び付く場面も多々あるから、客数に結び付くアドバイスや商品化、更には欠品、品切れ、鮮度落ち等は事あるごとに言っていく。

 しかし、売上を上げよ、とは言わない。

客数分の売上連動しないのは、なぜか?、という問いはするが、客数を上げずしてなぜとは聞かない。
今自分がしている行為が、客数増に結び付く事を前提に、全ての私の行為はあり、そのことによって必ず客数は伸び、それに応じて、手を打った部門ほど売上の伸びは高くなっていくから、部下は安心して、基本を詰めながら、私のアドバイスと自らの発想を大切にして
売場作りをしていく。

客数が伸びていくということは、この人口減の世界にあっては非常に大きなメリットである。
一人一人の購買単価だった、大きく伸びる要素は少ない。
だから、如何にお客様に来て頂くか。
その延長上に、競合店が存在するのである。

もはや、競合店からお客様を奪わない限り、客数増を見込む手立ては無い。
その視点で競合対策が必須になってくるのであり、どうやったら、隣のお店から自店にお客様を呼び込むか。

 何が足りないのか?。

冷静に、一つ一つの要因を素直に認めて比べていくしかない。

 弱い時間帯は、弱い部門は、弱い単品は?、等々。

そして、どのエリアからお客様を呼べたのか?。
だから、マップマーケティングが重要になるのであり、店長の客数対策の一道具となっていくのだと思う。

 なぜ、現在のお客様は、当店へ来店されるのか?。
 来てくれないお客様には、何が足りないのか?。

競合対策の本質は、ここにあるのではないか。

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2012年6月11日 (月)

レイクタウンMR

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


一年振りに、レイクタウンを訪ねた。

 過去に何度も足を入れている場所。

昨年は子供の受験もあり、年度後半からは、遠出を避けていた。

そして先日、休日を利用してレイクタウンへ出かけた。

以前は、結構早朝から出かけた為、周辺地域の店舗MRも出来たが、今回はレイクタウン内の「I社」と「M社」のみのMR。

これだけの巨大スペースでの圧倒的な集客力を以って、内部に存在するスーパーマーケットがどんな品揃えをして、どんなお客様に支持されているのか毎回見ているが、いつもその対比が面白い。

まずは、「I社」。

 ビッグとは違う品揃えが魅力である。

正面の果実は、キウイフルーツ99円で一面の20尺を覆う。
更に、グレープフルーツとアメリカンチェリーの展開。

 輸入商材で徹底量販。

圧倒的集荷力で、通常価格で利益確保。
そんな構図で、果実は利益追求カテゴリーとして位置付けている。
逆に、野菜は薄利で安さをアピール。
キャベツ以外の葉物や土物は流石に安い。

更に、精肉はインストア牛肉に力を入れ、グラム売りのコーナーにお客様が食い付き、上質の牛肉を購入するお客様が目立っていた。

鮮魚では、アウトパックの品揃えの豊富さをベースにしながら、技術者を擁しての鮮度感溢れるバラ売り、盛り売りコーナーが魅力的であり、年々売場が拡大しているようにも思える。
鮮魚のこのコーナーはこの企業の花形になりつつあり、この圧倒的な鮮度感と安さはお客様に対するアピール度は相当高まっていると思われる。

巨大なスペースに以外に少ない品揃えのグロサリー商品群も価格面で魅力的であり、相当数の客数に任せて高売上を誇っているようだ。

客層も若く、20代~40代のお客様が混雑していたのである。

逆に、「M社」。

 一般的な規模のSMである。

しかし、この店舗の品揃えと企画は、相当「I社」を意識しているようだ。
そして、「I社」では真似の出来ない生鮮の市場感度を売りにしていると思われる。

 まず驚いたのは。

青果、果実トップ企画コーナーで「佐藤錦さくらんぼ」。
早くも企画し、量販している。1P580円とこの時期では安価だ。

更に、国産果実で占めるトップ平台。
メロン、すいか、そして梅。
あくまでも、他社に惑わされず、国産果実を徹底して追求している。

鮮魚の商品展開力も、刺身、切身と技術を擁するカテゴリーではその豊富さは他の追随を許さないほどのボリュームと品揃えだ。

精肉も、他社がアウトパックを中心に展開すれば、ここの精肉は当然のインストアであり、その強みを徹底して追求している。
特に、焼肉商材での差別化を意識しているのだろうと思われる。

客層は比較的高齢で、50代以上のお客様が多いように思える。
それだけ、買いやすい量目であり、使い切りタイプの量目が支持されているようだ。

PS
 越谷レイクタウンMR④を載せました。どうぞ。
 http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/photos/kosigayamryonn/



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2012年6月10日 (日)

リーガル・ハイの奥深さ

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日の、リーガル・ハイ

 親子関係を取り扱った内容だった。

特に今回は、奥深い内容であった。

 親子関係という、人間の一番親密な関係。

血縁関係の中でも、同じ血という関係は強い。
本能的に、親子や兄弟とは強く結ばれ、強く反発するのだろうか。

今回の内容は、今話題の人気子役の親子関係を描いた内容だったが、それに合わせて堺雅人演じる「古美門研介」の父親役で中村惇夫が「古美門清蔵」役で出演した。

古美門研介自身が複雑な親子関係という過去の自分と、引き受けた仕事の親子関係とをダブらせての今回の話題だった。

中村惇夫が登場した場面で、一瞬ではあるが、「木枯らし門次郎」の主題歌が流れるあたりは、相変わらずシニアにも配慮したおかしさがあったが、この法律家親子の関係も通常の親子関係とは程遠い距離感で演じられている。

そんな中で、古美門研介が小学校の頃の事。
サンタクロースを信じる同級生の女の子を、有り得ない(笑)論理的な論法で泣かせてしまった事から、親子関係にひびが入り、古美門研介は早々に親から離れて独立した過去の経歴があったようだ。

そして今回も、プロフェッショナルな法律家の目線で依頼者の利益を最大限に引き出そうとする堺雅人と、親子の血のつながりという本質的な見方を敵対する親子に知らせて、本来の親子関係を取り戻させようとする、中村惇夫、新垣結衣との対照的な目線の違いが、法律には素人の我々から見れば、多いなる気づきを与えてくれた。

この番組を通して、法律とは、裁判とは、そして、人間が生きるとは、を我々に自問させてくれる内容になっている。

 そこからくる、本当の幸せとは。

裁判を通して、本当の幸せを、原告被告を合わせて問うていく内容になっている。

 そして、今回のテーマは親子関係。

親の幸せ、子の幸せ。

この裁判の中で、裁判でのセリフの猛練習をしながらも、裁判官に伝わる感動の言葉を発するには、与えられたセリフではなく、その場での生の感情を自分の言葉で表現する事以外には無いとして、母親から台本を奪った中村惇夫と、子供から台本を奪った堺雅人の法廷での仕掛けとその親子の生の感情表現が見応え充分だった。

天才子役が、天才ぶりをかなぐり捨てて発した母親への想い。
そして、いつの世でも、子供は親を見て育ち、親を越えていくものだ。
そして、親はいつの世でも、子を想い、この行く末を憂う。

更に、最後には、古美門研介の事務をしている服部(里見浩太郎)が、古美門研介の親である古美門清蔵(中村惇夫)と繋がり、古美門研介の後見役として側についている事も、親子の絆の深さを伝えようとする場面ではあった。

見ている人にしか分からない、今回のブログ記事ですみません。
しかし、リーガル・ハイ、どんどん見応えある終盤を迎えてきた。



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2012年6月 9日 (土)

働くとは

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


昨日は、転職と天職に関して記した。

 本日は、仕事について。

誰でもそうなのだろうが、仕事を始めた当初と今とでは、仕事に対する認識は大きく変わってきている。

 それが、経験なのだろう。

当初は、表面上の技術的な事ばかりが目に入り、頭に入ってきた。

 どうすれば、綺麗な切身が切れるのか?。
 どうすれば、仕事のスピードが上がるのか?。
 なぜ、俺の切ったまぐろは売れないのか?。

そして、チーフという職位になると、また認識が変わってくる。

 どうすれば、利益が出るのか?。
 なぜ、みんな気持ちを一つに出来ないのか?。
 他部門のチーフと仲良くするには?。

徐々に、自分だけの世界から、横への世界へ広がっていく事に気づく。

そして、副店長になり、店長になる。
また、スーパーバイザーも経験し、専門性、多面性、多様性の中で仕事への認識が広がっていく。

知れば知るほど、この仕事、この業界の奥深さが見えてくる。
そして、仕事に対する原理原則みたいなものが見えてくる。

 それは、一つの事を続けていきたから分かる事だ。

転職はすれど、同じ業界で仕事をし続けてきたから、継続して見えてきた事もある。
更に、転職したから見えてきた事も多い。

 同じ事を、目線を変えて見るとこうなる。

同じ売場でも、企業によって、見方が違う。
それを通して、この業界の奥深さが見えると言う事も分かった。

そして、働く事の意味に関しても、それが自分に対してどう影響しているのかも考えるようになった。

 どうせ仕事をするのなら。

これは、どうせ生きるのなら、と置き換えても良いと思う。

 生きるとは、仕事をすると言う事。

または、仕事を通して、生き方を学ぶと言う事でもある。
そう、生き方を学ぶ為に、仕事があるのだと思う。

 そして、仕事を通して、生きがいを見出す。

だから、生きる力が湧き、それが仕事へと繋がり、自己管理から自分を大切にしようとする意識にもなる。

 生きがいを持つ自分を長く維持したいから、生きようとする。

そして、気づく事は、人間として生きようとすれば、その人間関係に強くならなければならない。
人を支えるから、いずれ支えられ、恩を感じるから恩で答える。
そうやって、見えない力を得て、見えない力を働かせて自らを奮い立たせて大きな力を発揮する。
そして、それは人間関係だけではなく、宇宙の原理原則と気づく。

 その延長線上で、我々は商売をしている事に気づく。

特に食品とは、我々の生きる源であり、自然の循環でもあり、正しい循環に沿えば、正しい生を受ける事が出来る。

 その正しい循環に携わる事が、我々の仕事だ。

宇宙の法則に沿った、正しい循環。

単に、どうやったら綺麗な切身が切れる、という問いからスタートし、宇宙の法則に則る事にまで至った現在。
しかし、まだまだその奥深さには至っていない。

 それが仕事であり、生きる事なのである。

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2012年6月 8日 (金)

転職で天職を見つける?

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


この時期になると、新卒の退職者が目立ってくる。

片方で新卒の採用活動に携わりながら、片方では二年目社員の退職者が現われてくる。

 一年前は、新たな生活へ心身も漲っていたのに。

自分が思い描く新たな活躍の場と、現実とのギャップがあまりにも大きく、その修正を自分に受け入れ切れないで思い悩む日々が続いたのだろう。

そのギャップの大きさは、自分が今まで生きてきた経験では絶対に触れる事の無かった途方も無い大きさなのだろう。

今までの生活とは、家族は別にしても、せいぜい5年程度の世代差との学生生活の中から得られる世代差の中で育ってきた自分の経験だった。
それが、いきなり何十年も年の差のある先輩、上司との親密な生活の場に放り込まれる訳だ。
それも、厳格な縦割りの社会生活へ切り替わるのである。

そのギャップは、どうしても自分の能力では処理しきれないものがあろう。
私も、店長としていろいろな部下と関わるが、彼ら彼女らから見れば父親以上の年齢の私に対して萎縮してしまう子もいれば、堂々と自分の意見を言える子もいる。

 その違いは何なのだろうか?。

それが、彼らの家族環境や生活環境だったのだろう。
それは、世代を越えた生活環境に常に暮らしていたかどうか。
だから、その世代との付き合い方がわかるのだ。

狭い生活環境で暮らしてきた新入社員が、突然20歳以上も年上の世代の先輩社員と今まで経験した事の無い縦割りの先輩後輩、上司と部下の関係という従来の家族関係や学生時代の上下関係とは異質の人間関係が目の前に現われてくるのだ。

我々先輩社員は、長い社会人生活から当たり前と思っていた常識が、彼らにはまだ通じない。

 「そんなの当たり前でしょう!。」

そう思っている全ての常識が、若手社員には通じないと思って間違い無い。
それほど、3年以上経過した従業員とそれ以下の従業員では、組織に対する認識の差があるのだ。

 “30歳以上の上司や先輩に対しての苦手意識”

特に、指示命令に対しての、徹底度合いが分からない。
そして、上司はその徹底度合いで部下を評価する。

 “徹底するのが当たり前”

そう思う上司と、

 “まぁ、この程度でいいか”

そう捉える若手社員との認識のギャップが、上司と部下の関係を悪化させ、特に部下の認識不足がや仕事に対する甘えが、上司の怒りや不信を買う原因となることが多い。

更に、就職ノウハウの習得から、学生達の仕事に対する認識の誤差にもある。
それは、華やかな表面上の仕事に対して、その下地も無しに企画立案したがるというギャップか。

我々の基本は、挨拶、清潔、品切れ、鮮度であるが、その基本中の基本は華やかな応用としての企画面ではなく、地道な下積み作業の連続でしかない。
それは、数をこなして、日々同じ事を繰り返して得られる仕事の原理原則であるが、その数をこなす前に、今の仕事が自分にマッチしないと判断してしまう事だ。

原理原則を理解するまでの3年程度の時間が待てない。
そこから自分にとっての仕事とは、大きく飛躍していくものだが、どうしてもそれまで待てない。

しかしそれは、どんな仕事に変えようとも、初めの3年は付いて回る原理原則でもある。

 転職して、天職を得る。

親父ギャグでは無いが、何度も繰り返して自分探しをするのも良いが、続ける事である日突然見えてくる原理原則がほとんどである事を、もう一度若手社員とじっくりと話し合う場を設ける事を考える時ではないか。

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2012年6月 7日 (木)

総選挙

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


初めて見た、総選挙。

 いまや総選挙と言えば、AKB。

今年は、フジテレビが全面的にバックアップしての後押し。
当日の放映も、初めてテレビで行われた。

事前から総選挙へ向けての布石を打ち続けてきたが、いよいよ本番を迎える。
そして、私もこの国民的なイベントを初めて見る事が出来た(別に意識して休日にしたわけではありません)。

午後7時から午後9時過ぎまでの放映だった為、たっぷりと50位ぐらいから見れるのだろうと思っていたら、なにやらグダグダとアナウンサーやコメンテーターが過去の話を持ち出し、現状の順位発表者たちのコメントを映し出さないではないか。

 “つまらん話しはいいから、早くメンバーを映せ”

しかし、ようやく受賞者が自分のコメントを言う場面が映しだされたのは、選抜メンバーとしての16位からであった。

この番組以前にも、その布石を見てきた私にとっては、総選挙のABCなどどうでもいいから、選抜メンバー以外のテレビに露出しないメンバーたちの生の声やコメントを聞きたいと思って楽しみにしていたのに、つまらんコメンテーター達の話などどうでもよかったのだ。

そして、選抜メンバーの発表からスタートした上位陣の受賞者のコメントの数々。
はやり、上位になればなるほど、しっかりしたコメントで上位に位置する理由も分かる気がする。

特に、柏木由紀や篠田まり子などは、簡潔だがこの年代にしては本質を突いた言葉が伝わってきた。

そして、今回躍進した渡辺麻友のコメントも良かった。
素直に次回は1位を取りたいとコメント。
更に、若手が引っ張っていくことへの責任感など、これからを背負う気持ちが伝わってくる。

前年ながら、1位の大島優子のコメントが途中で時間切れで切れてしまったところなど、もっとしっかり最後まで映せよと思ったが、大島の当然の1位でその後のコメントはあまり興味が無くなってしまった。

カエルの王女さまや、以前にもフジテレビの月9ドラマに出ていて、テレビ露出がとみに多くなってきて、更にAKBの中でもダンスのキレには定評のある大島の存在は際立っている。

また、今回2位に躍進した渡辺麻友が選抜メンバーの中でどのような踊りと歌とバラエティーとトークでどのような存在感を増してくるかがみどころだろう。

そして、今回の順位発表で一番感動してウルウルしたのが、16位の選抜メンバーにぎりぎり入った梅田彩佳だった。

大島と同期でありながら、怪我に泣き低迷していた時期のあるダンスの名手。
以前に、梅田彩佳を特集した番組があり、そこでの彼女に今までのストーリーを放映していたのがきっかけで、彼女を存在を知ったのだが、それ以来、押しメンとまではいかないが、気になるメンバーとして意識はしていた。

そんな彼女が、ぎりぎりとは言え、選抜メンバー入りを果たす。
昨年の総選挙では、両手を上げて笑顔でインタビューを受けていたが、今年は感動の涙を流してのコメントが、我々を巻き込んで感動を呼び起こした。

彼女(梅田彩佳)には、是非、大島とダブルセンターでキレのある踊りを踊ってほしいものである。

そんなこんなで、周囲の家族のチャンネル争いを強引に奪取して貴重な2時間をフジテレビにかじりついた6月6日であった。



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2012年6月 6日 (水)

テレビCMに乗る

皆さん、こんにちは。
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世の中の動きに乗じる。

 今年の当店のストアコンセプトの一つである。

特に、グロサリー部門では、その根幹を成すコンセプトだ。
そして、そのコンセプトに乗って、チーフのアンテナの張り方が敏感になってきた。

 「店長、青果とコラボで麻婆茄子の素を仕掛けます」

特に今年は、クックドゥシリーズのテレビコマーシャルに合わせて、青果とのコラボを継続してきた。

 回鍋肉、豚もやし、そして今回の麻婆茄子。

店舗でストアコンセプトを練り上げ、更に部門コンセプトも全員に見える場所に掲示し、毎週の取り組み計画も掲示している為、自部門以外の取り組みも共有出来る為、事前打合せも各チーフ間で進めやすくなっているようだ。

今回は、グロサリーチーフが青果チーフへ事前打合せを完了し、テレビコマーシャル前日から青果平台サイドの一番単品量販しやすい場所を、麻婆茄子の提案で占めていた。

 「サイドで麻婆茄子提案か?。」

どうも色合いも紫オンリーで色気が無い。
更に、クックドゥの麻婆茄子の素もあまり売れている様子が無い。

 「どうだ?。売れているのか?。」

  「ガンガン売れていますよ。マメに補充しています。」

なるほど。自分で意志を持って仕掛けた売場はしっかり補充するものだ。
そして、数日経過後のデータを確認すると、やっぱり全社1位の実績だ。

 更に、青果の茄子の販売データも全社1位。

特別、特売や価格訴求した訳ではない。
単に、クックドゥの麻婆茄子の素とコラボしただけの売場。
しかし、茄子の動きが尋常ではない。

 “やはり、テレビの影響か”

ぐっさんは、このシリーズでは本当に美味しそうに食べている。
この食欲モリモリのイメージが、食事のイメージを盛り上げるのだろう。
そして、子供たちへのベジタブル摂取のイメージもポイントが高いのだろう。

 しかし、何にも増して大切なのは、

この絶大な波及効果を、モノにするかどうかだ。
そこに「手」を出して、企画するかどうか。

 全ては、ここに尽きるのである。

今年のコンセプトに従って、行動するかどうか。
これだけの宣伝効果、販促効果に乗るか乗らないか。

商売とは、このように世の中の流れに乗って、自分を活かす事である。



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2012年6月 5日 (火)

伝説の売場を委ねる

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


伝説の売場。

 過去に何回も記してきた売場。
 http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-ad6d.html

ここでは、何度もいろいろな挑戦をしてきて、それこそ伝説的な商品と売上を記録してきた。

店舗レイアウト上の要所でもあり、ここで企画した商品はお客様にも十二分に訴求される重要な位置にある売場であることを、我々に教えてくれた売場でもある。

先日、チーフから言われた。

 「店長、ここでやりたい商品があるんですけど。」

  「なんだ?。」

 「はい、昨年ヒットした〇〇のど飴です。」
 「今年も早めに仕掛けて、先手を打ちたいんです。」

  「ほほぉ~っ。」

この場所はいずれ、揖保の糸等のそうめん類を量販しようかと考えていた所だ。

 それはチーフも承諾の上の事。

チーフが言うには、その前に一段落挟んでおきたいとの事だ。

 それが、「〇〇のど飴」。

これは、昨年の節電対策で本部から送り込まれた商品の動向が良く、チーフ自ら本部に追加発注をかけて、追いかけ続けた商品である。

だから、その後の動向とお客様の食い付きの良し悪しに自分の想い入れが強く、今年も仕掛けがいがあると判断して私に言ってきたのだろうと思う。

この場所は、チーフとも連動して展開してきた場所だから、チーフ自身もこの場所の強さも恐ろしさも知っており、この場所での私のこだわりも知っている。

だから、敢えてこの場所で自分の感度を試したいのだろう。

  「やってみぃ~。いくつやる?。」

 「はい、50ケースほど。」

  「600袋か。良いだろう。」

決まった。

今まで、自分以外は携わらなかった「伝説の売場」。

 今回、初めて他人の腕に委ねる。

いつまでも、自分以外に触らせないというこだわりも無いだろう。

 私の意志を継ぐ者。

そんな人間に委ねなくてはならない場面が来たのかもしれない。
そうやって、徐々に私の専門分野を他者に委ねていく。

 大切な世代交代の手法である。




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2012年6月 4日 (月)

「求心力」と「遠心力」②

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


積極的に「見える化」を図ってみると、ある事に気づく。

 視点を変えると手法も変わる、と言う事。

本部主体で「見える化」を進めると、管理監視型の視点になる。
現場主体で「見える化」を進めると、現場運営型の視点になる。

管理監視型の視点に立てば、数値面やコスト面での見える化が表示され、営業活動に対して現状どのような費用対効果にあるのかというような見える化が図られ、営業活動に対しての管理面をコントロールしようとする意識が働く。

現場運営型の視点に立てば、本部方針や方向性に対して、現状どの程度の進捗状況なのかのチェック機能が働き、現場が主体的に方針、方向性に軌道修正しようとする自主管理機能が磨かれ、営業活動に対しての創造力の自主増進力が働く。

どちらが良いと言う事では無く、現場で発想する「見える化」と本部主導で「見える化」を図ろうとするその意識の差が、見える化の要請に際してズレてくるものだということが分かってきたのだ。

 そして、それは「求心力」と「遠心力」に行き着く。

以前の記事で、「求心力」と「遠心力」を記した。
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-de18.html

その時は、「見える化」を見込んで記した内容ではなかったが、今回「見える化」の推進を図る上で、見逃せない核心のような気がしてきたのだ。

もう一度私なりに、「求心力」と「遠心力」をまとめて見ると、

「求心力」とは、

組織内で、その組織の構成員をして如何にその組織に吸引するかという目的の強さ。
それは、経営方針であり、その事を実現しようとするトップ他のリーダーシップであり、その事によって構成員の生活が保障されるという処遇面である。

求心力が高まれば、組織は固まる方向に進み固い結束が生まれるが、逆に柔軟性が失われ、環境の変化に対応出来ないというリスクも増大する。

「遠心力」とは、

組織内で、その組織の構成員をして如何にその組織を自らの力で回していくかと言う自主運営能力の強さである。
それは、現場への権限移譲でありそれに応えて現場が目の前の状況に対応して自らの創造性によって個々の課題を克服していく行動である。

遠心力が高まれば、組織は拡大する方向に進み推進力が生まれるが、逆に本来の目的から離れ、規模のメリットや組織目的を失い、いずれ臨機応変な機動力を失うというリスクを負う。

大企業病とは、拡大していく組織を強烈な縛りで抑え込み、企業が固まる病である。
意気揚々と現場のスタッフが事業拡大の為に自主運営能力を高めてきた拡大期の従業員の「遠心力」を抑え込み、求心力志向の強い人材を積極的に登用し、減点志向の評価制度を主体にした業績評価によって役割を限定し、本部機能と現場機能の役割の明確化と無機質化が知らずに進行する病の事だ。

しかし、そのまま「遠心力」を放置すると、いずれ遠心力が求心力を上回り、組織の枠を越えて飛び出してしまう。

 「強い組織」とは、どんな組織なのだろうか?。

見える化という行為ひとつとっても、求心力と遠心力の視点の違いから、その捉え方と実践の仕方には、これほどの格差が生まれてくるのである。

 強い求心力と強い遠心力。

このバランスをどう調整していくか。
組織を預かる店長として、ミニ経営感覚を養う絶好の場が店舗に横たわっている事をもう一度認識したい。


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2012年6月 3日 (日)

事前情報

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


IT化が進み、販売事例等がどんどん蓄積されている。

 いろいろな販売面での引き出しが増えてくる。

非常に良い傾向になってきているが、目的は過去の販売事例の収集では無い。

 過去の事例から、明日の方向を示す事が目的。

それが、「仮説を立てる」と言う事だ。

過去の情報、販売事例等、データベースを蓄積すればするほど過去は振り返らなくなる。
重要なのは、過去の事例がたくさん蓄積される事では無く、それらの蓄積から如何に精度の高い事前情報が、あるべき人間から必要とする人間に伝わるかと言う事である。

 それは、店長から部下への伝達であり、
 本部から現場への伝達でもある。

組織内に、どれほど有効な事前情報が流れているのか?。
その情報精度で、チャンスをモノにするのか失うのかが決まってしまう。

 見えない未来への事前情報。

「未知の世界に対して、リスクは取れない」
そう思ってしまったら、そこでストップしてしまう。

いずれにしても、今の世の中、何が正解か、何がリスクなのか?。
逆に言うと、現状維持というリスクのほうが、新規チャレンジというリスクよりも高い場合も多い。

新規チャレンジというリスクをチャンスに変える為にも、普段からの事前情報という未来予測を積極的に実践して、その嗅覚を磨いておかなければならないだろう。

未来を予測し、事前情報を積極的に流し、その結果を検証し未来予測力を磨く。
特にその地位にありその役割を担っている人間は、その役割を積極的に利用してその腕を磨いていく事が大切だと思う。

いずれその事が、時代の変化の機微を見抜き、常に先手の打てる経営判断を導き、リスクを低減する働きになっていく事に繋がるのだから。

データベースをどんどん蓄積してきた行為から、事実の積上げは成されてきている。

いずれにしても、数をこなしていく事は重要なことである。

しかし、その数の世界から、未来予測の世界へステージを変えていく必要がある。
企業規模や店舗規模が中小であれば、場数をどんどん現場に踏ませる事は必要であろうが、企業規模が拡大するにつれて、未来予測の精度を高め、効率の良い事前情報からよりリスクの少ない店舗運営判断が導き出されることになる。

 事前情報。

大なり小なり、事前情報を作成する訓練は、自分の未来のリスクを少なくする事になる。

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2012年6月 2日 (土)

リーダーとしての組織教育

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


今年度、当社の最大のテーマは「教育」だと記した。

 リーダーの最大の課題は、部下教育。

明確に、その方向が示され、リーダーの評価基準が定まった。

 そして、教育。

その対象は、部下。

概ねは、そう捉えられ、教育の対象を個人に絞って考えられていく。
しかし私は、リーダーとして一番に考えなければならないのは、リーダー率いる組織だと思っている。

 要は、組織強化の為の、組織教育。

その一手段として、個人的な部下教育も含まれるのだろう。
個人が成長し、その集合体としての組織や店舗力が向上して、競争力が増し売上拡大が図られるというストーリーになっていくのだと思う。

そして、個人向けの教育マニュアルは概ねの企業でも存在し、そのストーリーに沿って、1年め、2年目等の年代別、または月間別教育スケジュールが存在し、それに沿って個人向け教育が施されていく。

 しかし、組織教育なるものは、存在しない。

しかし、店長が求められるのは最終的には店舗の数値。
個人が如何に成長し、戦力化されたと言っても、それが結果に結び付かなかったら意味が無い。
個人の成長を有効に組織強化に結び付けられ、組織として店舗としての競争力に貢献させ、組織としての結果に結び付く組織教育とは、どんなものか。

そのような評価基準が無いから、教育手順も無いし、そのような視点で店舗力を見て店長の評価をし、数値効果を図る物差しも無い。

 しかし、リーダーや店長が変わると結果が変わる。

これは、既成事実である。
しかし、そこのところを科学的に追求せず、個の集合体としての評価に終始するから、いつまでたっても、「店長が変わると結果が変わる」、という言葉の先がブラックボックス化され続けるのだろう。

 リーダーが変わって、何が具体的に変わったのか?。

それは、組織教育を施し、見えない組織力を高めたからなのだが、個人の成長と組織の成長をリンクさせ、より有効に組織力として成長させたかが重要なのだ。

 だから、リーダーは、組織教育を理解し実践する事が大切。

自分の組織を、どう教育していくか。
どんな手を打って、組織全体を活性化させ、部下ひとりひとりが考えて行動し、課題を前にしてどう協力し合いながら壁を突破していくのか、リーダーに頼らず個々に協働して解決していく力が、リーダーの組織教育の視点となる。

 全てに関与して、自ら判断を下し正しい指示を示す。

この軸足に立つと、組織は教育されていかない。
結局は、組織が指示待ちに終始し、縦割りがはびこる。

 リーダーとしての、組織教育。

店長として、大切な視点である。



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2012年6月 1日 (金)

勝負の6月

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


いよいよ、6月。

 私は、6月を勝負の月と位置付けている。

なぜ?。

 勝負にふさわしい単品が出回るからだ。

ひとつは、梅。
ふたつは、さくらんぼ。

いずれも、販売期間の短い、鮮度管理の難しい商品。
だから競合店もあまり積極的にやりたがらない商品。

 しかし、本気になれば、根こそぎ取り込める商品。

「梅」は、あのお店。
「さくらんぼ」はこのお店。

規模の大小ではなく、ロイヤリティー次第でお客様を取り込める商品が流通する時期だからだ。
それを、流通させるという認識ではなく、しっかり受け止めて売り込むという意識で臨まないと流されてしまう。

更に、梅雨に入り、商品が傷みやすい時期であり、突然の雷雨等で夕方以降のお客様の取り込みも不安定になる時期。
だから、競合各社も6月という月間は、平均日販が落ち込む時期なのだが、当社は逆に日販が伸びる月間なのである。

それは、挑戦しているという意味でもあろうし、イベントを有効に演出しているという意味でもあろう。

 要は、飛び道具が飛び交う時期なのだ。

それは、週末ごとに勝負を賭ける月間である事を意味する。
だから、なりふり構わず数値改善の為に大きなリスクを負って「博打を打つ」事の意味では無い。
それだけ、商品的にも、気候的にも店舗を取り巻く環境が変化しやすく、リスクを負わなければ縮小均衡に陥ってしまうのが、6月という時期の特徴である。
こんな時は、鮮度落ちの早い部門を経験しておいて良かったと常々思う。

 時間で、鮮度で、そしてタイミングで仕掛け、引く。

その駆け引きを部下と共に実践し、商売の醍醐味を共有する。
背中の見せがいがある、というものだ。

そしてそれが、この店舗での最後の思い出になるだろう。



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