お客様との会話から③
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、いつも買物に来てくださる男性のお客様と会話した。
「おはようごいさす。いつもありがとうございます。」
「私の以前はkのよな仕事をしていたからねぇ~。先日、私の友人の市場のセリ人をやっている人間と話しをしたんだが、面白い話をしていたなぁ~。」
市場のセリ人(青果や鮮魚の商品を、仲買人に売りさばく人)を長くやっていると、相手の目を見て買うか買わないかが分かると言う。更には、買わない人間に買わせる技術も修得するようになるという。
“えぇ~っ、相手の心理まで分かるの!”
だそうである。
相手の、目の動き、仕草、そして声のトーンから、この人間は本気で買おうとしているかどうかが分かるのだと言う。
これを聞いて、初めは疑ったが、冷静に考えると、自分もそんな目でお客様を見ている事に気がつく。
このお客様は、買おうとしているか?。
ずっと、お客様を見続けていると、その仕草でわかるものだ。
もっとも、スーパーに来店されるお客様は買物が目的だから、何かしらは買って帰ろうとはしているものだ。
さて、何を買おうかしら?
ここが問題なのだろう。
だから我々は、買おうとしているお客様に対して、いろいろな仕掛け(トラップ)を施して自分が売りたい商品を魅せる。
どれだけの確率でお客様にその商品を見てもらうかという確率論で、その商品を見て頂いたお客様が、最終的にその商品を購入するかどうかは、見て分かるものだ。
しかし、先ほどのセリ人は、買う気が無いお客様に買わせる技術も持ち合わせていると言う。
だから、そのセリ人から買ったお客様は、後で後悔するのだという。
“それじゃ、そのせり人の信頼はなくなるだろう”
しかし、それは後で考えればの話であって、そのセリ人から買った人は、買った瞬間は満足感や達成感に満たされるのだと言う。
“俺はこれを買った!”
それは、自分がその商品を得ることで、何かを満たしてくれる未来を得たような気分になるのだろうか。
または、その商品を得ることで、今まで不可能だったものが可能にでも出来るという気持ちになるのだろうか。
いずれにしても、そのセリ人から購入したお客様は、満足した気分になる。
が、その後冷静に考えると、後悔するのだとも言う。
しかし、そのセリ人の方は、高い人気を誇っているのだそうだ。
人を、その気にさせる。
これは、心理学的にも、非常に優れた技術なのではないか。
どんな場合でも、「買う」という行為は、ある意味満足感を得るものだとは思う。
自分のなりたい未来を得るために、買う
物を購入すると言う事は、このような言葉に置き換える事が出来る。
そして、なりたい未来を夢見させてくれるから、購入するのだから、購入した瞬間は夢見心地で一杯のハズだ。
それを、そのセリ人は、その人をその気にさせて満足感を充足させてあげる。
この事は、我々商売人には是非とも考えなければならない本質だろう。
そんな事を想いながら、そのお客様と話をしていた。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
このような瞬間瞬間での取り組みがいずれ実を結んで数値が変わってくる。
このタイムラグで心が折れるかどうかが継続出来る瀬戸際なのでしょうね。
それは、その事を信じるか信じないか。
変化に対応する心も大切。
原理原則を信じる心も大切。
その違いと使い分けが重要ですね。
投稿: てっちゃん | 2012年5月26日 (土) 07時20分
先日も述べたと思いますが
商売は「心理学」であると思います。
お客様の心理を読めないと価格だけの商売になってしまうと思います。
お客様との心理戦。お客様の固い財布の紐をどうやって解かせるのか?これが商売の基本であり醍醐味ではないでしょうか。
お客様の欲しいと思う商品を欲しい時期に本当に欲しくなる商品・陳列・演出・提案・応対・清潔度等、色々なスキルが絡み合って商品、そして店が強くなっていくのではないでしょうか?
投稿: dadama | 2012年5月25日 (金) 21時38分