二年目の壁
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
学校を卒業して就職する。
誰でも通る、二年目の壁。
今の学生たちは、十分に事前情報を得て就職活動に臨み、入社してくる。
しかし、その分入社後にそのギャップに悩む事になる。
そう言う意味では、十分に情報を集めて希望に胸を膨らませて想像力を活発に働かせてから入社してくるわけだから、その後の現実とのギャップは人によっては大きな落差となるだろう。
我々が入社した頃は、そんな情報も無く、逆に言うと現実とのギャップもまだ少なかったのかも知れない。
そんな彼らが、そのギャップに悩みながらもなんとか年末を経験してひと皮むけて今に至るが、それでも自身の将来の展望が見えない時期が、今なのだろう。
誰でも、通る道ではあるのだが ・ ・ ・ 。
それは、今だから分かることであって、当時の自分には先が見えなく、不安で不安で仕方が無かった。
“俺は、一生まな板に向かい続けるのか?”
そう悩み続け、この環境から逃げ出したい衝動にかられ続けた。
当時は、そんな環境ではあっても、寮生活という場で周囲の先輩諸氏との交流の中から自分の存在を認めてくれる仲間達がいたものだが、現代はそうはいかない。
与えられた環境にそんな場が存在したかっての環境から、今は自ら求めなければ与えられない環境に変化している。
それが、自由。
強制的に「寮生活」を強要されていたから、付随的に仲間が存在した以前の環境から、自由が故に、自らそんな環境を求めなければ仲間を得られない現代の環境。
そんな二年目の壁にぶつかる若者は多い。
先日、二年目の社員と面接した。
当店に最近異動してきた社員だが、希望に満ちて入社後にそのギャップに悩み、今後の見通しが見えないで悩んでいた若者だ。
普段の仕事では、そんな仕草を見せなかったが、先日ある社員との会話を聞いていて、彼と面接する事を決めた。
言葉の端端に不満の声が聞こえたからだ。
入社前の情報収集から、スーパーマーケットで活躍する自分の姿を夢見て入社してはみたものの、入社後の実態は、毎日まな板に向かう日々。
“俺はいつになったら入社前の夢に向かえるのか?”
そんな不安でいっぱいの現状。
「みんな同じ不安を抱きながら2年を過ごしたよ。」
しかしそれは、現実に今その時期を過ごしている人間には、言っても分からない。
「我々は、君達にいつまでもまな板に張り付いていてほしいとは思っていない。いずれは、経営に携わってほしいと願っている。だから今の仕事は仮の姿だと思え。但し本気で真剣に取り組まなければその願いは叶わない。今目の前の仕事を極められなければ次へのステップも踏めない。その為には縁の下の仕事から積み上げていくしか無いんだ。その積み重ねがいずれ複雑な経営判断を的確なものに変えてくれるものだ。上っ面の知識だけで判断できるレベルのゲームじゃぁないんだ。その為にも、今の下積みの時が一番大切。ここで現場の歯車を如何に回すかを学ぶんだ。以上!。」
何度も何度も、折れそうになる心。
何にすがって、初めの2年間を過ごすかで、将来が決まる。
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コメント
さむさん、コメントありがとうございます。
精肉部門に配属されて4か月。
辛い日々が続いていると思います。
しかし、明るく元気に一番下の仕事を嬉々としてこなしていってください。
君たちには失うものは何も無い。失うプライドも無い。全ては自らの「血」となり「肉」となる。その小さい積み重ねが蓄積されて、人を商品を駆使して商売が出来るようになる。
それが「経営」。経営とは常に見えない未来を予測し手を打ち利益を得ること。
決して上っ面の学問では無いのです。
刻々と変化する世の中、世のお客様の動向を察知して売場で喜んで頂く。それは人が造る売場によってピンからキリまで格差が出るもの。
それは以前学習した本をひも解く事では無く、今まで蓄積した小さい事の積み重ねからくる「直感」から判断し行動する事がほとんど。
さむさん。是非目の前の課題に向かい続けてください。必ず明るい未来が見えてきますよ。
今後とも、宜しくお願い致します。
投稿: てっちゃん | 2012年5月 2日 (水) 15時45分
今回の内容はすごくぐっと来ました。
食品スーパーに入社4ヶ月目の人間です。僕は精肉部門ですが、ピークの時はスライサーに張り付きっぱなしで気がめいることがあります。商売がしたいのに肉をひたすら切ってるだけ…。
でも、今日の内容を読んで考えを変えようと思います。今目の前にある課題に全力で向かう。いずれは商売人として経営に携わることを目標に。
ありがとうございました。勇気付けられました!
投稿: さむ | 2012年5月 2日 (水) 12時08分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
まるで私の人生を振り返るようなコメントですね。
私も結婚を契機に、「食卓」という発想が芽生えましたね。
今自分が販売している商品が、どのように食卓に登るのか?。
ここを追求しない限り、販売だけでは限界がきてしまう。
そう考えると、我々の商売はまだまだ単に売っているだけで、食卓に乗せるという知恵を提案していない。
その部分では、主婦やパートさんの知恵の共有が今後のテーマかも。
投稿: てっちゃん | 2012年4月18日 (水) 09時44分
この歳になってもギャップには悩みますから(笑)。
私も過去何回か真剣に「トラバーユ」を考えましたよ。今になって考えると若い頃は仕事を何処かで馬鹿にしてた気がします。
先回も述べましたが大きな転機は結婚。仕事が自己実現から家庭を支える糧になったとき。家族の団欒の中から食に対する興味、感動を覚えましたね。
そして派閥争いでの左遷。仕事を会社の為でなくお客様の為にしようと誓った時でした。お客様と真剣に向かい合う商売をすればお客様が助けてくれる・・・この事が私の仕事人生で得てきたことでしょうか。
いずれにしても、打ちのめされてそこから這い上がれると人間は大きくなるのでしょう。自然の摂理ですよね。
ただ最近の若者は温室育ちが多いから、世話を色々しないと枯れてしまうようですが・・・
たかが商売、されど商売。数学のように正しい答えもないし、相手が人様だから手法は千差万別。まさに商い=飽きないですね!
投稿: dadama | 2012年4月18日 (水) 01時23分