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2012年3月21日 (水)

品揃えで支持を得る

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日の「カンブリア宮殿」。

 北野エースを取り上げていた。

元々は、兵庫尼崎に本社を置く食品スーパー。
しかし、大手スーパーの出現によって売上が半減。

 “さて、これから自社をどうするか?”

そこで選択したのが、生鮮食品を切り捨てグロサリーに集中し、ニッチの分野に深く突っ込んでいくこと。

 “そっちに、行ったか?”

生鮮主体の食品スーパーを運営していて、大手競合の出店に対応して、自社をどうするか?。270億の売上が150億まで落ち込んだという。

生き残りを模索する中で、あるデパート内での出店を要請され、承諾する。

この選択で、中小スーパーが生鮮を捨ててグロサリーに特化する。
100人の中小スーパー経営者の中で、果たして何人がこの選択をするか?。
そこには、普段の店舗運営やお客様の動向から、秘めていたものがあったのだろう。

そして、この選択から、デパート内でのグロサリーに特化した営業で実績を上げ、全国のスーパーから引き合いが強くなっていく。
今では、全国で50店舗ほどに拡大してきたという。

この、「北野エース」というスーパー。
店舗毎に、品揃えが大幅に異なる。

浅草のデパート内の店舗では、高齢者の購買に応えて、昔ながらのせんべいの品揃えにl力を入れて特化し、お客様の支持を得る。

更に、川崎駅内の店舗では、ヤングファミリー層に合わせてワインに特化した品揃えを実現し、支持を得る。

そして大宮駅内の店舗では、惣菜・弁当に特化して、支持を得る。

生鮮以外のグロサリー・惣菜の品揃えで営業する中でも、地域のお客様の世代や暮らしは全く異なり、志向も異なる。
それに合わせ、限られたスペース内でより有効に品揃えを実行し、最大の効果を上げるには、店舗毎に特化カテゴリーを変えてでも、そのカテゴリーでは地域ナンバーワンの品揃えを実施し、お客様の「支持」を得なければ、「感動」という言葉でお客様からの賛同は得られない。

その為には、本部主導の品揃えやマネジメントの標準化というチェーンストアスタイルの拡大方向を捨て、地域のお客様主導の思いきったニッチ戦略によって、個店での生き残り戦略としての「最強カテゴリー選択」の手法での品揃えの道を選択したと言える。

そして、その道を更に最適化させる為に、1年365日、常にお客様からの品揃えの要望を聞き入れ、商品の入替えを実施し、一つ入れたら一つ排除する手法で商品サイクルを回しながら、1年2年3年と徐々にお客様にとって品揃えの良いお店として定着させ、いつの間にかお客様から圧倒的な支持を得る、感動の品揃えのお店が出来上がっていくのだと言う。

駅中立地の限られたスペースで、グロサリーをベースにした売上最大化の方向を目指す。
その為の最適な品揃えを模索し続けること。

それが、北野エースのコンセプトなのだろう。
そして、今そのコンセプトに沿って、従業員がが賛同してモチベーションを高めてお客様の為に最善を尽くす。

企業という実態の無いものから、個店、個人という事実へ目を向けた経営が、今確実に支持を受けて来ているのだろう。



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コメント

ふるたさん、コメントありがとうございます。
今回は「嘆き」のコメント(笑)ですね。
ふるたさんらしくないですよ。
叩かれても叩かれても、立ちあがれ!。
熱意は必ず通じますよ。

投稿: てっちゃん | 2012年3月26日 (月) 09時23分

いくつかのブログ記事をまとめてここでコメントしますね。

品揃え・地域密着なんかについていは、まったく書かれている通りだと思いますし、僕のブログで何度か書いている内容ともかなり合致してますね。
シニアシフトも言葉だけの問題で、地域のお客様という事をキーワードにしたら、地域密着ですからね。
スーパー業界ってカタカナ言葉が、好きですからね(笑)
コンサルタントさんの思うがままにされていると思いますよ。
自分の道は、自分で切り開いていかないといけないんですよね。
僕は、システムを中心に仕事しているけど、現場については、社内でも一番、見ていると思っています。
これもブログに何度もかいてますけど、現場にしか真実は、ないと思います。

社内で、声を大にして発言していても中々、理解されないし・・・
スポイルされてます(笑)

投稿: ふるた | 2012年3月25日 (日) 11時09分

おと~まんさん、コメントありがとうございます。
納得です。
しかし、毎日来られても困るだろうなぁ~とも(笑)。

投稿: てっちゃん | 2012年3月22日 (木) 06時48分

北野社長が仰ってましたね
「現場が好きなので毎日行ってます」。

うちの社長は月一の会議でしか見かけないなぁ~

現場と本部との距離って、そなんところから遠くなるんでしょうね。

投稿: おと~まん | 2012年3月22日 (木) 01時01分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
結構、多くの企業で節電の継続をしているようですね。
しかし、お客様から見たらやっぱり明るい方が選びやすいし買いやすい。
更に、夜のマーケットでの安心感もある。
しっかり商品を見やすい状態にしておくための照明設備であり、それを満たす為の照度だと思うのですが。

投稿: てっちゃん | 2012年3月21日 (水) 18時58分

時代につれて、人間は進化していく。
AIDMAの法則も1920年代には構築されているのに、100年近く経っても法則に基づいた販売が出来ていない。ましてや個店主体の戦略・品揃え、それに伴う店長の権限・・・お客様の支持を得る店になる道のりはまだまだ長そうです。
私の店は社会情勢に逆行して(笑)節電で他店が取り去った照明器具をもらい、店内を明るくしました。もちろん後方や・共用スペースの間引きはしていますが。節電の名目でお客様の売場を暗くするのが正しいのかは疑問ですし、他店をMRしても売場照明の暗さが気になります。
節電に名を借りた経費節減になっていないだろうか?商品を演出する為のスポットを経費節減の為に消す事がお客様の為=店の為になるのか。またまた本部との首をかけた(笑)戦いの始まりです(笑)

投稿: dadama | 2012年3月21日 (水) 09時44分

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