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2011年11月20日 (日)

巨大ディスカウントの動向

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


ある友人と会話していたら、大手スーパーのディスカウント
戦略に関しての話になった。

 「いま、最大手がディスカウント化していが、売上自体は
 昨比150%~200%で伸びているみたいよ。」

  「すごいねぇ~。今時そんな売上昨年比は聞いた事が
  無いねぇ~。」

 「しかし、粗利率も従来の24%前後から、12%前後に落
 ちた為、粗利額ではトントンのようだけどね。」

売上を2倍にして、粗利率が半分に下がり、トータル粗利額
で昨年比をなんとかクリアする。

この大胆な数値の変革が、今の最大手のディスカウント戦
略の現実だ。

それによって、圧倒的な集客力を武器に、周辺競合店を根こ
そぎ倒して、無競争状態を造り、徐々に自社の独占化を図る
ことが、未来の姿なのだろうか。

そうであれば、それに対して、どう自社の利益体質を強化し
ながら、ディスカウント対策を打ちたてていけるかが鍵だ。

 ディスカウント対策。

とは言っても、要は、同じ食品を売り、生鮮市場から仕入れ
同じ食材を売っていく事には、変わりは無い。

 但し、巨大が故に、徹底して進めていかなければ、その意
 図は統一されていかない。

ここ数カ月で、そんな巨大大手のディスカウント化をそこらか
かしこらで見続けてきた。

そして見えてきた事は、生鮮食材から他グロサリー売場まで
徹底された売場レイアウトと品揃えで商売をする最大手の姿
である。

生鮮の売場での特徴は、今一番の旬(一番美味しい商品)
を捨ててでも、一番安価な商品で勝負するという選択だ。

 “今一番の旬である、サンふじを捨ててでも、ジョナゴール
 ド、スターキング、王林で勝負するスタイル”

グロサリーなら、圧倒的なバイイングパワーで価格を打ち出
す事もできるのだろうが、これだけ仕入れルートや商品アイ
テムの多い生鮮食材を、圧倒的な価格で打ち出そうとする
と、どうしても捨てなくてはいけない領域を作らないと営業出
来ないのだろう。

そして、そのシワ寄せが、今最も売るべき「サンふじ」に及ん
でしまう。

 その選択に及んでしまうのが、最大手のディスカウント化の
 結論であり、そこを最大限に突いていくのが、周辺中小の
 生き残りの領域でもある。

それは、食の豊かさの領域でもあり、日本という国の特性と
して、今後とも「食の豊かさ」を求めていく方向は崩れないだ
ろう。

 市場を捉えて、旬を見極めて、今一番美味しいものを
 常に売場に提案し続けるという態度と技術。

周辺中小が、常にこの事を念頭に置いて日々の商売を追求
していけば、自ずとお客様は逃げてはいかない、という事実
は、まだ崩れていないと思われる。

 絞り込んだ領域で、価格で圧倒的な価格を打ち出す。

今最大手がディスカウントに当たり選択している商売とは、
結局この部分である。
それは、結局ニッチャーの選択であり、自ら生きる領域を狭
めているのだと思われる。

大きな器をこしらえ、巨大バイイングパワーを駆使して、ニッ
チャー戦略を採用して、マネジメントの徹底化を図る。

その領域に進もうとすればするほど、死に至る病に陥ってい
くのではないだろうか。

今現状は、従業員も好調な業績で活気づいているかもしれ
ないが、いずれそれも底をついていく。
そんな時に、何をよりどころとして従業員のモチベーションを
高め、人の成長力を維持していくのだろうか。

自ら選択した、「価値ある商品を提案してお客様の喜びを
得る」という、商売の本質を取り戻せるのだろうか?。

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