今年の極早生みかん
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先週の極早生みかん。
相場が一気に下落した。
5K箱で、1000円の価格。
以前のブログで、秋刀魚の量販期について記した。
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-4b31.html
年に一度、秋刀魚の売価が3桁から2桁に下がった瞬間
の仕掛け。
この瞬間に、年に最大の量販期が訪れる。
そして、みかんに関しても、同様の事が起きるのだった。
今週のみかんの実績で異常値を叩き出している同僚店
長がいた。
青果出身の彼に電話をして、その異常値の理由を尋ねた。
「お前ん所のお店が、何故こんな異常値を出しているん
だ?。」
「いやぁ~、バレてましたか。実は、今週が極早生みか
の価格が激安なんですよ。年に一度、必ずこんな場面
があるんです。バイヤー情報から限定数量と記載され
ていたもんだから、我先に250ケース取らせましたよ」
“えぇぇ~っ、250ケース!”
私には、考えられない数量だったが、秋刀魚の100ケー
ス同様に、普段の売れ数からは考えられない異常値な
発注数量が叩き出される訳だ。
それを、箱売りプラス、袋詰めしてお買い得感を出しなが
らしっかり利益も確保する。
多少の手間はかかるが、それによってみかんの昨年比
300%以上を叩き出す原動力となるのである。
その事によって、青果の売上では中位の店舗が、みかん
の売上だけはトップクラスの売上を記録してしまうのだ。
これだから、相場品の商売はやめられないのだ。
そして、それを機に、そのお店のみかんという商品に関し
てのお客様のロイヤリティーは決定する。
それ以降、みかんの商売を優位に進められるという事
だ。
なるほど。
それを知った私は、彼に言った。
「そういうお宝情報は、一人占めせずに皆で共有しな
ければならないだろう!。馬鹿モン!。」
「いやぁ~、別に隠していたわけじゃありませんが、
限りある数量であれば、とりあえず我先に数量の確
保だけはしようと思いまして。すみません。」
「いや、事後報告でいいから、52週MDの検証として、
情報共有しようじゃないか。それが青果の先輩社員と
して伝えていかなければならない技術だろう。なにも店
長になったからといって、部門の関わりを切ると言う事
ではないだろう。そういう目に見えない技術を次世代に
伝えていく事が、これからは大切になっていくんだ。」
「なるほど、分かりました。」
相場に応じて、ここぞの発注をし、中位店舗が上位店舗
を凌いでしまう。
そして、このような現場での暗黙知はたくさん存在する。
これぞ商売の醍醐味であり、それを競うことで更にレベ
ルを上げていく。
それが、企業としての上昇スパイラルだ。
上昇スパイラルの仕組みつくり。
この方程式を確立することが、上昇気流に軌道を乗せる
事が出来るかどうかの分かれ道なのだろう。
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