風評被害に立ち向かう①
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
原発事故以来の「放射能問題」。
そこからいろいろな問題が発生し、食に対する不安が広がっていった。
とりわけ農産物と家畜に対する人々の不安は大きい。
そして、その風評に対する我々小売業の商売も、大きく左右される事となる。
産地を変える、各種証明書を掲示する、低価格で訴求する等々。
それから8ヶ月が経過し、各社の取り組みやその姿勢が見えてきた。
先日、録画した「ガイアの夜明け」や「仕事の流儀」を見たが、その中で原発問題からの不評被害に対して、確固たる姿勢をもって臨んだ二人の小売業関係者の番組が放映されていたので、本日と明日に分けて紹介したい。
まずは、ガイアの夜明けから。
「野菜をどう選ぶか?」
特に原発事故以来不安の漂う、福島県産の農産物。
スーパーや生産者達の、風評被害に対する対応を追った番組だった。
その中で登場したのが、「杉本青果店」。
店主の杉本晃章さんは、野菜の目利きで有名なカリスマ八百屋だという。
北千住の青果商だが、この20年間で駅前に出店した大型商業施設(イトーヨーカドー?)の影響で、次々に閉店に追い込まれる青果商を尻目に、最後まで生き残
った青果商である。
そこでは、彼が40年間で70か所にも及ぶ産地巡りの末に選択した商品が所狭しと並ぶ。
その品揃えの基準は、料理用途別に、一番美味しく料理できる産地であり種類でありを品揃えしている。
地域のお客様も、彼の選択を信じ安心して商品を購入している姿が映し出される。
そこで、彼の福島県産の農産物に対する言葉が印象的だった。
「我々流通に携わっている者として、福島県産をよけちゃいけないと思う。我々がよけちゃったら、『やっぱり危ないから売らないんだ』とお客が思ってしまう。基準以下で安全なんだから。選ぶ選ばないは消費者の判断でも、我々はしっかり福島県産を売っていくべきだ」
まさに、ごもっともの言葉である。
しかし、それを言いきれるだけの自信が備わっているかと問われれば、私も自信は無い。
それは、個人商店で50年以上商売をしてきて、商品の目利きでは絶対の自信を持つ者のみが許される言葉なのだと思う。
そして、その彼の商売のスタンスに惚れて、彼の取り扱う商品に惚れて来店されるお客様が数多く存在するから言える言葉でもある。
“そんな存在になりたい”
素直に、そう思った。
そして思わず、番組で紹介されていた彼の著書
「あなたは本当に美味しい野菜を食べていますか?」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4812439930/tetu0358-22
をアマゾンで購入してしまった。
野菜の目利き。
まだまだ遅くは無い。
彼の目利きの一端を覗いてみたくなった。
場面の最後に、近所の小さなお子さんがミニトマトを買う姿を、にこやかに腕組みしながら見つめる杉本さんの姿が印象的だった。
“これがまさに、地域貢献なんだなぁ~
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コメント
おと~まんさん、コメントありがとうございます。
確かに、これ以上の内部被曝を避けたいという意識も分かりますね。
最後は、お客様の判断ですから、避けられても致し方ない事ですが、試食販売に対するクレームには心が折れてしまいますね。
そんな時ほど、いろいろな意味で、いろいろな場面で、店長としての姿勢が問われる時なのだと思います。
投稿: てっちゃん | 2011年11月16日 (水) 23時59分
こんばんは。
風評被害、
実は地元が一番敏感な反応をしているのかも知れません・・・
県産米も、新米が出たとたんにパッタリと動きが止まり、県外産にシフトしています。
もちろん放射性物質は検出されていません。
県産の新米(未検出なもの)を炊いて、試食販売を行った時も
「こんなこと止めて下さい」との悲しい御指摘もあったりで、パートさんの心が折れてしまった事もありました。
県外の皆様が一生懸命、福島産の商品を販売していてくれているのに、地元が・・・
これ以上の被爆(特に内部被曝)に対して
神経質になっている事は確かですね。
困ったものです・・・
投稿: おと~まん | 2011年11月16日 (水) 18時42分