売る仕組み、売れる仕組み
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
「店長のためのやさしいドラッガー講座。
この中で、意外だったフレーズがある。
「多くの企業が、マーケティングと称して自分達の商品やサービスをいかに売る
かを考えているが、それはマーケティングでは無い」。
“えっ!”
思わず、唸ってしまった。
“それじゃぁ~、いったい俺は、今までなにをやってきたんだぁ~”
本部の「作」を、店舗で「演ずる」。
演ずるとは、売り込むこと。
ずぅ~っと、そう思いこんできた。
そして、この本では、その事を否定している。
マーケティング。
それは、「売る仕組み」ではなく、「売れる仕組み」を確立をすることらしい。
私が店長として果たしてきた役割は、売る仕組みの確立だった。
本部が用意した商品と販売のフォーマットを利用し、私自身のオリジナルを
付加して、店舗内で売る仕組みを確立し、お客様に支持を受け、点数拡大を
図ってきたのだ。
しかし、ドラッガーの言う「マーケティング」とは、売れる仕組みの確立らしい。
売れる仕組み、とは?。
顧客を理解し、製品とサービスを顧客にあわせ、おのずから売れるようにし、
販売を不要にすること。
“なるほど!”
皆さんご存知の通り、基本的には店舗で品揃えを決定することは出来ない。
特にチェーンストアの場合は、役割が明確であり、その色分けが明確だ。
そう考えると、売れる仕組みを基本的に考えていくのは、商品部であり、
店舗は、あくまでも用意されたフォーマットを利用して売る仕組みを確立
するのが役割ではないか。
しかし、そうは言っても売れる仕組みが全て正しいかというとそうでも無く、
売る仕組みに則って数量計画しても、そのギャップに遭遇する場合も多い。
そんな時に、売る仕組みは有効に活かされるのだろう。
だが、売る仕組みよりも、売れる仕組み確立の利益貢献のほうがはるかに
大きく、利益貢献で考えると多大であり、より少な作業効率で売上・利益貢献
の発揮が期待される。
しかし、よくよく読み進めていくと、売れる仕組みとは、お客様からの視点で
考えた時に、より価値の高い商品やサービスの提供ということだから、その
事を積極的に訴えていく事が重要であるということだ。
「お客様は、何を求めているのだろうか?。」
「それは、いつ必要とされるのだろうか?。」
「いくらで販売すれば、喜ばれるのだろうか?。」
「どのように使われるのだろうか?。」
「同時に、何を購入されるのだろうか?。」
等々、お客様の視点でその単品を見た場合に、より便利に購入される
サービスを考えていく事が、マーケティングということらしい。
“なぁ~んだ、いつもやっていることじゃん”
しかし、それは本部の商品提案ありきで、その商品を前提にお客様にとって
の利便性を考えていくのが店舗の限界でもある。
本部提案以外の商品やサービスは、眼中には無い。
そして、そのギャップに遭遇した場合に、多くの在庫を抱え、「売る仕組み」を
引っ張り出して来て、売り切る仕組みを投入する。
“仕入れる者も、売る者も、もっとマーケティングを学ばねば駄目だなぁ~”
ドラッガーが、言いきる店長の最大の任務。
「マーケティング」と「イノベーション」。
永遠に、追求していかなければならない、課題なのだろう。
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コメント
ふるたさん、コメントありがとうございます。
「風が吹けば桶屋が儲かる。」
それを、どう予測し先手を打てるかで、小売の商売は決定すると思っています。
見えない未来を見透かす先見力の鍛練をする事が大切なのだと思います。
投稿: てっちゃん | 2011年6月18日 (土) 07時40分
おはようございます。
ほんまにてっちやんのブログって読んでいて楽しいし面白いよね。
僕は、マーケッティングっていうのは、『風が吹いたら桶屋が儲かる』をきちんと探っていくことなんだと考えています。
新しいマーケッティングは、桶屋が儲かるの先を考えることなんじゃないかと思ってます。
『風が吹いたら桶屋が儲かる』この言葉が、日本流のマーケッティングの根本なんじゃないかなと常々考えながらお客様の買い物動向を見ていますよ。
投稿: ふるた | 2011年6月17日 (金) 08時36分
てつろうさん、コメントありがとうございます。
考え方の違いなのでしょうが、今までの自分を否定されると、追求したくなるタチなんでしょうね。
同じ物なら、人よりも多く売ることに仕事の楽しさを追求してきた人生を、少し視点を変えてみなければならない岐路にたったような気がしています。
投稿: てっちゃん | 2011年6月16日 (木) 23時17分
ドラッガーにどっぷり浸かってしまいましたね。今後どのように活用されるのか楽しみにしております。
投稿: てつろう | 2011年6月16日 (木) 10時02分