男性パート②
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、ある男性パート希望の方と面接した。
以前にも、男性パートに関しては記してきた。
それは、若年層(20代)でありながらパート志望であった。
今回の面接相手は、60歳前後。
かって鮮魚の担当者として、いくつかの企業でチーフ職を歴任してきた方だ。
このような方が今後増えてくるのであれば、鮮魚の技術伝承と売場活性の為
に、うちの店で働いて頂いても良いと思っていた。
鮮魚の構造的な不振。
それは、いろいろな要因が重なり合って、この構造を招いていると思われる。
しかし、一言で言うと、「売場に商品に、暮らしを満足させる魅力が無くなった」
のが、大きな要因といえる。
そして、それを招いた一番の原因は、売場が加工化したことだ。
各企業が、生鮮の売価管理部門同様に、管理しやすいマネジメント型スタイル
になり、相場感度が薄れ、売場に変化が無くなり、それに応じて生魚の調理技
術、消費技術を持つ担当者が減少し、鮮魚部門の場に魅力が低下したためだ。
外部要因を持ち出したらきりが無いが、我々内部の要因を、まずはどう改善
していくかが当面の課題。
そう考えた時、目の前のような経験を持つ方は、貴重な存在だと思っている。
話をしてみると、実にさわやかな方だ。
如何にも、鮮魚部門という特性を持つ仕事場での経験が体に染みついていた。
この部門で真剣に仕事に取り組むと、ある意味「気風(きっぷ)の良い」性格が
板に付いてくるものだ。
それは、鮮度の良いうちに売り切る、という部門特性の賜物でもある。
そんな性格が、前面に出ている方だった。
「是非、うちでやって頂きたい。」
そう言って、その後の契約の詰めをおこなっていった。
そして、時給の段になって、彼の顔が曇った。
今の工場の仕事と比べても、下がってしまうと言う事だ。
彼としては、鮮魚部門で仕事をしたいと思っている。
包丁を握って、魚を調理したいと思っている。
しかし、彼のような存在に報いる企業側の制度が整備されていない。
鮮魚や精肉、その他部門で、販売技術を有した人材を処遇する賃金制度。
ここに切り込まない限りは、この問題(鮮魚の構造的改革)は進行しない事に
気づいた。
“この問題の、根は深いなぁ~”
チェーン化の為の基礎は、どの企業もそれなりに築いてきた。
しかし、そこから一歩も二歩も抜きん出る為には、プロの存在が必須だ。
仕入のプロ。
販売のプロ。
消費のプロ。
そのプロへの処遇制度。
それを整えなければ、プロになりたいという意欲も出てこないだろう。
皆が皆、ゼネラルマネージャーを目指すだけが能ではない。
その道のプロへの奨励も一方では大切な事である。
そしてそれは、ドラッガーが提唱する、「個人の強みの発揮」そのものでもある。
この問題に対して、どう切り込んでいくか?。
鮮魚の構造的不振から、どう抜け出すか?。
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コメント
ふるたさん、コメントありがとうございます。
本当に久しぶりです(笑)。
鮮魚に関しては、部門のくくりもも含めて考えていかないと、この問題は解決できないでしょう。
かって、練製品が鮮魚からデイリーに移管したように、今の鮮魚から移管してデイリーその他で管理販売したほうが良いカテゴリーを見つけ、鮮魚は惣菜同様に当日売り切り部門として割り切ったほうが、結果としてお客様の支持を得られるのでは、と思っています。
投稿: てっちゃん | 2011年6月12日 (日) 06時36分
おひさしぶりでした。
ほんとに効率とか生産性という言葉に踊らされて合理化したつもりでも、小売りの現場は、工場のような生産の現場じゃないですもんね。
相手は、いつもお客様ですからね。
そういう部分を忘れて、お客様のためといいながら、合理化・効率だけを追い求めていたのかもしれないですね。
投稿: ふるた | 2011年6月11日 (土) 17時34分
店長殿へ 文章がおかしくなっておりました。申し訳ございません。今後は良く見てから送ります。
投稿: てつろう | 2011年6月11日 (土) 11時30分
てつろうさん、コメントありがとうございます。
現状の給与から転職して給与が落ちる事を考えると、大きな決断だと思いますよ。
人それぞれの事情を、人がどう納得しやりがいを見出すかの問題ですが、実際に働いてみないと内情が分からない点も、二の足を踏む要因かな。
投稿: てっちゃん | 2011年6月11日 (土) 07時21分
私も以前スーパーで働いていた頃にパートで来られた方がけっこう腕のいい人でしたがその方は賃金については納得しておりましたけど。ようは働ける喜び度の問題ですかね。
投稿: てつろう | 2011年6月11日 (土) 06時44分