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2011年5月24日 (火)

特需

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


ある競合店の店長との会話から。

 被災地に近づくほど、高業績だと言う。
 遠くなるほど、業績が低迷しているとも言う。

  特需以外に考えられない。

 必要物資の需要拡大。
 食材以外の、衣料品、雑貨品、生活用品。

 生活を維持していく上で、どうしても必要な生活用品は、取り揃えなければなら
 ない。
 
  だから、食材以外の売上が一挙に高騰している。

 被災地に遠くなればなるほど、その特需も遠くなる。
 震災当初は、その特需も日本全国で広まっていたが、
 ここにきて、急速に終息してしまったようだ。

  そうして残ったのは、普段の売場。

 それも、生鮮各部の「相場安」という状況までも残している。

  青果物の急激な相場安。

 通常なら、相場安であれば点数拡大傾向になるものだが、一向に回復しない。
 逆に、デイリー、一般食品等の加工物の動向に傾いているようだ。

 一時は、内食傾向に進み、生鮮部門が好調の兆しを見せていたが、
 野菜の相場安と回転不足が同時に進行しているから、やっかいだ。

 そんな中でも、品揃えを絞らずワンストップショッピングを追求している店舗は
 比較的堅調だと言える。

  普段の食材の品揃えが豊富、品切れが無い、売場の提案に変化がある等。

 やはりそれが我々の商売の本質なのだろう。
 
  コストを考えると、絞り込みたがる。
  不安だから、早い段階で売切りたがる。
  更に、一度作った売場に固執したがる。 

 いつしか、品揃えが減少し、夜の売場がガラガラで、日々の変化がなくなる。

  売場としては、死に体だ。

 私は、品揃えの豊富さは、お客様の豊富さと比例すると思っている。

  品揃えが豊富であれば、いずれお客様が豊富に来店される。
  お客様が来店されれば、更に豊富な品揃えが可能になる。

 各部門が、このような循環で品揃えが強化されていく過程が、業績なのだ。

  業績とは、過程。

 過程が無くなり、結果のみの売場に至ったら、業績も止まる。

  この地球は、常に回っている。だから、
  常に変化し流れている。

  全ては、変化、流れている。

  四季も、気温も、一日も、お客様も、在庫も全てが流れている。

 その流れに合わせて、常に「手」を打ち続けることが、我々の仕事なのだ。

  止めたら、終わりだ。

 流れを止めず、手を打ち続ける。
 
  サーフィンの、波の上で、安定を楽しむ。

 それが、理想の姿だと思っている。

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コメント

AJSグループさん、コメントありがとうございます。
「本当に自分を磨き、トップの「思い」を具 現化したら勝ち店舗になれるはず。」
その通り。
しかし、後半のコメントが何を言わんとしているのか理解できませんでした。すみません。
今後とも、よろしくお願い致します。

投稿: てっちゃん | 2011年5月25日 (水) 00時07分

初めてコメントします。
AJSグループです。久しぶりに貴殿のブログをのぞかせてもらった率直な感想!
・・・・
本当に自分を磨き、トップの「思い」を具現化したら勝ち店舗になれるはず。
店長として、事業所の「長」として、何が大切なことかを考えたほうが良いのでは!
「野超え、山越え精神」をおしえこまされたはずでは・・・・

投稿: | 2011年5月24日 (火) 23時34分

てつろう和尚様(笑)、コメントありがとうございます。
先日は、お会いできてありがとうございます。
所詮、商売の基本は同じ。
人とのネットワークの延長が商品のネットワークなのだろうと思います。

投稿: てっちゃん | 2011年5月24日 (火) 08時45分

お客様がなぜ来店してくれるのか。青果部で働いていた頃、お客様にかける声、何気ないひと言がその人にとって心に残るものであればまた来店してくれるのだと思いました。また一休和尚的なお話しですいません。

投稿: てつろう | 2011年5月24日 (火) 06時44分

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