旬の先取り
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている、「てっちゃん」です。
旬の先取り。
この業界では当たり前の戦略。
しかし、最近思う事がある。
“本当に、旬の先取りが、良い事なのか?”
旬とは、その時期時期に出回る、季節の生鮮商材。
その時期時期に出回ると言う事は、その年々によって出回るタイミングがある。
それは、その年が微妙に時差が発生し、それによって味の変化も発生する。
そしてそれは、必ず「味」というその商材の本来の特性に影響を与える。
それを、出回る先手を打って、売場に取り入れ、お客様に販売する。
それが、本当にお客様の為になるのか?。
「初物」。
出始め、又は、その前に、その季節物を食する。
江戸っ子の心意気のような意味もあり、長生きするとの諺もあることから、
商売面でも、どこよりも先手を打って、果実やかつを等を売り込んできた。
しかし、
それが高じると、まだ「味」も乗ってこない果実などを、高い価格で販売しお客
様に不味い商品を購入させ、その商品の印象を悪くさせてしまう事もある。
更に、旬の先取りを負い続けると、本当に味が乗ってきた時期には、その商
品の販売を終了し、次期商材を量販しているというミスマッチの連続を生じさ
せていくことになる。
以前に、「スィーティー」に関して記した事があった。
終盤期を迎えた「スィーティー」が、酸が抜けて甘みが増し、量販してみたら
ヒットしたという記事だった。
その話をバイヤーに話したが、それを覚えていたバイヤーが、市場の担当者
に話をしたところ、この時期の「メロゴールド」が、終盤期を迎え非常に美味し
いとの情報を得た。
それじゃぁ~、と言う事で試しに店舗に送付してくれた。
私の店舗にも送り込んでくれたものを、チーフが目ざとく私に伝えてくれて、早
速試食をしてみたら、これがまた非常にジューシーで美味しかった。
「年間で、今が一番美味しい時期」
そんな手書きPOPを書き込んで、売り込んでみた。
当然、試食も実施して、1個250円の高額ながら特大サイズのメロゴールドを
販売したのだが、これが大ヒットとなった。
出始めの「初物」も大切だが、味が悪い。
お客様の「初物」に対するイメージが、そのようになってしまっているのか。
だからなおさら、本当に美味しい時期への期待が高まるのだろうか。
年間で、一番美味しい時期に旬の味を味わう。
その食材が、一番美味しい時期に、食し味わうことが本来の姿だとすれば、
その事に一番こだわらなければならないのは、我々食品スーパーだろう。
初物は、デパ地下に任せるとしても、一番美味しい時期に、適値で販売する
のが我々の使命である。
一個250円という高値であっても、年間で一番美味しい時期という「コト」わり
に反応するお客様は数多くいてくれた。
| 固定リンク
« 部下の強みを引き出す | トップページ | 記憶 »
「商売」カテゴリの記事
- 梅雨入り(2025.06.11)
- 6月商戦(2025.05.30)
- 客足を留める技術(2025.05.23)
- 商品回転を高める(2025.05.24)
- キャリアの積み上げ方(2025.05.22)
コメント
てつろうさん、コメントありがとうございます。
お客様に分かりやすく、見やすく、取りやすい等々の陳列技術はいくらでも語れるが、単品毎の一番美味しい食べ方等を語れる事こそが一番の販売技術なのだと思いますね。
投稿: てっちゃん | 2011年4月20日 (水) 18時40分
青果担当者は初物があまりあまり美味しくないと判断したらお客様には美味しくなる料理法を商品の横にコメントを添えておく事が大事ですね。担当者は物を売る事も大切ですが料理本をよく読んで簡単便利で美味しく食べる方法を覚えておく事がお客から愛される店員への近道。私の実体験から。
投稿: てつろう | 2011年4月20日 (水) 15時47分