おばあちゃんのクリスマス
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
毎年、ボージョレーの発売を機に、店内を「洋」のイメージに一新する。
それは、店内の飾り付けもそうだが、各部の売場企画も「洋」へ舵を切っていく。
そして、今年も、私なりの法則に沿って「洋」の商品と展開を強化していった。
それは、ボージョレーの販売を機に、「ビール」「焼酎」に合うおつまみやおかず
から、「ワイン」に合うおつまみやメニューへ切り替え、クリスマスへ突き進むこ
とである。
そうやって、クリスマスへの布石を打ち、クリスマスを成功させ、25日夜から
一気に「年末」へと店内がガラリと変えていくのだ。
しかし、「洋」のイメージ作りは順調に進んでいたが、商品の動向が思わしく無い。
“おやっ、なんか全然商品が動かないなぁ~”
“地域柄、この提案には無理があったかなぁ~”
私の店舗の客層は比較的高齢のお客様が多く、開店~午前中・日中のお客様
が多いが、夜以降の客数は伸びない。
それは、基礎商圏の客層とも連動している。
そして、開店当初から、「和」の商品群が圧倒的に強かった。
「伝説の売場」も、副店長が中心に作った売場だったが、私は彼に相談した。
「どうもこの売場の動きが良くないな。軌道修正をして、この売場のテーマを
変えようか?。」
「分かりました。どんな風にしますか?。」
「和のテーマがベターだろう。和のクリスマスのイメージで対象を絞ろう。
題して、『おばあちゃんのクリスマス』だ。」
クリスマスと言えば、女子と子供。そして、30代の核家族がど真ん中の対象者。
しかし、本当にその人たちだけがクリスマスで賑わうのだろうか?。
おじいちゃん、おばあちゃんだって、スィーツを食べ、御馳走に走るハズだ。
私の20数年の小売業の経験からも初めてのクリスマス企画だ。
これだけ、和の強い店舗だ。絶対にジャストフィットする企画があるはずだ。
展開スペースは、「伝説の売場」を含めて、その周辺の非冷地帯と真ん中の
冷ケースでの展開を予定している。
私は、グロサリーチーフに指示した。
「非冷地帯は俺が企画する。冷ケース内はお前が考えろ。」
本部企画の商品リストでは無く、店舗企画でゼロベースからの売場企画。
それは、自らの仮説からその軸に沿った商品を選定し、発注展開まで自らの
筋を通した売場作りが要求される。
しかし、彼は、むしろそれを楽しんでいるようにも見える。
そして、私の目論見は、そこにあった。
“ゼロベース”から、筋書きを組み立て、実行し、検証する。
それが、「考える力」を、大いに養うのだ。
そんな仕事の繰り返しが、「仮説・検証」力を養う。
そして、そんな経験を3年も積み重ねれば、他者とは雲泥の差となって現われ
てくる。
自分の部下には、どんどん、そんな経験をしてほしいものだ。
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