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2010年10月28日 (木)

商売の本質を考えさせられる

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日、ある友人から、一冊の本を貸していただいた。

 「売れ続ける理由」  佐藤啓二 著  (ダイヤモンド社)。

  宮城県の秋保(あきう)温泉に店舗を構える、「主婦の店 さいち」の経営者。
  「おはぎ」で圧倒的な支持を受け、そのノウハウを余すことなく公開している。

 以前、「カンブリア宮殿」でも放映されたミニスーパーである。
 その時は、ほんの数分の放映であり、その中身は詳細には報道されなかった。
 逆に、経営者の佐藤啓二氏の、「競合店は眼中に無い。」の言葉が気になった。

  “なんと傲慢な”

 そう思ってしまうほど、豪快に言い放つ割には、その裏側の報道が無かったの
 が残念だったが、今回友人から貸していただいた本には、その裏側がしっかり
 と記載されていた。

  そして、納得した。

 私は、大概、本を読む時は、「終わりに」とか「最後に」とかから読んでいく。
 この本の場合は、「エピローグ」だった。

  そして、そこに記されている内容を読み始めた途端に、「涙」が溢れてきた。
  
 「主婦の店 さいち」が誕生したきっかけは、商業界のゼミに参加した帰途
 のこと。

 その帰途の列車の中で、途方に暮れる佐藤氏に声をかけてきたのが、栃木
 県黒磯市に本拠を置く、「ダイユー」の当時の社長、大林勇氏。

 そこで、スーパーのいろはを教わり、「さいち」を開店にこぎ着かせた。
 私も噂ではこの事を聞いていたが、さいちの社長がこれほど、大林元社長を
 敬愛し、恩を感じていたとは思わなかった。

 残念ながら、「主婦の店 さいち」オープン時には、大林元社長は他界されて
 いたが、その「志」をしっかり受け継ぎ、今の繁栄に活かしてきたのだろう。
 
 この本には、商売の本質について、考えさせられることがたくさん多く記載
 されている。
 私が、心に残ったフレーズを、ランダムに記載してみた。

  「従業員に、心をこめてものを作る姿勢、そして心をこめてものを売る姿勢
  を教育することが、さいちの従業員教育なのです。」

  「お客様に、“おいしかった” と言われた時は、つくった従業員をお客様のとこ
  ろの連れていき、直接お客様にほめてもらいます。お客様の声は従業員の心
  、姿勢を育てる最大のものです。」

  「レシピというマニュアルを捨てた理由は、レシピがあるとレシピ通りにつくった
  から終わりになって、反省が生まれない。人は反省が無ければ成長しない。更
  に、レシピな無いから、人に口伝えで教えることで、教える方も更に成長する。」

  「人は、駄目な部分と良い部分が必ずある。ほめられると、その人の心が育っ
  ていく。そして、育った心がよりおいしいもの、本物を作ってくれるのです。」

  「採用のポイントは、挨拶と雑談。極端に言えば、返事の出来ない人は存在価
  値が無い。返事が出来なければ、その人に仕事を頼むことが出来ない。また
  雑談中にこちらの質問にパッ、と返事が来るかどうかも大切。」

  「従業員を正しく育てる前提は、幸せになってもらうこと。幸せでなければ、不平
  不満だらけで正しい仕事は出来ない。幸せになるにはどうするか、従業員は従
  業員で考えてもらうし、経営者は経営者でそのサポートの為に勉強する。」

  「機会ある毎に、個々に従業員をほめますが、一番利くのは“たのんだぞ”の一
  言。その一言だけで従業員は責任を持って取り組んでくれる。そして仕事に領
  域を広げてやれば、従業員は自分の力で勝手に伸びていってくれる。」

  「従業員を一対一で叱らない理由は、他人にも共有してほしい事と、叱った内
  容を誤解されないようにする為。

  「うちのスーパーでその人をお預かりした以上、その人には絶対に幸せになっ
  てもらわないと困る。そして、成果によって差がつかないと人間はダメになる。」

  「ほとんどの人が不思議がるのですが、問屋との信頼関係を大切にし、価格を
  値切らない方が結果的に利益が上がります。納得のいく商品を、おたくとの信
  頼関係でお願いします、と言うだけです。」

  「問屋さんも小売も共存共栄。こちらの姿勢がそのまま相手に映し出され、そ
  れが結局は自分に返ってくる。利益を先に考えなくても、利益は必ず後からつ
  いてくる。」

 等々、本当に心を揺さぶられる言葉が、散りばめられている。
 私も、いろいろな本を紹介してきたが、これだけ「引用」したのは初めて。
 それだけ、私の解説を抜いてでも、元本をそのまま伝えたかったのです。

  そして、私も久しぶりに、商売の本質を見直しました。


 「売れ続ける理由」  佐藤啓二 著。
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478013225/tetu0358-22




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コメント

KOZOさん、コメントありがとうございます。
売上は結果として後からついてくるもの。
その手前で、お客様が来店し、気持ちよく買い回りし、食べてみたいと思える商品がごろごろしているコトなんですね。

投稿: てっちゃん | 2010年10月29日 (金) 06時20分

偶然なんですが、昨日、過日放送のカンブリア宮殿を再度観たばっかりでした。あの、見事なおはぎの作り方には紙レシピはなかったんですね。早速、本もアマゾンにて購入しました。
 売上が落ちてくると、売上を上げよう、上げようと考えがちですが、お客様を喜ばそう、喜ばそうという発想に切り替えるのが最近大事なんだなと自問自答しています。

投稿: KOZO | 2010年10月28日 (木) 20時21分

ふるたさん、コメントありがとうございます。
皆さん、読まれていたんですね。
単店の成功事例ですので、店長として学ぶ部分は大きいですね。
商品部だって、主力商品をどうやって育てていくのかを見直すきっかけにあると思います。

投稿: てっちゃん | 2010年10月28日 (木) 07時30分

おはようございます。

全国のスーパーマーケットの社長を始めとして幹部社員の方達には、ぜひ、読んでもらいたい本ですね。

大きなチェーンになると書かれている事を実現するのは、なまはんかな事じゃないですね。

僕も取引先の利益が、会社の利益になる、社員の笑顔が、会社の明るさになるとは、感じています。

てっちゃんは、店長だからすぐにでも実践できますね。

儲ける・・・・信じる者、者信じると儲けにつながる、をまり人を信じる事だと聞きました。

投稿: ふるた | 2010年10月28日 (木) 06時59分

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