発表会から
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、息子の発表会に行ってきた。
小学校の頃から、楽器の習いごとをしているのだが、年に一度の発表会が
ある。
家で一度、発表会の予行演習をして、聴かせてくれた。
“いつの間に、こんなに表現力がついたのか?”
そう思えるほど、艶(つや)のある演奏をしてくれた。
単に、音譜を引くだけでなく、曲の意味を理解して表現する事を「歌う」と言う
らしい。
よく息子も、「歌う」という言葉を使うが、このことなのか?、と思った。
曲に合わせて、「強弱」を付けたり、アップスローを使い分けたり等々の技術と
表現。
“それにしても、いつの間に、こんな技術を身に付けたのか?”
習い始めの頃は、「ギーギー、ガーガー、」のイメージが強かった。
更に、中学校までも、「音程は合ってきたなぁ~」の程度だった。
しかし、発表会直近の演奏は、息子の「情熱」のようなものが伝わってきた。
“大人の演奏が出来るようになってきな”
音楽には疎い(うとい)私でも、その辺のところはわかるような演奏だった。
しかし、・ ・ ・ 。
練習嫌いは、相変わらずだ。
発表会一週間前でも、長時間の練習はしていなかった。
“なめて、かかっているな”
少し技術が上がったからと言って、まだまだ余裕を持てる年でも無い。
のぼせ上っているとしか言えないような練習態度も出てきた。
私は、息子に言った。
「それで、演奏会は大丈夫なのか?。」
「大丈夫!、自分なりにやっているよ。」
“甘いな!”
それに対して、私は黙っていた。
“失敗という経験をするしか無いだろう”
発表会当日。
息子の演奏は順調に進んでいった。
艶のある「歌」を歌いながら、演奏を進めていった、と思っていた。
しかし、・ ・ ・ 。
演奏が佳境に入ったその瞬間。
息子の動きが「固まって」しまった。
“何が起きたのか?”
手も体も動かない。
完全に固まってしまっている。
表情が歪んでいる。
“どうした?”
ほんの数秒の出来事だが、本人も、聞いている者も「永遠の長さ」だった。
そこで、ピアノ伴奏者が、気を利かして、次のフレーズから導いてくれた。
ようやく、息子も我に返ったのか、気を取り直して次のフレーズから引き出した。
演奏会や本番では、絶対に有り得ない失敗だ。
基本を甘く見た、「結果」だった。
息子は、相当のショックだったのだろう。
帰路は塞ぎこんでいた。
私は、彼に言った。
「本番とは、普段の練習の延長。お父さんは当然の結果だと思う。まだまだ
普段の練習が甘いのだろう。お父さんが外から見ていてもそう感じるよ。」
「やっぱりそうか。わかった。」
私も、その年頃は、何もわからなかった。
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コメント
スーパー大好きママさん、コメントありがとうございます。
ガンガン口げんかした事もありましたが、最近は自主性を大切にしようと思っています。
そして、自分の責任で失敗を克服していかないと成長しないのかなと思うようになりました。
いずれにしても、テクニックとスピリットは車の両輪で、どちらもバランス良く進化していかないと、人間として大きくなれないと思います。
だから私は、徹底して息子のスピリットを刺激していきたいと思っています。
投稿: てっちゃん | 2010年10月 3日 (日) 21時54分
こんにちは。
息子さんの成長が眩しいですね。
高校生までずっと続けているだけでもすごいと思いますが、きちんとお父さんの言葉を素直に聞くことができることに感心します。
伝えるにも時を選んでいらっしゃるんですね。
「本番とは、普段の練習の延長」
高校入試を半年後に控えてもまだ現実が見えていない息子に、時を選んで伝えてみたいと思います。
次の発表会が楽しみですね。
私もそんな息子の母になりたい。
投稿: スーパー大好きママ | 2010年10月 3日 (日) 12時16分