EDLP業態転換の行方
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
競合企業が、一部店舗を「EDLP業態」に転換して数週間。
どのような店舗展開をし、どのような状況(数値面)で推移しているのだろうか。
実際に目にした売場は、生鮮を若干縮小し、コンコースを拡大させ、青果
グロサリーの平面でスペースを確保し、鮮魚・精肉を縮小させた。
そして、スペース拡大した「青果」「「グロサリー」「惣菜」でEDLPや価格訴求を
強調した売場展開をしている。
“この程度か、中途半端だなぁ~”
そんな印象だった。
上記部門以外は、それほどの安さ感は打ち出されていない。
それが、中途半端感を募らせる一因でもある。
また、青果、グロサリーの展開も、平面を利用し一様な展開であり、変化が
無い。
実際には安価は売価も、安さ感に繋がっていないようだ。
“スーパーのど真ん中を追求してきた企業文化を変えるのは難しいなぁ~”
その企業の企業文化があって、店舗フォーマットが決まり、各部役割が決まる。
その一連の流れの蓄積が、従業員の体に染みつき刷り込まれ、店舗運営が
コスト運営されていく。
そのような従来の「パラダイム」を払拭しない限り、業態転換には対応できない。
そして、今回のこの企業の業態展開を見ていると、このパラダイムの転換とは
そう簡単な事では無いということが、伝わってくる。
どうしても従来の常識が邪魔をして、お客様に伝わる業態転換に繋がらない。
「業態を転換する」、と言う事は、単に店舗展開を転換するだけでは済まない。
店舗を変える事に付随して、仕入れを変え、レイアウトを変え、品揃えを変え、
オペレーションを変え、作業シフトを変え、媒体を変えていかなければならない。
そこに、従来のインフラを活用しようという「スケベ根性」が出てくれば、
中途半端にならざるを得ないだろう。
現場の担当者の苦悩は、まさに、そこに集約される。
そして、数値面はどうか?。
改装後の予算は、昨年比200%で組まれていると言う。
“いくらんなんでも、それは無理だろう!”
そう思える予算をもらっているらしい。
“この程度の改装で、200%はどう見ても伸びないだろう”
売上昨年比が200%伸びる、と言う事は、
客数が2倍になるか、単価が2倍になるか、
それとも、客数・単価とも1.5倍になるか。
しかし、安く売ると言う事は、点数単価が下がるから、点数2倍が必須。
1.5倍のお客様が、2倍の点数でレジに並べば、従来の2倍のチェッカー
が必要になる。
おそらく、その構図には対応していないだろう。
それだけでも、従来のパラダイムは通じないことがわかる。
おそらく、現状は客数1.2倍で、点数1.2倍、点数単価90%で、
売上昨比120%というのが実態だろう。
そして、残った利益は?。
結果として、我々スーパー業態がEDLP業態へ転換して、なかなか継続出来
ず、年々縮小均衡に陥っていくのではないか。
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コメント
hermesさん、コメントありがとうございます。
ここ数年の不況と競合激化から、チラシ合戦が盛りあがり価格破壊の嵐。
しかし、その状況が続き、その結果何が見えてきたか?。
それは単なる粗利のダウン。
そして失ったものは、売場自体の魅力。
それに気がついた企業が増えてきているのだと思います。
何が起こっても、「近い」事が、お客様の来店動機のナンバーワン。
私のお店のお客様に近づく事が何よりの競合対策だという、従来の原理原則は普遍なのだと思います。
今後とも、よろしくお願い致します。
コメント待ってます。
投稿: てっちゃん | 2010年10月 9日 (土) 07時25分
おひさしぶりです。なかなか、コメントできませんでしたが、毎日拝見させていただいております。
今回話題に上がったEDLP戦略は難しい面があると思いますが、今のスーパー業態のチラシ合戦を垣間見ると、考えさせられる点は多々あると思います。
弊社は、ディスカウント業態ですのでスーパーのようにチラシをあまり打たないのですが、景気低迷による売上げ低下の恐怖から、月に1度のチラシを3度に増やし、掲載商品も季節商品や新製品のご案内から、NB商品の価格訴求商材へとシフトしました。
しかし、ここ1年ぐらいそのようなチラシを撒いてどうだったか?
たしかにチラシ配布時の売上げは上がりました。以前撒いていたようなチラシよりも、売上げは2割弱は伸びたでしょうか。
しかし、チラシ期間が終わった後の売上げの落ち込みが非常に激しくなりました。
今では、チラシ期間中と平時における売上げや来店客数が2~3割も開き、売上げを月平均に換算すると、チラシをあまり配布していなかった以前と変わらないのです。また、粗利率は2~3%も落ちてしまいました。
チラシを撒いて、忙しい思いをして、売上げが上がったあがったと喜んでいても、ふたを開けたら利益は落ちているし、結果的には売上げも月平均したら伸びていないで、散々でした。
そのような結果のため会議において、今月より以前のような一応「EDLP」もどきのような戦略をとるよう指示を出しました。
一度壊した状況を元に戻し、以前のようにお客様を呼び戻すのは難しいとは思いますが、以下の理由から決断した次第です。
決断した理由は、「チラシのときにだけ価格を下げることにより、チラシ期間中以外にお店に行くと損をするというような、お客様の不振を招く」「無駄なロスを出す」「無駄な作業が多くなる」等の理由です。
たしかにEDLP実践は難しい面がありますが、やり方次第では長い目で見ればお店にとっても、お客様にとっても、良い面があるように思えます。
事例で言えば「成城石井」がEDLPの戦略をうまく実践しているように思えるのですがどうでしょうか。
取りとめも無い話を長々としましたが、私もEDLPに対しては切実な問題を抱えていますので、コメントさせていただきました。
これからも有益な話題、情報を楽しみにしています。また、コメントさせていただきます。
投稿: hermes | 2010年10月 9日 (土) 00時17分
ふるたさんへ。
その時は、よろしくお願い致します。
投稿: てっちゃん | 2010年10月 8日 (金) 22時34分
やっぱり、てっちゃんが、来るんやね・・
出たーコムさんから、僕と交流のある店長さんが、お見えになるとメールが、きていたので、もしかしたらと思っていました。
その時は、よろしくお願いしますね。
基本的には、自働発注の概要の話しにしたいとは、思ってますけどね。
投稿: ふるた | 2010年10月 8日 (金) 20時32分
ふるたさん、コメントありがとうございます。
他業態への転換というのは本当に難しいと思いますよ。
結局は、いろいろトライするよりは、ど真ん中を更に追求した方が、近道なのではないかと思っています。
ちなみに、ふるたさんのプレゼンも楽しみですね。
投稿: てっちゃん | 2010年10月 8日 (金) 20時24分
おひさしぶりです。
てっちゃのブログには、いつも勉強させてもらっています。
たしかにEDLPに業態を変化させても、先行きの不安なお店って多く見かけますよね。
根本的に、コンセプトが、まちがっているんじゃないかなと思いますね。
今までの既存のやり方のままで、売価を下げたって感じしか受けないですからね。
なかなか、難しいものですね。
投稿: ふるた | 2010年10月 8日 (金) 18時00分