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2010年9月 2日 (木)

卒業証書Ⅲ

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


「卒業証書」。

 私のお店から異動していく部下への、店舗からの贈り物。
 それは、異動者を送り出す私の流儀でもあった。

 新たな店舗で異動して、半年間、その流儀は封印していた。
 それは、まだその儀式を行うだけの信頼関係が持てていなかったから。

  卒業証書。

 私のお店を卒業し、店舗異動する事に対しての、証書。
 しかし、メインは、そこに寄せられる「手書きのメッセージ」。
 それがいつしか、思い出になるような皆の寄せ書きになり、
 メモリアルな写真や似顔絵等も織り交ぜられた「芸術」に仕上がる。

  そこまで仕上がる「物」になるには、その意味や主旨と参加意識など、
  店舗がひとつになれるチーム意識が不可欠だ。

 今回、3名の店舗異動者や退職者が発生する。

  “そろそろ、卒業証書を取り入れるか?”

 辞令発表から間もなく、私は「卒業証書」用の用紙を購入し、
 主旨を説明して、各部門の代表者に渡した。

 以前の店舗で経験のある部下も多く、浸透はしやすいが、問題はパートさんだ。
 その主旨に賛同して、いっしょに卒業証書の授与式を共有してくれるだろうか。

  3人の卒業証書授与式に要する時間は、15分。

 たかが15分だが、店舗従業員全員を集めて15分の時間を取るということに
 は、多大なコストを要する。

  どのタイミングで、その時間を取るか。

 どうせやるなら、初回は派手にパートさんにもメモリアルな形で進行したい。

  “全体棚卸後に、店舗全員でやるか”

 仕上がった「卒業証書」も上々で、レジ部門などは「流石女性の感度」を感じさ
 せるかわいらしさだ。

 それを、個人個人に別個に渡したのであれば、本人はそれなりに嬉しいだろう
 が、その瞬間にその個人の感動で終始してしまう。

  感動を個人で終始させるのか、全員で共有し最高の感動を引き出すのか。

 私は、それもリーダーの仕事だと思っている。

 皆の協力と段取りの良さで、予定時間より早めに終了した「棚卸」の後に、
 私は店内放送で、全員がレジ前に就業するようにアナウンスした。

  “凄い人数だなぁ~”

 普段の朝礼では、朝の時間帯の従業員だけの参加になるが、
 今回は、本当に全従業員に近い人員の参加となる為、普段の朝礼の
 ほぼ倍の人数が一堂に会した。

 そんな中で、私は今回の人事異動であり退職者を紹介し、卒業証書を授与し、
 一人一人の挨拶を頂いた。

 笑いあり、涙あり、でその後も店舗異動者や退職者を中心に、対象部門のメン
 バーは最後の別れを惜しんでいた。

 私は、いつも悩む。

  “皆を集めて、この時間を使う事が、本当にいい事なのか?”

 しかし、いつも後で想う。

  “やっぱり、やって良かった”

 必ずその後に、組織強化が図られたという感覚が強まる。
 そうして、私と言う人間が、従業員に少しずつ理解されていくのだろうと思う。

 

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