ノーチラシ戦略
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
いよいよ競合店でも、EDLPの領域へ足を踏み入れていくという。
直接私がぶつかる店舗ではないが、至近距離に競合店が出店する店舗で
実験的にEDLP業態へ転換していくらしい。
当面の一カ月程度は、業態転換の為の告知チラシを入れ、その後は、ノーチラ
シで店舗運営をしていくという。
“本気なのだろうか”
思わず、疑ってしまうような内容だ。
今まで、このような転換をして企業は多い。
しかし、どこ一つとっても、継続したためしが無い。
一度は試してみるものの、極端な集客の低迷に、チラシを復活してしまう。
それだけ、チラシにかけるコストを価格に反映させて商売をしていこうとする
動きや理論は理解できるが、事実お客様の行動は、その理論を通り越した
先に走ってしまう。
“ここまで客数が減少するのか?”
そう驚嘆して、チラシを復活せざるを得ない状況に追い込まれるのだろう。
もともと、スーパーマーケットとは、
「ワンストップショッピング」を原則目的として、出現。
「粗利ミックス」を前提として、ハイ&ローで集客戦略。
「チェーンストア化」の為に短期集中型の人材育成。
そのようなパッケージで成長し、内部強化をしてきた歴史がある。
だから基本的に、そのパッケージでの組織化には強いものがある。
しかし、
EDLPを基本戦略とする、新パッケージには対応できない。
対応出来ないというより、システムが確立できていない。
だから、利益を創出していくビジネスモデルにならない。
思考錯誤しながら、結局は、どの企業もこのモデル作りに失敗してきた。
結局は、スーパーの延長では成功しないと言う事。
それを、当然理解していながら、敢えてそこに切り込んでいくという判断。
私は、それも含めて企業としての「挑戦」と受け止めている。
だから、侮れない相手。
組織の強さには、いろいろな要因がある。
理念、方向性がブレず、組織員のDNAが受け継がれていく強さ。
新しい分野に切り込んで、新発見があり、変化対応力のある強さ。
そして、組織にはどちらの要素も大切であり、お互いにメリットデメリットがある。
この企業は、新業態へ敢えて挑戦し、組織の幅を模索しようとしている。
新業態で成功しようが失敗しようが、それはどうでもいい事。
挑戦し、何かを掴んで、今の強みに活かしていく事が、脅威である。
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コメント
KOZOさん、なるほど、ありがとうございます。
プロセスも良くわかりました。
結局は、競合出店に際しても、不動のお客様がしっかり根付いていると言う事ですね。
そして、大切なのは、曜日毎にしっかり定例販促がお客様に認知されたということが大切なんですね。
投稿: てっちゃん | 2010年9月11日 (土) 07時15分
2年半前にチラシをやめた経緯です。
まず、チラシに価格と商品を載せるのをやめました。チラシにはあいさつ文(そのときそのときの催事の案内のみ)簡単にいえばパチンコ屋のチラシと同じです。
>当面の一カ月程度は、業態転換の為の告知チラシを入れ
とはちょっと違います。
チラシは価格だけを比較すればもろ刃の剣です。あたりまえのことですが、競合店より安ければ良し、しかし、そうでなければ高いことを宣伝してしまうことにもなります。それよりも、お客様に読んでもらえるようなことを書くようになりました。これは、商業界でチラシはお客様へのラブレターというのを学んでからです。
その後価格なしのチラシでも客数の減がほぼなくなってから、折り込みチラシをやめました。
あとは定例販促の強化です。この日は何がお買い得かをお客様に覚えてもらえるようにしました。
根気はいりますが、最近ではT社オープン後も弊社が一番回復が早かったようです。
投稿: | 2010年9月10日 (金) 20時23分