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2010年9月20日 (月)

足利エリアMR⑤

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


いつの間にか、足利エリアがとんでも無い事になっていた。

 8月初旬に改装した「M社」の政策が更に「EDLP」に特化して、基本的にチラシ
 を廃止し、そのかわり「きゃべつ58円」「大根58円」「きゅうり19円」等の異常値
 売価を毎日継続して実施しているという。

 この高値の現状でも継続できるのは、その欠損分を全社で分配し、局地戦を
 戦うという企業戦略ゆえの対策だ。

  “なぜ、ここまでして、価格に走るのか?”

  “その結果として、その政策は現状、お客様にどう評価されているのか”

 それが見たくて、足利エリアMRを急遽断行?した。
 そして、私は、あ然とした。

  周辺競合店が、それらの売価に追随しているではないか。

   「きゃべつ58円」「大根58円」「きゅうり19円」。

  きゃべつ、大根など、1個売って100円の欠損が出てもなお、追随していく商売。

  足利エリアがとんでも無い事になっていた。
   *更にとんでも無いエリアが、私の知らない地域で、あるのかもしれないが。

まずは、EDLPを率先した「M社」。

 先般の業績不振から、従来の価格訴求型店舗政策を更に推し進め、月二回の
 チラシは、基本的に、毎日継続しているEDLP商品の紹介のみのチラシに切り替
 え、店頭に張り出されたEDLP商品を中心に、ノーチラシで価格訴求を日々企画
 し、集客を図り、業績を改善させていく手法。

 当然、EDLP商品を隠して売るわけにもいかず、野菜の平台サイドは、いずれも
 EDLPの「キャベツ58円」「大根58円」「きゅうり19円」をダイナミックに展開。

  “以外に、集客はしていないなぁ~”

 昼過ぎのMRでもあったのだろうが、レジ解放も3台程度と、思ったほどの賑わい
 でもない。

  業績不振で、更にEDLPを推し進める。

 一年後に、更に不振に陥いったら、どうするのか?。
 当然、更に価格に走るのだろう。

  この企業は、その先に、何を見ているのだろうか。
  その事を通して、何を学び、得ようとしているのか。

 従来からの、商品化や陳列技術、レイアウト戦略などは、何も進化していない
 と思われるのだが。

次に、「T社」。

 北関東のリージョナルチェーンの「T社」。
 この店舗は古く、店舗規模も小さいが、基本レベルは低くない。
 本部主導で、あるべき売場造りをきっちり実践し、周辺のお客様に喜ばれる
 存在として活躍していると思われる。

  しかし、やはり隣の「M社」のEDLPに対応しない訳にはいかないのだろうか。
  「きゃべつ58円」「レタス98円」「きゅうり19円」で合わせていた。

 R50を挟んで隣同士の立地では、いたしかた無いのだろうか。
 昨今、価格に敏感になっている同社が、機敏に反応したのだろうと思われる。

更に「Y社」。

 東北のリージョナルチェーンである「Y社」。
 入口を入ると、通常、晩の市で使用するパネルに、
 「毎日、この価格」と明記された商品リストを見ると、なんと!

  「キャベツ58円」「大根58円」「きゅうり19円」「レタス98円」「長ねぎ98円」等。

 野菜は、「M社」に合せるどころか、更に上を行っている。

  “Y社が、ここまでやるかぁ~”

 もはや、店舗同士の戦いというより、企業同士の「意地のぶつかり合い」という
 様相を呈している。

そして、「A社」。

 この日は「割引祭」と称して、当日限りの号外にて集客していた。

  “ここぞの、この企業の底力は、凄いなぁ~”

 特に、青果の展開力は、底力を持っている。
 果実の展開など、売り方を知っている。

 それにしても、普段との違いも大きい。
 店舗規模から、地域のデパートとしての位置づけもあるのだろうが、
 一端普段に戻ると、この地域での競合状況が、お客様を分散させ、チラシに
 対応させ、価格競争を激化させる。

 その渦に巻き込まれてしまったとたんに、なかなか力が発揮できなくなる。
 継続的に、こんなチラシを配布し、集まったお客様に、自力を見せる。
 そうしていかなければ、宝の持ち腐れになってしまうのだろう。

最後は、「T社」。

 この競合価格の中、唯一、マイペースを貫いていた。
 マイペースと言っても、何も手つかずで行動していない、という意味では無い。

  売場に関しては、ピカイチ。一番完成度が高い。

 しかし、隣の「A社」のチラシや、周辺地域の価格競争もあるのだろう。
 この日は、集客に乏しかった。

 価格も、合わせていない。
 売場や商品の価値を追求しよう、とする意志が伝わってくる。
 そして、生鮮を中心にした商品化や、売場メンテナンス、陳列技術も含めて、
 地域で一番だろう。

いつの間にか、大変な事になっていた「足利エリア」。

 このエリアは、この先、どこへ向かうのか?。


PS
 足利エリア⑤の写真を載せました。どうぞ。
 http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/photos/asikagamrgo/




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コメント

通りすがりさん、コメントありがとうございます。
各社とも、ここで勝つ抜くという技術を磨いているような気配ですね。
そう言う意味では、企業の資源をここに集中させているとも思えます。
今後が楽しみでもありますが、当事者を辛いでしょうね。

投稿: てっちゃん | 2010年9月24日 (金) 10時07分

てっちゃん先生、お仕事お疲れ様です!

足利地区は、もはや激戦区を通り越し絶滅地区ですね?いったい何社が生き残れるのか??

いや、生き残れない気がします…

私の友人も足利地区で働いていますが、毎日出勤している状況です。気を抜いたとたんに競合において行かれるからと思います。

投稿: 通りすがり | 2010年9月23日 (木) 13時00分

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