マニュアル
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
マニュアルとは、何だろう?。
現場で働いていると、マニュアルに縛られている担当者が多い。
そして、そのマニュアルという「呪縛」を取り外してやるのも、店長の仕事を思えて
しまう事が良くある。
しかし、私は、「マニュアル」自体を否定はしない。
企業として、基準を設定して、スタンダードレベルを保つ為には、皆がわかりやす
い言葉で明記されたマニュアルは、是非とも必要だからだ。
そして、これは、体に染み込むまで有無を言わさず、摺りこむ必要がある。
そして、その前提に立って、2年目以降は、現場の現状に合わせて修正を加え
る作業が、永遠に続いていくのだ。
先日、あるチーフから言われた。
「いやぁ~店長、お客様用の段ボールをたたまないで、そのまま置いているの
ですが、持っていっても持っていっても、すぐ無くなってしまいますね。店長の言
う通りでした。マニュアルって、何なんですかね?。」
かって、そのチーフに言ったことがある。
「お客様用の段ボールを、折りたたまないで箱のままお客様用段ボール置き場
に置いてほしい。」
軽い気持ちで言ったのだが、彼の回答は、
「いや、段ボールを折りたたんでバックヤードに収納するというのがマニュアル
で決まっているのです。それを崩すと、仕事の導線が崩れてしまうのです。」
「でも、いちいちたたまなくていいわけだから、作業性は軽減されるだろう。」
「いやぁ~、そのぉ~、マニュアルでぇ~、」。
「お客様の利便性の為だ。マニュアル違反でいいから、やるんだぁー!。」
そんな経緯があった。
その後、折りたたまない段ボールは、お客様にとっても便利で、置いても置い
てもお客様が持ちかえってくれる。
それを見て、例のチーフが私に言ったのが、先ほどの会話だ。
私は、それに対して応えた。
「マニュアルは概ね、本部が一括して造るものだ。そしてそれも商品部が中心
になって、縦割りの発想で造るもの。その本質は作業効率を最優先させたも
のになる。しかし、ここは現場であり、お客様という最優先させなければならな
現実を前に、店舗運営しなければならない。そこが最大にポイントだ。」
「マニュアルを基準としながらも、その現場で最優先のお客様に合わせて修
正されるべきものだ。そしてその判断は店長以外出来ないだろう。それを一
つ一つ考えて微調整していく為に、店長は存在するのだ。」
「だから、マニュアルは企業の方向性と行動を決める大切な基準だが、それで
従業員を縛る事が目的では無く、その基準を土台にして思慮を深める一つの
道具だと思え。」
「更に言うと、このエリアもいずれは、レジ袋の有料化に踏み切らざるを得ない
だろう。その時に無料の段ボールが積み上げられている仕組みと、お客様の
認識を高めておく為に、段ボールを置かせたのだ。」
それを聞いたチーフは、驚いて聞き返した。
「そこまで考えていたのですか?。奥が深かったんですね。以前はマニュアル
にこだわりすぎて済みませんでした。」
よりお客様に近づこうとすれば、マニュアルにぶつかる。
マニュアルを、絶対的な神として縛られるのか、
マニュアルを、一つの道具として使いこなすか。
現場で直面する、以外に大きな壁なのだ。
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