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2010年7月29日 (木)

丑の日顛末

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


いろいろな好条件が重なり、好調に推移した「土用丑の日」。

 月曜の丑の日であり、前日の日曜から最大ピークの売場を展開したのも、
 翌日の丑の日当日の爆発につながったとも思える。

  “前日の日曜に購入されたお客様が多く、今日は萎んでしまうのでは?”

 そんな不安は、大いにあった。

  事前に、丑の日の販売計画を詰め、日~月で最大ピークの売場は確認して
  いた。

  前日から、平台3台使用して、果たして「やり過ぎ」ではないか、との不安も
  あった。

  結果としては、その事で、翌日の購買意欲につながったとも言える。

 土曜日から、うなぎの売場は、派手派手の媒体物を取り付け、手書きPOPも
 「本日は、1年で一番美味しいうなぎを食する日でもございます。」等の能書き
 を書き込んで、取り付けた。

  “この日ぐらいは、本当に美味しいうなぎを食べていただきたい”
  そんな前提が、後になって活きてきたのだが。

 昨年の丑の日は、当店のオープニングセールでもあり、日曜の丑の日の特売
 価格も強烈で、うなぎだけで100万の売上を記録していた。

  “月曜日の今年は、昨年クリアは、まず無理だろうなぁ~”

 事前の予測は、そんな風に思っていたが、「ドラマ」は起きた。

  “最近、私の周囲には、こんなドラマが多いのだが”


 私はいつも、丑の日当日には、他部門(特に精肉、ベーカリー、レジ)から、
 うなぎの試食要員を援助に入れる事にしている。

 試食で、国産の美味しいうなぎを味わう事で、購買意欲には雲泥の差が出る。
 特に、単価1000円以上の単品の動向に直結するわけだから、店長としては
 当然の仕事だと思っている。

 今年は、鮮魚チーフからの要請で、日~月で試食要員を支援した。
 そして、日曜日の試食要員のコメントを聞いて、何かが稲妻のように走った。

  「店長、国産のうなぎと新仔(しんこ)うなぎを食べ比べたお客様は、ほとんど
   が新仔うなぎを購入していくんです。」

 “前日の今日で、この動向だったら、明日本番は、更に新仔に加速するぞ”

 そして翌日、鮮魚チーフと会話した。

  「昨日の動向から、新仔うなぎをトップ平台で展開したほうが、更に売上に
  繋がると思うんだが、在庫状況はどうだ。」

   「どちらも、売るほど在庫は有り余っていますよ。どちらをトップに持ってき
   ても、大丈夫です。」

  「主力で考えていた国産うなぎの在庫は大丈夫か?。」

   「そちらは、後でも売れますから大丈夫です。新仔を前面にもっていきま
   しょう。」

  決まった。そして、即売場を入替え、新仔うなぎをメイン平台で販売した。

 新仔うなぎ。

  パンフレットには、育成期間が1年未満で出荷されるため、クセが少なく、
  身が柔らかく、骨っぽくも無い、と記載されている。

  試食は、新仔うなぎと、メインの国産うなぎ。
  そして、それを食べ比べたお客様は、ほとんどが「新仔うなぎ」を購入していく。

 今日うなぎを買いに来たお客様の、第一声は、

  “どのうなぎが、美味しいの?”

 誰も、“どれがお得なの?” とは、聞かない。
 
 それから、うなぎの売上が加速度的に伸びてきた。
 そして私は、競合各社の売場をMRに出た。

  “あれだけ、新仔うなぎをメインで売り込んでいるのは、当店だけだな”

 以外にも、競合他社は、従来の国産うなぎが相変わらずメインであり、
 当店のように、新仔うなぎを思い切って主力販売しているお店は無かった。

  携帯でチーフに状況を聞いたら、新仔うなぎが底をついてきたらしい。
  担当者が他店舗に、1ケースだけもらいに行ったらしいが、そんな数量
  では、焼け石に水だ。

 こんな時は、直接バイヤーへ追加だ。
 
  現在、午後2時。
  ここから先は、時間との戦いだ。

  携帯に出たバイヤーの第一声は、「うなぎの追加ですか?。」
  私は言った。「そうだ、新仔うなぎを追加したい。1甲ほしい。」

  「1甲で間にあいますか?。2甲ぐらい入れた方がいいんじゃないですか?」
   「2甲で、いくら分になる?。」
  「160枚ですから、約20万です。」

 私は一瞬躊躇したが、「じゃぁ~、2甲だ。どこだ、市場か、取りに行くよ。」
  「いや、業者が近くにあるんで、運ばせますよ。」
   「ありがとう。」

 そして、近くにあった「ラーメン屋」(天下一品)で、こってりとんこつを胃に流し
 込み、店舗へ戻った。

  店舗へ戻る途中、雲行きが怪しくなってきた。と思ったら、雷雨だ。
  ここ1週間ほど、同じような天候で、必ず午後6時から雷雨が襲っていた。

   “今日は、早いな。これからずっと雷雨だったら、今日はアウトだろうが”

 店舗に戻った時には、新仔うなぎは、“風前の灯”状態だったが、同時に追加
 分が納品され、間一髪で売場ボリュームは維持できた。

  平日の丑の日は、午後4時からが本当の勝負。

 売場は、3段重ね以上をキープしておかないと、売りにはつながらない。
 そして、それを7時までキープしなけらばならない。
 平日の強い曜日であれば、更に8時まで売場維持を伸ばす。

 以前と違い、蒲焼が主流の現在は、うなぎはレンジで温めて食べるもの。
 だから、働く主婦の増加で、時間が遅くなればなるほど、うなぎへシフトしていく。
 要は、簡便商材の最たるメニューだ。
 そこに、古来からの風習でうなぎを食べる日とくれば、大手を振ってうなぎだ。

  *ここまで書くと、「スーパー大好きママさん」の怒りのコメントが怖いが(汗)。

 だから、週末より、平日の丑の日の方が、うなぎだけの売上は上がるものだ。 

  “売場は完璧だ。後は、雷雨か?”

 しかし、今日の雷雨は、一度鳴ったきり、いつものような激しさを見せることは
 なく、いつしか晴れ間に変わっていた。

  そこから、予想通りの集客が始まった。

 食べ比べたお客様は、どんどん新仔うなぎを購入していく。
 試食周辺は、大いに賑わってきた。そして、2枚3枚と購入されていく。

  “今日は、70万程度かなぁ~”

 そう思っていた「うなぎ」の売上は、午後8時で、昨年をクリアしていた。
 



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コメント

スーパー大好きママさん、コメントありがとうございます。
今年で4回も手を抜いた(失礼)、いや、御馳走だったとはうらまやしい限りです。
新仔(しんこ)うなぎは、食べ比べれば必ず購入するほど、味の差別化にはなりました。
おかげで、皆さん騙され、いや、納得されて購入されていましたよ。
さぞ、「美味しいうなぎだ!」と当店の評判が更に上がったのかな、と思っています。
 と、簡単に書いていますが、1尾1500円前後の単品を、その他低単価品を押しのけてメインの売場で売ること自体、相当勇気のいる事です。一歩間違えば、大きな損失になる事を考えると、ハラハラ・ドキドキの一日でしたが、それもまた仕事の面白さですね。

投稿: てっちゃん | 2010年7月29日 (木) 23時51分

てっちゃん店長へ
ええ、ええ、もちろん土用の丑の日にうなぎが食卓に出ないとなると日本の母の名がすたるので、大手を振って買いましたよ。
といっても我が家ではこの夏既に3、4回食卓に登場していますけどね(笑)

新仔うなぎっておいしいんでしょうね。
2種類のうなぎを試食させるなんて、にくい演出ですね。
1種類だと、買うか買わないかの判断になるけど、2種類だとどっちを買おうかという判断に移りますもんね。

あー、私もてっちゃん店長のお店に行って新仔うなぎをまんまと買わされてみたかった~。

投稿: スーパー大好きママ | 2010年7月29日 (木) 22時40分

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