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2010年6月14日 (月)

揖保の糸を仕掛ける

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


以前のブログで「テレビの力を借りる」を記した。
 http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-aea4.html

 店内での「伝説の売場」を利用しての単品量販。
 この場所で展開すれば、必ず全社一の販売を誇れる場所だ。

 そして、最近ここで、担当者の意見から「揖保の糸」を量販している。

  以前の「バジル&レモン」のカップ麺がそろそろ底をついてきた矢先の事、
  担当者に聞いた。

 「おい、この伝説の売場で、次に何を仕掛ける?。」

  「なんか、飲料とかが在庫で余っているんで、それにしましょう。」

 「バカ野郎!。そんなありきたりの商品は、フリースペースにでも出しておけ、
 ここは全社一を賭けて、ひたすら単品量販をして、お客様に喜んで頂く売場だ。
 もっと未来につながる商品を考えろ!。」

  「はぁ~っ。それじゃ、『揖保の糸』を売りましょう。これからの季節、食べて
  美味しいそうめんを徹底して売り込めば、集客力が高まりますよ。」

 「よしっ、決まりだ!。即発注だ!。」

  「了解です!。ところで、いくつ発注しますか?。」

 「いくつだ?。」

  「50ケースぐらいだったら、量販出来る売場が作れますが。」

 「50じゃ、貧弱だろう。100だ!。」

  「ひぇ~っ。はい、かしこまり!。」

 そして、その後バイヤーにファックスしたとの事だったが、不安になった私は、
 直接バイヤーに電話した。

 「○○バイヤーですか?、店長のてっちゃんです(こんな言い方はしませんよ)。
 揖保の糸100ケースのファックスは見ましたか?。」

  「見ましたよ。100ケースですか?。凄いですね。」

 「2か月で売り切れるでしょう。もっと早いかも知れない。ところで、定番価格から
 下げて量販したいのですが、価格交渉してもらえますか?。」

  「100ケースですからね。当然交渉しようとは思ってました。298円で販売できる
  ように条件引き出しますよ。」

 と言うわけで、100ケース入荷した。
 1ケースに30袋だから、総数3000袋、総額90万だ。
 今までの最高金額。そう考えると、見振るいがしてくる。

  “これだから、現場は辞められない”

 生きているという実感を得る瞬間だ。

 この『揖保の糸』。昨日までは、1日2袋平均の販売数量だった。
 そして、この場所での展開で、1日50袋平均での販売数量へステージを上げた。
 予定通り、2か月で消化するペース。

そして、先日。

 この売場の前で、担当者が私に聞いてきた。

  「店長は、どうして、この売場で100ケース売れると踏んだのですか?。」

 「勘だ。」

  「勘ですか。私もまだまだ修行を積まないと駄目ですか?。」

 「そうじゃ無い。俺の言う『勘』とは、あらゆる情報を駆使して、頭の中をグルグル
 駆け巡った挙句の後に、一瞬で頭に浮かんできたのが、この商品なら1日50袋
 は動くという数値だ。あたるも八卦当たらぬも八卦のいい加減な勘では無い。」

 「そして、それは、日々考えながらこの売場の動向を見ていると、商品ごとに、
 ここで売れば、いくつ売れるという予測が見えてくるものだよ。この売場はいわば
 私とお客様との信頼関係の証だ。そのように、この売場を育ててきたのだ。」

 彼にはたぶん、まだ理解出来ない話だろう。
 しかし、わかる時が、きっと来るはずだ。

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店長の仕事」カテゴリの記事

コメント

店長見習いさんへ、
そう言う事です。
そうやってひとつひとつ、自店のお客様の法則を自ら掴みとっていけば、いずれお客様との信頼関係が築かれ、店長見習いさんの思惑通りの商品動向が描けますよ。

投稿: てっちゃん | 2010年6月29日 (火) 06時46分

こんばんは。 コメントありがとうございます。 どの店舗にも通用する「答え」は無いという事ですね。 それは日々お客様に接しながら自ら探しだす物、なのですね。 その辺を意識して取り組んでみます、ありがとうございました。 

投稿: 店長見習い | 2010年6月29日 (火) 01時03分

店長見習いさん、コメントありがとうございます。
乾麺エンドに関しては、まずは好きなようにやってみたらどうでしょうか。
全ての結論を下すのは、自店の「お客様」なのですから。
個店のお客様の動向は、個店によって異なる。だから他店の成功事例がなかなか自店で成功しないもの。自店のお客様の動向や買い回りは、やはりそのお店の店長が一番精通していると思います。だから自ら自店のお客様の法則を掴まなければならない。
話を戻せば、あなたのお店のお客様が、その関連の多さに、どう反応するのかで、その後の対応を考えればいいでしょう。そうやって一つの売場やエンドが進化していけばいいと思いますよ。
個人的には、エンド前面が全て「揖保の糸」であれば、それを殺す程の関連は、そう簡単には出来ないと思いますが。

投稿: てっちゃん | 2010年6月27日 (日) 06時21分

こんにちは。 以前「陳列」に関する本で質問した者です。 その後も色々探してみて食品商業刊の「売れる陳列と演出の教科書」を購入して読んでいる所です。 基礎的な本だと思いますが、恥かしながら参考になる事ばかりで今まで何やってたんだろう・・・と自己嫌悪気味です。

さて最近は「売り場の変化」に気をつけて試行錯誤の日々なのですが、乾麺エンドも変化させないと・・と思っていた所「揖保の糸」の書き込みを見て「これだ!!」思いエンド前面を全て「揖保の糸」で展開してみました。
自店では198ラインのそうめんより297円の「揖保の糸」の動きが良く結果が楽しみです。 乾麺については売り込みたい関連商品が多く、ついついエンド前の突き出しが多くなってしまい「主役」の乾麺を殺しているのでは?という思いがありますが、てっちゃん店長はそのへんどう思いますか? ご意見聞かせていただければ幸いです。

投稿: 店長見習い | 2010年6月26日 (土) 18時37分

通りすがりさんへ。
長ねぎは、地場の農家さんの採れたてが何といっても一番だと思います。
根生姜は、うぅ~ん、高知かな。

投稿: てっちゃん | 2010年6月17日 (木) 06時46分

てっちゃん先生、お仕事お疲れ様です

ネギと根生姜はどこの産地が合うのですか?

長ネギなんかも九条ネギとかが合うんですかね?

どうせ食べるなら感動したいです(笑)

贅沢でしょうか?(笑)

投稿: 通りすがり | 2010年6月17日 (木) 00時46分

通りすがりさん、コメントありがとうございます。
最高の薬味は、単純ですが「ねぎ」と「根生姜」だと思います。
美味しいそうめんほど、そんな薬味で十分でしょう。

投稿: てっちゃん | 2010年6月16日 (水) 20時58分

てっちゃん先生、お仕事お疲れ様です

揖保の糸

揖保のつゆ

そして、それに合う最高のやく味を教えてください

お願いします(笑)

たぶん揖保のつゆを品揃えしてるのはてっちゃん先生の店だけでは?

つゆがあればまた揖保の糸が食べたくなりますね?

投稿: 通りすがり | 2010年6月16日 (水) 13時25分

hermesさん、コメントありがとうござます。
非常に具体的なアドバイスが参考になりました。
実は、競合各社も、298円販売店舗が数店舗あり、一時の勢いが薄れつつあります。
また、数日前に超特価の特売が入り、その日だけで320袋の販売後のタイミングでもあり、トーンダウン状態でした。
原価的には278円でも十分販売できるのですが、それは私の意地。298円でどれだけさばけるか、もう少し知恵を絞ってみます。
そして、hermesさん、いつでもコメントください。
今後とも、よろしくお願いいたします。

投稿: てっちゃん | 2010年6月15日 (火) 00時10分

はじめまして!
いつも楽しく、そして勉強させていただいております。
私は某県でディスカウント2店舗を経営する父親の元で仕入をしているものです。
会社全般も見なければならないので、勉強の日々なのですが、本当にてっちゃんの考え方は商売人として参考になります。
そして、当社にもてッちゃんみたいな店長がいれば、だいぶ変わるだろうなという気持ちでブログを読ませていただいております。
もちろん、うちの店長たちにも読むようにアドバイスしております。

さて、揖保の糸の企画はおもしろそうですね!当社でも販売はしているのですが、価格は278円で販売しています。
なぜか?私の県ではどのスーパーも298円で販売しているので、ディスカウント店としては負けじと安くしている次第です。
それでも週販で5ケース、数量にして約150袋くらいですか、余り売れないものですね、やはりその辺は食品スーパーさんは強いですね。
で、参考になるか分かりませんが、278円税込み売価でも値入は約8%とれます。で、ロットは1ケースからです。
ベンダーとメーカーの取引がどうなっているか分かりませんが、てっちゃんさんが100ケースもの発注をするのであれば、それなりの原価になるのではないでしょうか。
そしたらどうでしょう、一発ここで278円のビッグプライス販売というのは!
と、すみません、僭越ながらブログを読み思った次第です。(ここまで書いていいのでしょうか・・・汗)
さて、揖保の糸企画の反響がたのしみですね!結果報告楽しみにしております!
機会があればまたコメントさせていただきます。
長文失礼しました、お体に気をつけてこれからもがんばってください!

投稿: hermes | 2010年6月14日 (月) 13時16分

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