桐生エリアMR②
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
6月中旬に桐生の駅前ビルに、居抜き出店した「MV社」。
関東全域に積極的に出店している「MV社」の勢いは止まらない。
その最新出店店舗をMRした。
まず、桐生駅前の「MV社」。
旧長崎屋の物件に、そのまま出店。
それなりに広い店内と中央の吹き抜け。
フロアは3階建てで、長崎屋時代は、吹き抜けの気持ちのよい建物だったのだ
ろうと想像できる。
しかし、MV社になり、建物のレイアウトを活かした商品配置は見る影も無く、
MV社得意の商品陳列で、所狭しと売場に商品が並ぶ。
生鮮は、当然青果から始まるが、通常のスーパーの青果の売場面積と比べ、
狭い。
生鮮各部(青果、鮮魚)がテナントであり、主体のMV社のグロサリーの商品構成
が優先され、残りを生鮮のテナントでどうぞ、という店舗レイアウトとなっている。
更に、青果は価格重視で品揃えを付加した魅力を出そうとしているが、鮮魚は
値入れ重視で、お買い得感が薄い。デパ地下の印象すらある価格帯だ。
当然、お客様は付いていない。
そして、精肉は自営で展開しており、ここで急に地方スーパーの延長のような
品揃えにトーンダウンする。
逆に、グロサリー(デイリー含む)の品揃えと売場メンテナンスのほうが素晴らし
い。
この部分では、先週の黒磯MRで記した「MV社」と逆のパターンだ。
店舗とはこのように、フロアのバランスが大切であり、ワンストップショッピング
とは、どの部門も「穴」を作る事が許されず、同一のコンセプトを有しながら、
基本レベルの高さも求められるものなのだ。
この店舗の鮮魚にお買い得感のある単品量販の日々の企画が入り、精肉が
黒磯のMV社のようなテナントが入って、牛肉の強みが増せば、市内の競合店
もうかうかできない状況に陥るだろうと思われる。
次に「Y社」。
市内の好立地に位置する地域に、しまむら、靴屋その他のテナント群と商業
集積を組む店舗。駐車場も広く、店内のレジ台数も11台と多い。
このレジ台数から、年商25億は裕に見込まれる店舗だ。
売上の高い店舗だけあって、生鮮細部には「粗さ」が目立つが、それを上回る
量感とオリジナル感が漂うところが、この店舗の魅力だろう。
「Y社」の最新店舗の先進性は無いが、店長中心に店舗レイアウトを考え、集客
ポイントを熟知し商品展開と仕掛けをこれでもかと施している。
恵まれた什器には乏しいが、それを感じさせない創意工夫がある。
地域のお客様の信頼を得ている店舗かな、という印象だ。
更に「F社」。
こちらも市内に立地する店舗だが、歴史を感じさせる建物と駐車場。
そして店舗レイアウトも、相当に古いタイプだ。
青果も、トップの平台のみで、他は両面の定番冷ケースのみの展開。
逆に言えば、青果のオペレーションは相当楽だ。
しかし、青果部門とは、「変化対応業」の権化のような存在。
メンテナンス重視で変化を失えば、店舗の魅力が半減する部門でもある。
そこを、定番冷ケースでどう強調するかが課題だろう。
桐生駅前の「MV社」を中心にMRしたが、新規出店に加速をつける同社だが、
ここでは、生鮮(鮮魚、精肉)の魅力を失い、どうトータルの集客を維持していくか
が、今後の課題だろう。
新規開店から約1週間。まだまだ集客があり、商品回転も伴うが、1カ月後の
7月からは、店舗運営に大きく舵を切らざるを得ない状況が待つものと見られる。
PS
桐生エリアMR②を載せました。どうぞ。
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/photos/kiryuumrsan/
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