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2010年4月20日 (火)

懐かしい顔Ⅸ

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日、鮮魚売場を見ていると、懐かしい顔に出会った。

 かっての企業で、鮮魚SVをしていた時の、部門チーフである。
 現在は、このエリアでSVをしていると言う。

 かって、私が鮮魚SVとしてエリアを取り仕切っていた頃のチーフ達は、
 概ねが、各エリアのSVとして成長している。

 そして、彼も他エリアのSVから、このエリアに人事異動してきていた。

 私を見つけた彼は、言った。

  「てっちゃんさん、お久しぶりです。お茶でも飲みましょうか!。」

   “おい、それは、俺の方から言うセリフだぞ”

 当時から、彼らは、遠慮の知らない図々しい連中だった。
 そうでなければ、鮮魚という部門のチーフを率いる「手綱」は握れない。

 休憩室で、彼とお茶を飲んでいると、いろいろな話題で盛り上がった。

  現在の鮮魚の不振の要因。
  人材育成の壁。
  自身の今後、等。

 鮮魚に限らず、会社全体としても、厳しい数値が続いているという。
 従来のパラダイムにすがりつく限り、どんどん他社の追随を許す事になる。

  外部から見たこの企業は、更にひと枠を乗り越えて、
  外部環境に触れなければ、この企業はどんどん縮小均衡に陥っていくだろう。

  外部とは、グループを飛び越えて、まったくの外部と言う事だ。
  そこで、スーパーマーケットの最適な「コスト管理」の血を学ばなければ、
  稼いだ利益は垂れ流され、価格競争にも追随できず、いずれ衰退する。

 彼らの世代までは、何かと言えば酒を飲んで、大いに議論した年代だが、
 下の世代になると、この企業の強みである、野武士のようなたくましさが消える。
 
 それは、どの企業も同様なのだろうが、ここ30年で急速に進化したスーパーとい
 う業界は、もともと企業の体をなしていなかった組織が、内部の人材を中心に
 自ら組織固めを図りながら、現在の基礎を造ってきた経験が、その後の働き方
 にも、大きく影を落としている。

  そして、最近思う事。

 “労働環境が整い過ぎると言う事は、今後の企業に本当にプラスなのか?”

  最近、特にそう思っている。

 特に、この業界は、マンパワーとチームワークの両立が必須なのだが、大手に
 なればなるほど、両立どころか、両方とも失ってきているのではないか?、と思っ
 てしまうような気配だ。

 それは、どこから来ているかと言えば、労働環境が整いきった企業が陥る病で
 はないかと思えるのだ。

  労働環境が整っていると言う事は、現状に何の不満や不安を抱かずに、目の
  前の仕事に専念できるメリットと考えられがちだが、本当にそうなのか?。

  労働環境が整わない現実に、目の前の仕事と同時に、労働条件を自らの工夫
  で改善していく。周りの環境を一歩引いた目線で見つめ直してみる。

  結果的に、労働時間は長くなり、仕事以外のボランティアに費やされる時間が
  多くなってしまうが、その事から得られるメリットのほうが莫大であり、自らの
  考える力を養う上で、広い視野を得る事が出来るのだろうと思う。




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コメント

ふるたさん、コメントありがとうございます。
品揃えを絞れば、コスト管理が容易になる。
逆にお客様から見れば、選べなくなる。
どこに妥協点を置いて、自社の最適な品揃えをコスト管理とお客様志向から選択するかが、企業毎の存在価値になるのでしょう。
それを、現状の従業員の能力から選択するのか、将来のあるべき能力から選択するのか。
その選択をするのは、トップの仕事なのでしょうが、トップがより高いレベルの選択をするように、我々は現場力を高めておきたいものですね。

投稿: てっちゃん | 2010年4月21日 (水) 07時45分

今日も雑貨部門のマネージャー相手に、一言文句を言ってきました(笑)

コスト管理が、できないのは、大半のスーパーマーケットが、そうですよ。

値入れ・粗利・経常利益・・その他諸々の経営数値の本当の意味も知らない店長とか管理職が多くなりましたからね。

個人的には、中国地方の〇〇ーズというスーパーマーケットの売場が、大好きなんですよね。
ほんとに必要なものしか品揃えしていないけど、ショッピングセンターでも無い限り、そういう品揃えでもいいのでは、と考えてしまいます。
コスト管理の徹底した会社ですし、挨拶も徹底されていて(特に本部の)すごいです。

投稿: ふるた | 2010年4月20日 (火) 21時49分

ねこねずみさん、コメントありがとうございます。
店舗の利益を創出する為に努力し苦悩する店長の姿は、規模の大小を問わず直面しているものですね。
私が言いたかったのは、大手GMSも当初は創業者が店舗を周り、直接顔を合わせ、経営者・従業員関係無く目の前の課題に対し店舗全員が力を合わせて乗りきっていた時代があった、と言う事です。
その原点に、トップも末端の従業員も戻る努力をしていかないと、結束の固い中小に商売として負けていってしまう。
ねこねずみさん、是非、そんな目で周囲を見ていってください。
今後とも、よろしくお願いいたします。
PS 
 タイピングの間違いは、誰にでもありますよ。気にせず、
 いつでも立ちよって、コメントください。

投稿: てっちゃん | 2010年4月20日 (火) 11時35分

こんにちは。はじめまして。
ふるたサンのところからとんできました。
時々こっそり読ませてもらっています。

いわゆる大手のGMS店に勤めていますが、労働環境が整っているかといえばそうではありません。
確かに、制度的なものは整いつつあります。
が、店では慢性的に人が足りず、パートアルバイトの新規採用もできず(決裁がおりにくい)、基本は省みられず、教育力も落ち、お客様に不便を強いる結果になっています。

私は後方担当で、増設レジ設置作業をすることがありますが、責任者がこのレジを専属でまわせる人員がなく、通常の売場担当だけでまわさないとならないといって悩む姿は気の毒すぎます。
また、食品レジの人員も少なくなり、店をあげての応援体制を取ろうとするのですが、各売場の人員もぎりぎりで大ブーイングが起こります。
応援に入ったとしても、相当の時間をとられることは必至で、結局ボランティアという名の仕事を売場・後方にかかわらずすることになってしまいます。

ということで・・・食品スーパーさんとGMSでも実態はそんなに違わないと思うのです・・・。

店長をされているてっちゃんさんとは、まったく知識量も経験も違いますので、偉そうなことはいえませんが、ちょっと書いてみたくなったので。

では、これからもこっそり読ませてもらいますので(笑)、よろしくお願いします。

投稿: ♪ねこねずみ♪ | 2010年4月20日 (火) 10時08分

けんたさん、コメントありがとうございます。
大手に対して、中小の「弱み」を「強み」に変えられないか?。
ただ、弱みを弱みのまま放置しておけば、不満しか出てこないが、逆にそこを鼓舞して自分たちでなんとかしようとする、解決力を蓄積させる「チャンス」と捉えようと思っています。

投稿: てっちゃん | 2010年4月20日 (火) 08時19分

こんばんわ

最近そう感じるようになりました
逆に なんでもしてあげることが
部下の成長を妨げていないか?
そんな気がしてなりません
考えてみれば不思議なものですね

投稿: けんた | 2010年4月20日 (火) 00時52分

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