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2010年4月 5日 (月)

黒磯エリアMR④

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


以前から要望の多かった、「黒磯エリア」での「T社」の出店MR。

 今回ようやく実現できた。
 前回黒磯エリアに来た時は、「T社」が開店数日前で、残念ながらMRは無かっ
 た。

 そして、ようやく実現出来たMRだった為、この周辺に出店する「ディスカウント」を
 集中してMRし、今後のディスカウントの方向性を見てみたい。

 もともと、スーパーマーケットという業態自体が、ディスカウントが原点であり、そこ
 から成長していった結果の現在なのである。

 そして、成長戦略に乗って拡大していった「スーパーマーケット」がいつの間にか、
 安定戦略へ軌道修正し、価格追求を忘れた結果が現在の「ディスカウント」に市
 場を荒らされている結末だと言える。

そして今回、黒磯の基幹道路沿いに新規出店した「T社」。
 
 「T社」も居抜き出店から、今回は新規物件での出店だ。
 
 生鮮はいずれ衰退していくだろう。しかし、この店舗の強みは「衣住」。
 この店舗が、「衣住」を持ち、更にテナント群に
 「ホームセンター」を持つ意味は大きい。

 これは、今後このエリアに新生活を営む世代から見れば、大いに魅力のある
 ショッピングエリアになっていく。
 そして、若年層ほど、生鮮の「味」に対してのこだわりは薄い。

 そう考えると、この店舗の「生鮮」の動向が、今後の進化の方向性を示すだろう。

次に「Y社」。

 一番影響を受けているだろう。
 しかし、この企業は、このような立場に追い込まれた時の底力は
 他社の追随を許さない。

 競合が不毛だった以前の売場からは、相当進化していると思われる。
 青果と精肉が大きく変わった。

 速に「精肉」は、徹底して「焼肉」にこだわった品揃えを実現している。
 それは、後述の「MV社」の影響もあるのだろう。

 青果の価格戦略も、「いわきエリア」での成功事例が活かされており、競合他社
 の価格はしっかりマークされているようだ。
 このような対応に、お客様は敏感に反応するものだ。
 
  “Y社も、負けまいと、頑張っている”

 そんな評価は、青果の価格から始まるものだ。
 しかし、基幹道路でわずか数分の距離にある「Y社」の影響は甚大だろう。

更に「J社」。

 「T社」から更に南に3K。完全に商圏内に位置する「J社」。

 そして、同様の業態である「ディスカウント」。
 こちらは最大手であり、安心のプライベートブランドも有する。

  しかし、企業内の求心力は、もはや無い。

 巨大なハードと、プライベートブランドでの安定感だけが拠り所。
 この企業の「生鮮」の存在ほど、中途半端なコンセプトは無い。
 平気でこのような商品展開を許してしまう販売部門が理解できない。

  この企業の商売に対する「原理原則」が今後問われていくだろう。

そして「MV社」。

 今回「T社」の出店にあたり、同様の「ディスカウント店舗」として、昨年オープン
 した「MV社」との比較が顕著になってくるだろう。

 そして、この「MV社」は、生鮮での進化が進んでいる。
 特に精肉の焼肉商材等の品質と品揃え、価格は他を圧倒するものがあり、目
 利きを持つお客様にとっては、買物が楽しい店舗である。

 しかし、その生鮮3部門は全てテナントであり、その生鮮での進化もこの店舗の
 存在価値としては微妙になってくる。
 店舗としての進化が、テナントの進化であっては、最後は結局テナントに裏切
 られる結末を迎える。

 過去に、同店舗内で、他企業同士がコラボして継続発展した事例は無い。
 店舗とは、結局は、部門としての進化だけでは存続出来得ないのである。
 独立した部門が連携して有機的に連動して存在するから、その共同体として
 の存在に、競争力が生まれるのである。

 そう言う意味では、この企業のメインである「グロサリー」の進化が見られない
 限りは、いずれ頭打ちになる事だけははっきりしていると言える。

最後は、「D社」。

 前述の「MV社」の影響がいまだに大きく影を落としている。
 そして、それに対しての対策が現場で見えてこない。

 このような存在の店舗ほど、小回りを利かせた品揃え、価格政策、そして
 店舗規模の小ささを利かせた単品量販と、隣の店舗と共同してエリアとしての
 集客力を、知恵を絞って開発してほしいものだ。

 まずは、隣の店舗には無い生鮮の品質品の量販力をつける、差別化する事
 が大切であり、隣には無い人的サービスの追求も模索しなくてはならない。

 更には、隣には無い、インストアの強いを取り込まなくては、小回りを利かせた
 存在にはならないと思われる。

この「T社」の出店で、このエリアに、大型「ディスカウント」が3店存在する事とな
った。

 ますます、自企業のコンセプトを明確にして、強みに磨きをかけ、昨年より今年、
 今年より来年、と進化させ続ける努力が、未来への明暗を分けていく。

PS
 黒磯エリアのMR写真を載せました。どうぞ。
 http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/photos/kuroisomryonn/


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コメント

いつもありがとうございますさん、コメントありがとうございます。
一日二日で「人材」が育つものでも無いですが、日々繰り返し厳しく言い続けていれば、組織文化は必ず良い方向に醸成されていくもの。
更には、仕事の楽しさ、商売の楽しさ、お客様への奉仕に対する楽しさがその原動力になるのも事実。
その事に対して、男も女も、社員もパートも関係無い時代がやってきましたからね。

投稿: てっちゃん | 2010年4月 6日 (火) 07時22分

KOZOさん、コメントありがとうございます。
競争に晒される事を、メリットと捉えるかデメリットと捉えるか。
積極的に「メリット」として内部改革を図ろうとするKOZOさんの意識と行動が組織を大きく動かしていくのだと思いますよ。

投稿: てっちゃん | 2010年4月 6日 (火) 07時10分

Dの彼さん、コメントありがとうございます。
競合が出現すれば、お客様の選択が生まれる。
その選択のテーブルに乗れるだけの基準があると思います。
その基準をひとつひとつ潰しこんでいく事が、競合対策であり、戦うと言う事であり、その事がお客様に伝わる事が、数値が変わっていく事なのだと思います。

投稿: てっちゃん | 2010年4月 6日 (火) 07時06分

当店に関しましても、売上は人が作るものである事を、全従業員に意識させ、おすすめや、お買得である理由をお客様にどう伝えるか等にも取り組み、更なるレベルアップを狙います。
いつも、ありがとうございます。

投稿: いつもありがとうございます。 | 2010年4月 5日 (月) 20時31分

いつもお元気さまです

 弊社2店舗の中間点に「T社」が7月オープン予定です。(本来は昨年の予定だったのですが、リーマンショック等により凍結されていました。)
 競合は必至ですが、それまでに2ケタアップを目指し奮闘中です。

 >生鮮の品質品の量販力をつける、差別化する事 が大切であり、隣には無い人的サービスの追求も模索しなくてはならない。
 
 最終的には「人間力」ということですね。

 てっちゃんさんに負けない様がんばります。

投稿: KOZO | 2010年4月 5日 (月) 20時00分

いつも勉強させて頂いております。まだまだお客様のほうを向いた商売が我々には出来ておりませんが、まずは己から変革し、足下から徹底的に鍛え上げていきたいと思います。

投稿: Dの彼 | 2010年4月 5日 (月) 10時21分

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