新任バイヤーの来店
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、新任のバイヤーが来店した。
かっての店長仲間だ。
そして、彼の表情には、かっての店長時代の快活さは無い。
お互いに、異動して数日。
店長から商品部へ異動した彼は、まだまだ、本部の流れについていけない。
当然だ。
仕事の質が、違うのだから。
店長の仕事は、政策を、具体策を決断し、さばいて、部下へ振る事。
バイヤーの仕事は、トップの言葉を受け、政策自体を考案していく事。
店長時代は、判断、決断業務が主だったが、
バイヤーは、政策立案を実務していく存在だ。
かっての店長仲間のバイヤーは、しみじみと私に言った。
「てっちゃん、お店の方が、全然楽しいよ。」
わかるが、それには頷けない。
バイヤーは、1年やらないと、見えてこないものがあるからだ。
店舗では、2週間前が店長の具体的時間軸。
バイヤーは、2か月前が具体的時間軸と長い。
その時間軸すら、視点を変えなければならない。
更に、当然慣れ切った店長としての、従来からの仕事量も全く変わる。
部門の実務者としての、こなしていく作業量も異質のものだろう。
店長が、仕事をこなす、とは、判断業務。
バイヤの仕事をこなすは、立案と実務の両面。
だから、自ら立案し、自ら行動し、自ら量をこなしていく事。
その流れに、大いに戸惑っているのだろう。
従来は、判断決断する量は半端じゃ無かったが、量をこなすことは無かった。
そこが、なかなか流れに乗って行けない、最大の原因だろう。
しかし、そういう彼も、本部へ行って、見えてくるものもあるという。
横のつながり。
店舗では、横のつながりは、店長主導でどんどん進められる。
店長間同士でも、横のつながりから、販売情報が共有される。
本部での、横のつながりが、薄い、という事。
更に、今回の異動で店長仲間3人が本部異動になり、
本部での横のつながりを主導しているのも、異動した店長仲間だと言う事だ。
それによって、バイヤー個人の仕事のはかどりは、進まないかもしれないが、
横の連携が増し、より店舗組織に近づいた「政策立案」になれば、その効果は
計り知れないし、店舗との連携も身近になり、商販一体となる可能性を秘める。
彼らが本部でバイイングをしていく、もうひとつの理由がそこのあると思う。
彼らもまた、大きな「壁」を迎え、従来とはまた別の、店舗の力を借りた
「壁」の乗り越え方をしていってほしいものだ。
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