ある、弟子からの電話
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、ある店長から携帯が鳴った。
「あっ、店長、お久しぶりです。」
「俺は、いつまでもお前の店長じゃ~、無ぇ~!。」
かっての、私の部下だった男だ。
私の卒業試験にも、来ていただいた。
「どうした?。」
「今度の店長会で発表する店舗方針が書けないんで、教えてください。」
“店長になってすぐに、あれを書けと言われても、困るだろうなぁ~”
どんな資料や提出物も、長年やり続けて慣れているから、年に一度の店舗
方針も、ある程度従来の流れを考えながら書けるのであって、白紙の彼ら
が、初めからスラスラ書けたら、土下座をしたいぐらいだ。
「わかった。今すぐ俺のをファックスするから、参考にしたらいい。」
「ありがとうございます。助かります。」
「ところで、どうだ?、店長業は?。」
「いやぁ~、・ ・ ・ 」
それから、出るわ出るわ、赴任してからの不満が。
今までは、上に店長という存在があったから、それを店長が受け止めてくれてい
たが、今後は、それを誰も受けとめてくれない。
悩んでも、自らに、問うだけだ。
そうしながらも、自らのスタンスを見つけていく新任店長もいれば、
逆に、自ら崩れていく新任店長もいる。
“それに関しては、後日、彼に話そう”
その後日。
販売会議後の「懇親会」。
彼が言った。
「なんか、俺一人だけ浮足立って、浮いているって感じなんです。」
私は言った。
「店長として、初めてのお店は、失敗すると思え。」
「私も、そうだった。思い出したくない思い出ばかりだ。」
「そうして、2店舗、3店舗と異動しながら、いろいろな事がわかってくるんだ。」
彼は、そう言われても、意味不明の顔をしていた。
「とにかく、新任店長に出来る事は、体を使って行動する事だけだ。」
「その姿、その後ろ姿で、まずは部下の信頼を得る事からだ。」
ようやく、彼に顔に血の気が通ってきた。
「そうですよね。そう信じて行動します。」
誰でも通る道。
それは、店長としての初店舗。
業績云々では無く、内面的には、必ず「挫折」する。
いや、挫折してもしなくても、初回は必ず挫折する、と思っていた方が、
本人も周囲も、気が楽だ。
本当の力は、2店舗目からだ。
そして、まだまだこの企業は、それを許せる余裕がある。
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