« お店の顔 | トップページ | 懇親会Ⅴ »

2010年2月20日 (土)

ある、弟子からの電話

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日、ある店長から携帯が鳴った。

 「あっ、店長、お久しぶりです。」

  「俺は、いつまでもお前の店長じゃ~、無ぇ~!。」

 かっての、私の部下だった男だ。
 私の卒業試験にも、来ていただいた。

  「どうした?。」

 「今度の店長会で発表する店舗方針が書けないんで、教えてください。」

  “店長になってすぐに、あれを書けと言われても、困るだろうなぁ~”

  どんな資料や提出物も、長年やり続けて慣れているから、年に一度の店舗
  方針も、ある程度従来の流れを考えながら書けるのであって、白紙の彼ら
  が、初めからスラスラ書けたら、土下座をしたいぐらいだ。

  「わかった。今すぐ俺のをファックスするから、参考にしたらいい。」

 「ありがとうございます。助かります。」

  「ところで、どうだ?、店長業は?。」

 「いやぁ~、・ ・ ・ 」

  それから、出るわ出るわ、赴任してからの不満が。

  今までは、上に店長という存在があったから、それを店長が受け止めてくれてい
  たが、今後は、それを誰も受けとめてくれない。

  悩んでも、自らに、問うだけだ。

  そうしながらも、自らのスタンスを見つけていく新任店長もいれば、
  逆に、自ら崩れていく新任店長もいる。

 “それに関しては、後日、彼に話そう”

 その後日。

  販売会議後の「懇親会」。
  
 彼が言った。

  「なんか、俺一人だけ浮足立って、浮いているって感じなんです。」

 私は言った。

  「店長として、初めてのお店は、失敗すると思え。」
  「私も、そうだった。思い出したくない思い出ばかりだ。」
  「そうして、2店舗、3店舗と異動しながら、いろいろな事がわかってくるんだ。」
 
 彼は、そう言われても、意味不明の顔をしていた。

  「とにかく、新任店長に出来る事は、体を使って行動する事だけだ。」
  「その姿、その後ろ姿で、まずは部下の信頼を得る事からだ。」

 ようやく、彼に顔に血の気が通ってきた。

  「そうですよね。そう信じて行動します。」

 誰でも通る道。

  それは、店長としての初店舗。
  業績云々では無く、内面的には、必ず「挫折」する。
 
  いや、挫折してもしなくても、初回は必ず挫折する、と思っていた方が、
  本人も周囲も、気が楽だ。

  本当の力は、2店舗目からだ。
  そして、まだまだこの企業は、それを許せる余裕がある。




|

« お店の顔 | トップページ | 懇親会Ⅴ »

友人」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ある、弟子からの電話:

« お店の顔 | トップページ | 懇親会Ⅴ »