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2010年1月 4日 (月)

今年の年末商戦から、何を学ぶか。

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。



クリスマスから続く、たかだか10日間の長い年末商戦。

 ようやく、その商戦が終焉し、一年間のお客様の評価を受け止め、
 新たな年の幕開けがやってきた。

 そして我々は、この、一年で最大の商戦から何を学ぶのか?。

  今年の商戦の一番象徴的な事例が、一昨日の「年末ドキュメント」で記した
  「かまぼこ」の動向だ。

 従来のデータから割り出した品揃えと数量。
 ベーシックでスタンダードな低価格の主力かまぼこ。
 更には、品質、原材料、容量等で各サイズ、各価格帯の品揃えが発生する。

  今年は、従来のデータの積上げが大きく破壊され、
  アイテムの数量バランスが大きく崩れてきた。

  それは、毎年毎年、絶妙なバランスで構築されてきたものであり、
  そのバランスは、毎年確実に揺るぎのない経験値として確立してきた。

  そのお客様との信頼関係が、今年は一気に吹き飛んでしまった。

  それだけ、高単価の高級かまぼこの動きが無くなり、
  逆に、低単価のベーシックがかまぼこが、品揃え当初から吹き飛んだ。

 豊富なおせち商材ではあるが、近年のかまぼこ、伊達巻集中が、今年は更に
 進み、更には低単価のかまぼこ、伊達巻、おせちセットへ集中した。

 それも、品揃え当初からその傾向が顕著であった。

  決して、おせち需要が減退したわけでは無い。
  価格差以上に、何の違いがあるのか?、という疑問に対して、
  お客様が明確な回答をもって、今回の年末商戦へ臨まれたと言う事だろう。

 それは、おせちだけの動向では無かった。

 年末商戦の商品動向は、決して低迷していたわけではない。
 ただ、高単価商品の動向が極端に低下し、スタンダード商材へ完全に移行し、
 その流れに追いつけなかっただけだ。

 お客様も、スタンダード商品に関しては、品切れ前に購買しようとし、
 前倒しで購入していく。

 その動向が、我々に、ある「錯覚」を起こさせた。
 
  “今年は順調に動いている”

 しかし、それはベーシック品だけの問題であって、全般的な流れでは無かった。
 
 更には、〆縄飾り、鏡もち、刺身盛り合わせ、まぐろ、かに他全般的な動向と
 なって、我々の眼前に現れた。

そして、もうひとつの事実は?。

 ワンストップショッピングの概念が崩れてきている、と言う事だ。

 我々スーパーマーケットは、ワンストップショッピングの利便性を追求しながら
 成長してきたと言ってもいい。

 それだけ、お客様はワンストップの利便性から、多少の品揃えの差、価格差に
 関しては、購買に関しての大きな障害にはならないだろうというバランスから、
 店舗規模拡大と、利益追求の両面を両立してきた。

 しかし、今年は、この両面の追求が命取りになる事を学んだ。

  カテゴリーで安い企業、安いチラシに関しては、買い回るという買物行動だ。

 これによって、弱いカテゴリーをそっくり持っていかれる動向だった。
 だから、集客はするが、単価が大幅にダウンする企業。
 単価は下がらないが、大幅な客数減に陥る企業。
 部門バランスが大きく崩れ、弱い部門が鮮明に出てしまった企業等。

 従来は、ワンストップを実現させるべく、その中での戦略で粗利ミックスを実現
 させてきたが、その戦略が崩壊すつつある事を、学ぶ年となったようだ。

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コメント

KOZOさん、コメントありがとうございます。
最後は結果ですが、昨対トントンで良しとすべきでしょう。
その内容が、計画に対して、どこがズレて、どこが好結果だったのかを追求していけば、更に今後の展開が開けてくると思いますよ。

投稿: てっちゃん | 2010年1月 5日 (火) 09時38分

ふるたさん、コメントありがとうございます。
イベントに強い秘訣は何ですか?。
是非、知りたいですね。
今年は、コストパフォーマンスをどう引き上げるかも課題。自動発注に関しての知恵も、後ほど詳しく教えていただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

投稿: てっちゃん | 2010年1月 5日 (火) 09時30分

けんたさん、コメントありがとうございます。
数値は人に付いて回りますからね。
と言う事は、その人の実力が明確に現れると言う事。
SVとして、各担当者の潜在的な力を、どう引き出してやるか、
更には、足りない力を、どう蓄積させるか、手腕の発揮どころですね。

投稿: てっちゃん | 2010年1月 5日 (火) 08時24分

まるで日本中のSMを見て回ったかのような内容ですね。ズバリです。特に今年は2日と3日の数字が昨年と大きく異なりました。2日が前年の2ケタ伸びと思ったら、3日はその分マイナスでした。やはり、休みが1日少なかった影響ですね。さらに、てっちゃんがおっしゃるとおり、低価格帯の商品をディスカウウントにかなり持って行かれた感じです。12/30~1/3までをならすと結局前年並みで終わっていました。

投稿: KOZO | 2010年1月 4日 (月) 19時05分

どこも苦戦されていたんですね。

幸いな事に当社は、年末年始とかお盆とか子供の日とかの祭日には、とても強いので、昨年もなんとか大晦日の予算だけは、とれました。
けど、傾向が変わっているのを切実に感じています。

また、これからお互いに知恵・アイデアを出し合いながら頑張っていきましょう・

投稿: ふるた | 2010年1月 4日 (月) 18時04分

おはようございます

その通りだなぁと痛切に感じました

私が担当するエリアで前年をクリアした鮮魚

魚だけ飛び抜けてよい店 店はそこそこなのに

魚だけ悪い店 などなど

それを踏まえ これからどうするかじっくり

考えたいと思います

投稿: けんた | 2010年1月 4日 (月) 09時05分

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